Vol.
2014.9.1
皆さん、こんにちは!SUPER GT 2014 第6戦鈴鹿1000km、たくさんの応援ありがとうございました!毎年8月中旬に行われていたこのレース、今年は8月最後の週末の開催ということで、お客様が少し減ってしまうかな・・・と心配しましたが、それでも多くのお客様にいらしていただきました。そして、その声援にとても勇気づけられ、おかげさまでこの過酷なレースで2位表彰台を獲得することができ、シリーズポイントランキング首位に上り詰めることができました。
チームとしての鈴鹿1000kmレースの目標は、第一にトラブルやミスなく完走する、第二にタイ戦に向けてのハンディを考えて51ポイント以上にする、第三にシリーズポイントランキング首位でタイ戦を迎える、第四に優勝する、というものでした。その中の最終的な目標である優勝には手が届くことができませんでしたが、シリーズポイントランキング首位でタイ戦を迎えるという目標まで達成することができました。もちろん、鈴鹿1000kmというスペシャルなレースで優勝できなかった、という少し悔しい気持ちはありますが、私としては、みんなの力でとてもいいレースをしてくれたと思っています。
23号車は土曜日の練習走行から好調で、マシンもタイヤもとても決まっていて、ハンディをものともせず、トップタイムを出すことができました。
予選、Q1を担当した次生くんのタイムは、コースレコードを叩き出した本山さんのタイムには一歩及ばず2位ではありましたが、彼の中では少し余裕があったようだったので、Q2を担当するRONNIEには「絶対大丈夫だよ!」と声をかけていました。しかし、RONNIEはアタックラップ時にミスをしてベストタイムを出すことができず、3位という結果に終わりました。マシンから降りてきたRONNIEはすごく悔しそうな様子で、自分を責めているのか、悔やんでいるのか、イタリア語で何かをずっと言っていました。興奮しすぎて母国語になってしまったのか、とにかく何を言っているのか私にはさっぱり分かりませんでしたが(笑)、ただ分かったことは、これだけ熱い思いで走っているのだから、きっと決勝は大丈夫だ、ということでした。そして、それはとても大事なことだと思いました。
そして決勝。この日はフリー走行からウォームアップまで慌ただしく、あっという間に過ぎていきました。ただ、そこからのレースが本当に長く感じました・・・!
パレードランを終え、フォーメーションラップからのスタート。混乱はなく、きれいにレースはスタートしました。前にいる36号車や17号車は練習走行から常にコンスタントにいいタイムを刻んでいたので、速いペースで逃げられてしまうことは分かっていました。しかし、1000kmという長いレースですし、とにかくミスなく走り切れれば間違いなく結果はついてくる、という自信をマシンやタイヤにも持った状況でレースに臨むことができたので、焦ることはありませんでした。そして、23号車は4ストップで1000km走り切るという作戦だったため、コンスタントに燃費走行をする必要がありました。
序盤に8号車に抜かれる場面もありましたが、ピットからは「タイヤを傷めないために、無理をしなくていい」という指示もあり、初めから1000km先のチェッカーを確実な目標にしていました。そして、1回目のパーフェクトなピットストップで8号車を抜き返し、その後17号車が戦線離脱をしたこともありますが、それからは2位をキープしながら予定通り4回のピットストップで173周を走り切り、2番目にチェッカーを受けることができました。
今回のレースは、私は今年の23号車のベストレースだったと思っています。もちろんオートポリスのような「ポールトゥウィン」という、結果としてベストなものではありませんし、個々には「あのとき、こうできていれば」という悔いは多少なりともあると思います。しかし、ドライバー、エンジニア、メカニックそして全てのクルーが素晴らしい仕事をしたし、一番NISMOらしく「チーム」として機能していました。そしてNISMOがここまでやって2位なのであれば優勝したトムスを称えるべきだし、同時にハンディがありながらもここまで来た自分たちを誇るべきだと自信を持って言えます。また、「鈴鹿1000kmでの優勝」は来年に持ち越しとなってしまいましたが、ここでシリーズランキングポイント首位となることができたことは、さらに前向きに残り2戦を戦える大きな要素となりました。
そして、本当に心配だったのがマシントラブル。最後チェッカーを受けるまで、緊張の糸がほぐれることはありませんでした。実況をするピエール北川さんの「あーーー!」という声が聞こえるたびに、寿命が縮まる思いでした(笑)。しかし、23号車は燃料リストリクターダウンやウェイトなど、ハンディがあるにも関わらず速さと強さを見せてくれ、1000kmというこのマシンにとっては未知である長いレースを走り切ってくれました。この結果は、開発陣など現場以外のチームを支えてくれているたくさんのスタッフたちを含めた、NISMO全員の成果だと思います。
ただ、残念なことに12号車と46号車にはトラブルが出てしまい、12号車は何とか粘って10位ポイント圏内まで上り詰めることができたとはいえ、獲れるべきポイントを逃すことになってしまいました。24号車はタイヤトラブルに見舞われ、9回のピットストップを強いられるも、最後まで意地を見せてくれ価値のある9位でチェッカーを受けました。そして、GT300クラスもタイヤトラブルにより大きくマシンにダメージを負い、その修復に1時間をかけることになってしまい、速さがありながらも悔しい19位という結果でした。それらの結果を踏まえながら、残り2戦、GT-R勢全チームが笑顔で終われるよう、今後も努力していきたいと思います。
最後に・・・あっという間に残すところあと2戦。そのうちの1戦はタイなので、国内戦は最終戦もてぎのみとなります。タイのブリーラムサーキットには足を踏み入れたことすらない、私たちにとって未開の地といっても過言ではありません。そこでもし勝つことができれば、さらにチャンピオンに大きく近づくことができるので、次戦は1番でチェッカーを受け、胸を張って日本に帰ってきたいと思います。そして、長らく遠ざかってしまった「チャンピオンNISMO」の姿を、もてぎで皆さんにお見せすることができるよう、気を引き締めていきたいと思います。
それでは、タイ戦も日本から応援よろしくお願いいたします!ありがとうございました!!