2024.11.3
2024年SUPER GTシリーズ第8戦が栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催されました。公式練習と予選は強い雨により、なかなか流れに乗れなかったNissan Z NISMO GT500勢でしたが、粘り強いレース運びで300kmレースを戦い、11番手スタートの#3 Niterra MOTUL Z(高星明誠/三宅淳詞)が7位でフィニッシュ。#24 リアライズコーポレーションADVAN Z(松田次生/名取鉄平)が8位、#23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正/ロニー・クインタレッリ)が9位となり、3台のNissan Z NISMO GT500が入賞しました。
第5戦鈴鹿が12月に延期され、今回がシリーズ7戦目となったことでサクセスウェイトはこれまでの獲得ポイント×2kgから×1kgに軽減されます。これにより#3 Zは46kg、#23 Zは40kg、#12 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)は36kg、#24 Zは5kgのサクセスウェイトが搭載されました。Z勢は前戦好結果の勢いを継続し、シリーズ終盤戦に向けてタイトル奪取を目指し300kmのスプリントレースに挑みました。
11月2日(土)、全国的な降雨の影響で、栃木県のモビリティリゾートもてぎも一日中雨模様となり、時折激しい雨により公式練習ではセッションが数度中断される状況となりました。天候は回復せず、予定より25分遅れの午後2時53分からQ1が、午後3時49分からQ2がフルウェットのコンディションで行われました。
降雨は続き、難しいコンディションで行われた予選では、Q1とQ2が各10分間で行われ、それぞれのドライバーが出したベストタイムの合算で予選順位が決まります。コンディションの変化が激しく難しいアタックが続き、Z勢は好タイムを出し切ることができず、#12 Zが10番手、#3 Zが11番手、#23 Zが13番手、#24 Zが14番手で予選は終了。決勝レースでの巻き返しを狙うことになりました。
3日(日)は朝から快晴に恵まれ、決勝が始まる午後1時には気温21度、路面温度29度の好コンディションとなりました。2周にわたるフォーメーションラップの後、300kmのレースがスタート。スタート直後の混乱を切り抜けたZ勢は、それぞれにポジションをキープして周回を重ねます。ペースに勝る#24 Zの名取は、3周目に#23 Zのクインタレッリを、6周目に前車をパスして12番手に浮上しました。9周目、コース上にストップしたマシンが出てフルコースイエロー(FCY)が出され、その解除のタイミングで#3 Zの高星が#12 Zをドライブするバゲットの前に出て10番手にポジションを上げました。11周目、上位車のトラブルと接近した混戦から抜け出した#24 Zが9番手に浮上。#3 Zが10番手、#12 Zが11番手、#23 Zが13番手でレースは中盤、ピットインのタイミングを迎えます。
ひとりのドライバーがミニマムで走らなければいけない21周が終了したタイミングで、GT500クラスのピットインが始まりました。#3 Zと#24 Zが22周でピットインし、ドライバー交代と給油、タイヤ交換のルーティン作業を行います。翌23周のタイミングで#12 Zと#23 Zがピットイン。同様にルーティン作業を行いレースに戻りました。25周の段階で、GT500クラスは全車がピットインを終え、#3 Zの三宅が8番手、#12 Zの平峰が10番手、#24 Zの松田が11番手、#23 Zの千代が13番手となり、上位進出を狙って追い上げを開始しました。ハイペースで追い上げる#12 Zは、37周目、38周目と前車をパスして8番手にポジションアップを果たしました。
レース終盤、7台による接近した6位争いとなり、Z勢は4台がこの混戦のなかで戦いを続けます。激しい競り合いの中、上位車の脱落などもあり、53周目には、#12 Zが7番手、#3 Zが8番手、#24 Zが9番手、#23 Zが10番手と、4台のNissan Z NISMO GT500が入賞圏内にポジションを確保し、レースは最終盤を迎えました。しかし、チェッカーフラッグまで残り4周となった60周目に#12 Zが給油のため緊急ピットイン。Z勢は#3 Zが7位、#24 Zが8位、#23 Zが9位、#12 Zが11位でフィニッシュしました。
雨の予選からドライのレースという難しい状況でしたが、そのような状況でも前向きに粘り強く戦い、3台が入賞を果たす結果を得ることができました。日産/NISMO陣営は、これまで実績のある鈴鹿サーキットでの最終戦に向けて、勝利を目指して全力を尽くします。
高星明誠(#3 Niterra MOTUL Z)
「正直なところ、速さが足りていなかったのだと思います。これから色々とデータを分析し、原因をチームとして突き詰めていかなければと思います。最終戦の鈴鹿は冬にテストもやっているのでデータもありますし、自信を持って挑めると思いますので、応援よろしくお願いします」
三宅淳詞(#3 Niterra MOTUL Z)
「もてぎは抜きにくいサーキットですし、予選で後方に沈んでしまったことで苦しいレースウィークでした。担当したロングスティントで少しでもポイントを獲ろうと頑張ってはいたのですが、なかなか順位を上げられませんでした。鈴鹿はノーウェイトで臨めるガチンコ勝負ですし、僕の地元でもあるので、好パフォーマンスを発揮してシーズンを前向きに締めくくりたいと思います」