モータースポーツ

2025.11.02

Round 8 MOTEGI GT 300km Race GRAND FINAL
GT500 Class - Race Report

僅差の決着。#23 MOTUL AUTECH Zが
2位でシーズン最終戦を締めくくる

2025年SUPER GTシリーズ第8戦が栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催されました。レース終盤にハイペースで追い上げた#23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正/高星明誠)が2位表彰台を獲得するとともに、#3 Niterra MOTUL Z(佐々木大樹/三宅淳詞)は9位、#24 リアライズコーポレーションADVAN Z(松田次生/名取鉄平)は10位入賞を果たして、Nissan Z NISMO GT500勢は2025年シーズンを締めくくりました。

2025年シーズンは最終戦を迎え、日産/NISMO陣営は有終の美を飾るべく、シーズン3勝目を目指して4台のNissan Z NISMO GT500が300kmレースに挑みました。#23 Zと#3 Z、#12 TRS IMPUL with SDG Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)、そしてSUPER GT最後の戦いとなる松田がドライブする#24 Zが、サクセスウェイト0kgの、ノーハンデの激しい戦いに挑みました。

予選

#23 Zが3番手で、Nissan Z NISMO GT500勢トップ
3番手から6番手を日産/NISMO陣営が占める

11月1日(土)、未明までの激しい雨は上がり、モビリティリゾートもてぎは秋らしい好天に恵まれました。午後2時33分、気温22度、路面温度28度で路面はドライに回復し、好コンディションのもとで予選Q1がスタートしました。

日産勢は入念なウォームアップを行い、4〜5周目からアタックを開始しました。5、6周目に連続アタックした#24 Zの名取は6周目にタイムアップを果たし、1分35秒895で2番手。#23 Zの高星も6周目に1分36秒103で4番手につけました。#3 Zの三宅は5周目に1分36秒210で5番手、#12 Zのバゲットは1分36秒655で10番手となり、僅差の戦いのなか、4台全車がQ2進出を決めています。

Q2では、路面状態の変化などによりQ1のタイムを更新した#23 Zの千代が1分36秒069で3番手に浮上。同じくタイムアップを果たした#12 Zの平峰が1分36秒188で4番手につけました。#3 Zの佐々木は1分36秒212で5番手、#24 Zの松田は1分36秒284で6番手となっています。Nissan Z NISMO GT500勢は3番手から6番手を占め、シーズン最終戦となる300kmの戦いに好位置から臨むポジションを得ることができました。

決勝

レース終盤ハイペースで追い上げた#23 Zが2位表彰台を獲得
3台のZが入賞を果たしシーズンを締めくくる

11月2日(日)決勝日、秋晴れのもと決勝レースを迎えました。午後1時、気温20度、路面温度22度のコンディションで、2周のフォーメーションラップがスタートし、300kmの決勝が始まりました。4番手からスタートした#12 Zのバゲットが好スタートでポジションを上げ、1周目に2番手となります。これにより#23 Zの高星は4番手となり、#3 Zの佐々木は6番手で1周目を終えました。6番手からスタートした#24 Zの名取はペースが上がらず他車の先行を許し、1周目に15番手までポジションを落とすことになりました。#23 Zは3周目のファステストラップを含む好タイムを刻み、上位を狙います。レースが進むにつれてペースを取り戻した#24 Zは、20周目には10番手までポジションを回復しました。

2番手走行の#12 Zと6番手走行の#3 Zは22周を終えてピットイン。5番手走行の#23 Zは23周を終えてピットインし、それぞれタイヤ交換、給油、ドライバー交代を行いました。#24 Zはピットインのタイミングをやや引き延ばし、26周目を終えた時点でピットに入りました。

素早く的確なピット作業を終えたZ勢は、GT500クラスの全車がピット作業を終えた37周終了時点で、#12 Zの平峰がトップに1秒差の2番手、#23 Zの千代が#12 Zの5秒後方で3番手、6台による接近戦を繰り広げる#3 Zの三宅は7番手、#24 Zの松田は14番手となっています。

#12 Zと#23 Zがペースを上げてトップを追う展開となるなか、44周目に激しいポジション争いとなった#3 Zは11番手に後退を余儀なくされました。レース終盤、トップ3は僅差のバトルとなり、#12 Zは1秒以内の差でトップを狙います。背後には#23 Zがつき、三つ巴の優勝争いが展開されました。最終ラップまで接近戦が続き、トップを追い詰めた#12 Zは惜しくもその座を奪えず0.254秒差の2番手でフィニッシュ。#23 Zは#12 Zの1.015秒後方、3番手でレースを終えました。しかし、レース後の再車検で#12 Zはテクニカルレギュレーション違反で失格の裁定が下され、#23 Zが2位となっています。

レース終盤、ペースを上げた#3 Zと#24 Zは、アクシデントなどで後退したマシンもあり、ポジションを上げてフィニッシュ。#3 Zは9位入賞を果たし、#24 Zは10位となりました。SUPER GTにおいて最多勝と最多ポイント獲得の記録をもつ松田は、今季限りでSUPER GTから退くことを表明しており、ラストレースをしっかり走り切って10位入賞を果たし、チームとファンから大きな声援が送られました。

2025年シーズンは全8戦を終了しました。日産/NISMO陣営は目標としてきたチャンピオン奪取は成りませんでしたが、後半戦には2連勝を飾るなど、Nissan Z NISMO GT500のポテンシャルの高さとレースでの強さを示すことができました。日産/NISMO陣営は来シーズンに向けて、さらに競争力を高め、チャンピオン獲得を目指し努力を続けます。引き続きファンの皆様の応援をよろしくお願いいたします。

千代勝正(#23 MOTUL AUTECH Z)
「戦えるようになったと思える部分と、課題も明確になった週末でした。勝てなかったので悔しいですが、これが今の実力です。来年はクルマもアップデートできますし、弱い部分をどこまで強くできるか、今後に繋がるレースだったと思います。やはり年間を通じてパフォーマンスをもっと安定させなければなりませんし、シーズンを戦うには強いクルマを作らなければなりません。もちろん、ドライバーとしても強くならなきゃいけない。そういう意味で、まだここは将来への通過点だと思います。序盤戦に比べれば、全員の努力のおかげで速さを取り戻してきていますし、最終戦で表彰台に乗ることができました。チームのみんなに『ありがとう』と伝えたいですね」

高星明誠(#23 MOTUL AUTECH Z)
「今日の路面温度に選んだタイヤがマッチせず、スタートでやられてしまいました。その後はなんとか耐えて抑えることができましたが、ペース自体は厳しかったですね。千代選手に交代してからはコンディションに合うようだったので追い上げてくれて、見ていても楽しかったです。SUPER GTは安定してポイントを取り続けていかなければならず、その中で何度優勝できるかというレースです。シーズンを振り返ると、最初の4戦を落としてしまったのは痛かったですね。後半戦のパフォーマンスは自信につながる部分はありましたが、来季は開幕戦から強さを示してライバルに挑みたいと思います」

公式リザルト:11月1日(土)予選Q1
公式リザルト:11月1日(土)予選Q2
公式リザルト:11月2日(日)決勝

SUPER GT インフォメーション : Round 8