2025.9.21
2025年SUPER GTシリーズ第6戦が宮城県のスポーツランドSUGOで開催されました。5番手からスタートした#24 リアライズコーポレーションADVAN Z(松田次生/名取鉄平)が、最終ラップでトップを奪い、劇的な逆転優勝を飾りました。Nissan Z NISMO GT500は前戦鈴鹿での勝利に続き、2連勝を達成。シーズン終盤戦に向けて好調を持続した結果となりました。
2025年シーズンは終盤戦に向かい、前戦鈴鹿で優勝を果たした日産/NISMO陣営は、さらに勝利を重ねるべく4台のNissan Z NISMO GT500が第6戦の300kmレースに挑みました。これまでの結果により、#23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正/高星明誠)に58kg、#12 TRS IMPUL with SDG Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)に55kg、#3 Niterra MOTUL Z(佐々木大樹/三宅淳詞)に34kg、#24 リアライズコーポレーションADVAN Z(松田次生/名取鉄平)に1kgのサクセスウェイトが課されています。なお規定により、50kgを超えた#23 Zと#12 Zは燃料流量を一段階絞られ、実装ウェイトは#23 Zは41kg、#12 Zは38kgです。
9月20日(土)、スポーツランドSUGOは朝から雨模様でしたが昼頃には上がり、予選は不安定ながら降雨はなくドライコンディションで行われました。午後2時38分、気温21度、路面温度25度で予選Q1がスタートしました。
全長が短いコースのため、クリアラップの見極めとアタックのタイミングが好タイムのカギとなります。各車ウォームアップ周回を経てアタックを開始しました。4周目、5周目と連続アタックを行った#3 Zの三宅が5周目に1分9秒942をマークし3番手、同様に#23 Zの高星が5周目に1分9秒959で4番手につけました。#24 Zの松田は6周目のアタックで1分10秒055をマークし9番手にポジションを上げ、Q1突破ラインをクリア。#12 Zのバゲットは4周目1分10秒596がベストタイムとなり、14番手に終わりました。この結果、Nissan Z NISMO GT500勢は3台がQ2に進出しました。
午後3時16分から開始されたQ2では、路面状態の改善により好タイムが期待されました。4周目にアタックを行った#3 Zの佐々木と#23 Zの千代は、#3 Zが1分9秒586、#23 Zが1分9秒776と好タイムをマークしました。#24 Zの名取は6周目に1分9秒746をたたき出し、Nissan Z NISMO GT500の3台はQ1のベストタイムを大きく更新します。結果、#3 Zは3番手、#24 Zは5番手、#23 Zは6番手で予選Q2を終了し上位グリッドを獲得。好位置からのスタートポジションを得て、前戦に続く勝利と表彰台獲得を目指して決勝レースに臨みます。
9月21日(日)決勝日、涼しい風が吹く曇り空のもと、午後1時40分、気温24度、路面温度32度のコンディションで300kmの決勝レースが行われました。2周のフォーメーションラップの後、レースはスタート。Nissan Z NISMO GT500勢は、スタートのポジションをキープして周回を重ねました。ペースを上げて追い上げを開始したのは#24 Zの松田で、4周目に4番手、9周目には3番手にポジションを上げます。一方、3番手からスタートした#3 Zの佐々木は思うようにペースが上がらず、9周目に4番手にダウンしました。6番手スタートの#23 Zの高星もレースペースと周回遅れの処理に苦しみポジションを失い、12周目に10番手となりました。14番手スタートの#12 Zバゲットは積極的に前車に詰め寄りますが、オーバーテイクには至らず14番手を走行します。
ハイペースで周回する#24 Zは14周目にオーバーテイクを決めて2番手に浮上し、さらにトップとの差を詰めていきます。レースは3分の1の周回を経過し、ピットインを行うマシンが出始めました。Nissan Z NISMO GT500勢では#3 Zと#12 Zが28周を終えてピットインし、ドライバー交代とタイヤ交換、給油を済ませました。翌29周終了時に#23 Zがピットイン。2番手走行の#24 Zはピットインを引き延ばし、39周終了時にピットインを行いました。GT500クラスの全車がピットインを終えた後の45周時点で、#24 Zの名取は3番手、#23 Zの千代は7番手、#12 Zの平峰は12番手、ピットイン時にタイミングで不利を被った#3 Zの三宅は14番手となっています。ペースを上げた#12 Zは48周目に10番手に上がっています。
48周目、メインストレートで多重クラッシュが発生し、レースは赤旗中断となります。ガードレールの修復に時間を要し、ほぼ1時間の中断を経て午後4時にセーフティカー先導で再スタートが切られました。4周にわたる先導走行中に#3 Zはピットインし、タイヤ交換を行いました。55周目からレース再開となり、#24 Zが3番手、#23 Zが6番手、#12 Zが10番手、#3 Zが14番手で、レース最大延長時間の午後4時30分まで残り22分の戦いとなりました。
ハイペースで追い上げる#24 Zは60周目の第1コーナーで前車をオーバーテイクし2番手に浮上。さらにトップの背後に迫ります。周回遅れのマシンを捌きながらチャンスをうかがう#24 Zは、最終ラップとなった70周目、馬の背のストレートでトップに並ぶと、SPコーナーの進入でトップをパスして首位に立ち、その座を守ってチェッカーフラッグを受け、劇的な勝利を飾りました。Nissan Z NISMO GT500は、前戦鈴鹿に続き2連勝を達成しました。#3 Zは12位、#23 Zは入賞圏内の7番手でフィニッシュしましたが、FCY中の違反でペナルティを科され13位、レース終盤10番手走行中に他車との接触でピットインを強いられた#12 Zは14位に終わっています。
日産/NISMO陣営はシーズン後半に2連勝を成し遂げ、シーズン残り2戦に勢いをつける結果となりました。チャンピオンシップに向けて、さらなる好結果を目指して全力を尽くします。
松田次生(#24 リアライズコーポレーションADVAN Z)
「46歳で優勝できて、とても嬉しいです。今大会は初心に立ち返り、一生懸命自分の走りができたと思います。本当は名取選手のウォームアップが苦しくないようにトップで戻ろうと思っていたので、それができなかったのが心残りですが、この(自身)25勝目も、今まで以上に忘れられないものになりました。名取選手、近藤監督、チームの皆さん、NISMOの皆さん、そしてヨコハマタイヤさんのおかげです。苦しい中、思うようにいかないこともありましたが、シーズン終盤2戦も、しっかりクルマとタイヤを合わせこんで戦っていきたいと思いますので、ぜひ応援よろしくお願いします」
名取鉄平(#24 リアライズコーポレーションADVAN Z)
「ライバルがずっと強いなか、僕らも負けていないんだというところを見せられたので、とても嬉しいです。僕自身はGT300もGT500もKONDO Racingで初優勝を挙げることができました。チームとしては9年ぶりの(GT500クラス)優勝で、戻ってきたら次生選手はすごく泣いていて、近藤監督やチームの皆も喜んでくれていました。次戦からはサクセスウェイトが半分になるので、いいタイミングで優勝できたと思います。オートポリスは、去年ポールポジションを獲った、得意としているサーキットなので、また観客の皆さんが楽しめるようなレースができたらいいなと思います。次生選手と、チームと力を合わせて頑張りたいと思います」