「MOLA レオパレス Z」が作戦を切り替えて優勝
「ダイシン ADVAN Z」も粘りの走りで6位
夏休み終盤のビッグイベント、「International POKKA 1000km」は、75kgのハンディウェイトを搭載する#46「MOLA レオパレス Z」(星野一樹/安田裕信)が、ウェイトを降ろす作戦から攻めに転じて予選5位から逆転で優勝。また予選7位スタートの#81「ダイシン ADVAN Z」(青木孝行/藤井誠暢)も、粘りの走りで6位入賞を果たした。

前日の雨は朝までに上がった鈴鹿。曇り/ドライコンディションで13時05分にスタートが切られた。#46 Zは星野、#81 Zは青木がスタートドライバー。ハンディウェイトが75kgと重い#46 Zは、当初は1000kmを5つのスティントに刻み6位以下でゴールしてウェイトを下ろす予定でいた。また#81 Zは路面とタイヤのマッチングがベストではなく、4スティントで粘り強く走る作戦を採ることになった。
序盤、#46 Zは7台によるトップグループの中で息詰まる走りを展開。当初30周前後で最初のピットインを行う予定だったが、「予想よりペースが良かったので、無線でもう少し走らせてほしいと頼んで」(星野)3位までポジションを上げた37周目にピットインして安田に交代。各車の1回目のルーティーンピット作業が落ち着くと、#7 RX-7と#95 MR-Sに挟まれる形で3位を走行していった。64周でクラストップの2台がピットインしたことで安田はトップに浮上。しかし70周を過ぎたあたりから2位の#95 MR-Sに追いつかれ苦しい展開に。さらにそこへ#2紫電が迫り76周目にはトップ3台は1秒以内に詰まることとなった。しかし77周目のS字で#95 MR-Sが単独スピン。78周目のダンロップコーナーで#2紫電にトップを譲り、2位でピットインし星野に交代した。91周目のヘアピンで実質上のトップを走行していた#2紫電がバックマーカーと接触してコースアウト。これで星野は実質的なトップに躍り出ることになった。
3〜4秒後方に#95 MR-Sを従えた星野は徐々にその差を開いていき、120周目には11秒の差をつけて3回目のピットインをして安田に交代。2位の#95 MR-Sも同じ周にピットインをしたが、ピットワークの時間でも#46 Zが勝りアウトラップではその差は17秒にまで開いた。128周目にそれまでトップを走行していた#7 RX-7がピットインすると、安田が三度トップへ。この時点でトップ争いは、#46 Zと18秒ほど後方の#95 MR-Sに絞られた。2台の差はじわじわと12秒まで詰まるが、安田も後方との距離を確認しながら走行。19時過ぎ、すっかり暗闇に包まれた鈴鹿で、歓喜のトップチェッカー。これでシリーズランキングトップに躍り出ることとなった。
一方#81 Zの藤井は、性能調整を受けてストレートスピードに勝る車両を先行させたこともあり、3周目には12位までポジションダウン。しかしペースを守って堅実な走りを続けた。39周目でピットインして青木に交代したが、このときにタイヤの情報伝達に混乱が起き予定外のコンパウンドのタイヤに交換することになった。このため青木もペースを上げることができず、苦しい走行を強いられた。しかし上位の車両にトラブルやアクシデントが発生したこともあり、81周目に2回目のピットインをするころには7位までポジションアップ。その後は藤井が91周目に6位にポジションを上げ、さらに青木へつなぎチェッカー。粘りの走りで6位入賞を果たした。

星野一樹(#46「MOLA レオパレス Z」優勝)
「実は9〜10位あたりでゴールして次のレースで20kgのウェイトを下ろそうと考えていましたが、途中で作戦を変更しました。レース展開にも恵まれましたが、最初のピット作業で#95 MR-Sを逆転できたのが大きかったです。今日は2スティントしっかり乗って達成できた優勝なのでとてもうれしいです。最後の30周ぐらいは『これで親子で優勝だな』と思うと、5時間ぐらいの長さに感じるほどでした(笑)」

安田裕信(#46「MOLA レオパレス Z」優勝)
「去年はGT500表彰台に載りましたが、実際は走っていなかったので、もちろん今回の優勝の方がうれしいです。最初の僕のスティントで硬めのタイヤを選択したらリアがつらくなってMR-Sや紫電に追いつかれてしまいましたが、抑えられるところは抑えて勝てました。次のレースは125kgのウェイトで苦しいですが頑張ります」

青木孝行(#81「ダイシン ADVAN Z」6位)
「同じタイヤを選択していた#19 ISがタイヤトラブルでピットインしたという誤報があって、最初のピットインで違うタイヤに履き替えて行ったらペースが全く上げられませんでした。苦しいなりにできることはやりましたが、表彰台には行きたかったです。残り3戦まだチャンスがあると思うので、優勝を目指して頑張りたいと思います」
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