#11 GAINER TANAX GT-Rが今シーズン初勝利を達成

2023年シーズンのSUPER GT第4戦が富士スピードウェイで開催され、GT300クラスには5台のNISSAN GT-R NISMO GT3が参戦し#11 GAINER TANAX GT-R(富田竜一郎/石川京侍/塩津佑介)が優勝、#56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/名取鉄平)が4位、#10 PONOS GAINER GT-R(安田裕信/大草りき)が7位に入賞、残る2台も完走を果たしました。

予選

GT300クラスの車両は、『前戦までに獲得したポイント×3kg』のサクセスウェイトを搭載します。#10 GT-Rは27kg、#11 GT-Rは18kg、#56 GT-Rは90kgを搭載して今大会に臨みました。レース距離450kmの今大会では第3ドライバーの登録が認められ、GT-R勢では#11 GT-Rと#360 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/田中篤/大滝拓也)が3名でのエントリーを選択。#48 植毛ケーズフロンティア GT-R(井田太陽/眞田拓海)は、田中優暉が体調不良のためエントリーを取り消し、2名での出場となりました。GT300クラスは、予選Q1をA組とB組に分けて行います。8月5日に行われた予選Q1のA組には#11 GT-Rと#56 GT-Rを含む14台、B組には#10 GT-R、#48 GT-R、#360 GT-Rの3台を含む13台がそれぞれ出走しました。

A組では#11 GT-Rの富田が1番手タイム、#56 GT-Rのオリベイラが7番手。B組では#10 GT-Rの安田が5番手、#360 GT-Rの大滝が7番手タイムを刻み、4台のGT-RがQ2に進出しました。Q2では#11 GT-Rの石川が4番手、#10 GT-Rの大草が8番手、#56 GT-Rの名取は11番手、#360 GT-Rの青木が16番手タイムをマーク。予選セッション後、3番手の車両が予選タイム削除となったため、#11 GT-Rが3番手、#10 GT-Rが7番手、#56 GT-Rが10番手、#360 GT-Rが15番手、#48 GT-Rは24番手からのスタートが確定しました。

決勝

決勝レースは8月6日の午後1時45分、降雨のため、コース上の安全を考慮してセーフティカー（SC）先導でスタートしました。3周目にはグリーンフラッグが振られてオーバーテイクが可能になると、3番手を走る#11 GT-Rの石川は最終コーナーで前車をパス、さらに1コーナーで先頭車両をとらえてトップを奪います。雨足が弱まるなか、#11 GT-Rは早めにピットに入りスリックタイヤへと交換。前半戦を3番手のポジションで周回を重ねていきます。レースも折り返しをすぎた53周目、ドライバーは石川から富田へと交代。さらなる追い上げを期したところでGT300車両の火災によってSCから赤旗が導入されます。さらに悪天候によるコースコンディションの悪化で、レース再開は大きくディレイされる事態となりました。午後4時30分、各車ウェットタイヤを装着し、レースはSC先導で66周目に再開。富田は徐々にポジションを上げて先頭に立ちますが、路面コンディションの変化を察知し、チームは早々にスリックタイヤに変更する決断を下します。富田は一時10番手まで順位を落とすものの、コースコンディションが好転した終盤にはライバルたちを大きく上回るペースで走行。90周目、91周目で次々とポジションをアップし、トップでチェッカーを受けて今シーズン初勝利を獲得しました。

#56 GT-Rの名取はサクセスウェイトの軽いライバル勢に先行を許すものの、スリックタイヤに交換してから挽回。サクセスウェイトで重くなったマシンを操りながら48周を終えたところでオリベイラへとバトンタッチします。オリベイラは混戦のなかをうまく走り切り、4位でレースをフィニッシュ。シーズン後半戦に向けて十分なポイントを獲得することに成功しました。

7番手からスタートした#10 GT-Rの大草はドライタイヤに交換するタイミングをずらし、粘り強く走行を続けて11周を終えた段階でピットイン。車両火災でSCが入る状況でも集中力を切らすことなく、着実に順位を上げて3番手まで浮上、51周までを走りステアリングを安田に託します。安田は2番手に順位を上げますが、ここでレースは赤旗中断に。レース再開後、安田は一時首位を走りますが、同チームの#11とタイヤ交換のタイミングが異なり後退、最終的に7位でレースを終えました。#360 GT-Rは49周を終えた段階で青木から大滝へと交代、一時ポイント獲得圏内が見えましたが、14位でフィニッシュ。#48 GT-Rは、30周を終えて井田から眞田に交代、新人の眞田が好走を見せ、21位で完走を果たしました。

富田竜一郎
「今年は開幕から少し苦しい戦いが続いていましたが、今回は非常に調子が良く、予選から思いどおりのアタックができました。石川選手も非常に頑張ってくれましたし、チームの作戦、石川選手の判断も完璧だったと思います。レース終盤での、エンジニアからピットインの指示もドンピシャで最後の数周でトップを抜くことができたので、チーム、ドライバー、タイヤが噛み合った週末でした。次戦はサクセスウェイトで重たくなりますが、チームとしっかり連携していいクルマをつくり、頑張っていきたいと思います」

石川京侍
「2019年以来の優勝でうれしいです。今日は荒れた展開になると思ったので、ウォームアップ走行の時にスリックタイヤを装着して、状況を把握することができた点は良かったです。ダンロップタイヤのパフォーマンスも良く、チームの作戦も当たり、すべてが完璧なレースだったかなと思います。次戦の鈴鹿に向けてエンジニアや富田選手、塩津選手と話し合って、サクセスウェイトで重いですが頑張ってポイントを獲りに行けたらと思います」