ボディのバランスを向上
2011年シーズンを迎える前にGT-Rに施されたのは、徹底したボディの軽量化だった。既に3年も進化をし続け、もうこれ以上改良の余地はないように見える車両にもかかわらず、手を付けられたのは車両の基本となるボディだった。まず徹底した見直しによりダイエットを果たした。たとえばパーツひとつひとつの強度を改めて確認することで、たとえばボルト、ナットひとつひとつのわずかな肉を削ることで、トータル7〜8kgものダイエットに成功した。
ただし軽量化しても、最低車重1,100kgというルールは守らなければならない。そこでダイエットした7〜8kg分の重量を最適な場所に搭載した。車両の重心は低く車両中心にあった方が、車両のバランスに優れる。こうして2011年モデルのベースとなるボディができあがった。
そして雨のレースとなった開幕ラウンドの第2戦・富士で#23「MOTUL AUTECH GT-R」(本山哲/ブノワ・トレルイエ)が優勝。さらに第2ラウンドの第1戦・岡山では#12「カルソニック IMPUL GT-R(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が優勝とGT-Rが開幕2連勝を果たし幸先のよいスタートを切った。 さらに第4戦・SUGOの前には、さらなる軽量化とウェイトの最適化が追加され、車両のハンドリング性能を向上させている。

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