2010年のFIA GT1規則を先取りしたNISSAN GT-Rが、NISSAN Motorsportsのエントリーで7月25-26日にベルギーで開催された非常に過酷なレースとして有名なスパ24時間レース(FIA GT選手権第4戦)に初参戦した。今回の参戦目的は2010年仕様のFIA GT1車両を開発することであり、今年はFIA GT選手権の4レースに参加する計画となっている。スパ24時間への初参加にも関わらず、ミハエル・クルム(ドイツ)、ダレン・ターナー(英国)、アンソニー・デビッドソン(英国)の3人のドライバーが駆る#35号車NISSAN GT-Rは、予選では8番グリッドを獲得し、決勝では深夜から明け方にかけて激しい総合4位争いを5時間以上も繰り広げながら、最終的には総合13位で完走を果たした。NISSAN GT-Rは、総合13位完走、GT1クラス3位に入賞しただけでなく、2010年のFIA GT1仕様の車両中最上位でフィニッシュした。

#35 GT-Rは、土曜日の午後4時のスタート直後から徐々に順位を上げ、深夜から日曜日の早朝にかけて激しい4位争いをしていた時に発生した駆動系トラブルによって約1時間30分近くタイムをロスし、順位を大きく落としてしまった。もしこのトラブルがなければ、総合成績で表彰台に上がることも可能であった。このメカニカルトラブルを修復した後は、マシン、ドライバー、チームによるミスが全くない完璧なレース運びで徐々に順位を上げ、初めてのスパ24時間で完走を果たすとともにGT1クラスで3位に入賞した。

FIA GT選手権への参戦は、ニスモとギガウェーブモータースポーツによるパートナーシップによるプログラムであり、次回は10月25日に開催されるゾルダー戦(ベルギー)に参戦する予定。


ミハエル・クルム(ドイツ)
「ドライバーは3人とも24時間を通して全くミスがありませんでした。そのことは、今回のように天候が変わりやすいコンディションの中では非常に重要な要素です。スパではコースのあちこちにオイルがあり、スリックタイヤで走行していてもコース上には水たまりがあるといった状況でした。もちろん今回クラスではなく、総合成績で表彰台に上がれなかったことは少し残念ですが、もしスパの前に「チャンスはあるか」と聞かれたとしたら、「チャンスは無い」と答えていたでしょう。そのような中で、今回結果を出すことが出来たことを大変誇りに思います。クルマがスパ24時間でも持ちこたえることがわかったので、今シーズンの最終戦となるゾルダーにはリラックスして臨むことができます」

ダレン・ターナー(英国)
「チームのひとりひとりがすばらしい仕事をしたので、この結果は自慢して良いと思っています。レースの前にマシンの走行距離をできるだけ稼ぐために、30時間テストといったものをやることが一般的ですが、ニスモとギガウェーブモータースポーツは、プライベートテストではなく多くの人々の目に触れ、はるかにプレッシャーがかかるレースに出場して試してみることにしました。そして見事に初挑戦でスパ24時間に完走しました。この事実は、NISSAN GT-Rの名声をさらに高めてくれると思います」

アンソニー・デビッドソン(英国)
「24時間レースにニューカーで参戦して完走を果たすことは、とても難しいとことだと思っていましたが、今回のチームは見事にそれを果たしました。今回我々のマシンに残念ながら発生してしまった技術的な不具合のひとつを除けば、すべてが正確な時計のように動いていました。スパ24時間に参加するにあたって、ニスモとギガウェーブモータースポーツの皆とは本当に良い関係を築くことができたので、とても楽しく仕事をすることができました。過酷なスパで我々3人が24時間連続であれだけハードな運転をしても、しっかり完走を果たすことができたNISSAN GT-Rの実力には本当に驚きました」





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