モータースポーツ

2022.11.06

Round 8 MOTEGI GT 300km RACE
GT300 Class - Race Report

#56 GT-Rが波乱のレースで完走を果たし、GT300クラスチャンピオンに輝く

2022年シーズンの最終戦となるSUPER GT第8戦がモビリティリゾートもてぎで開催され、GT300クラスには5台のNISSAN GT-R NISMO GT3が参戦しました。レースは6番グリッドからスタートした#56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が19位で完走を果たし、2度目となるGT300クラスのシリーズチャンピオンを獲得しました。7番グリッドからスタートした#10 TANAX GAINER GT-R (富田竜一郎/大草りき)は8位、#360 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/名取鉄平)は10位で入賞を果たしました。

予選

#56 GT-Rと#10 GT-RがQ1を突破。6番手、7番手グリッドから王座を目指す

シーズン最終戦となる今大会では、参戦8戦目の車両はサクセスウェイトを搭載せず、ノーハンデでの戦いとなります。GT-R勢は、ランキングトップの#56 GT-R、ランキング3位の#10 GT-R、ランキング7位の#11 GAINER TANAX GT-R(安田裕信/石川京侍)がチャンピオンを獲得する権利を持って最終戦を迎えました。なお、#10 GT-Rの富田は第7戦を欠場したため、大草のみにチャンピオン獲得の権利がある状態です。

11月5日に行われた予選Q1のA組には、#56 GT-Rと#10 GT-R、#11 GT-R、#360 GT-Rの4台が出走。B組には#48 植毛ケーズフロンティア GT-R(井田太陽/田中優暉)のみが出走しました。このうちA組の#10 GT-R(富田)がトップタイム、#56 GT-R(藤波)が2番手タイムを刻み、Q1を突破。Q2では#56 GT-Rのオリベイラが7番手タイム、#10 GT-Rの大草が8番手タイムを記録しましたが、ライバルのグリッド降格によって決勝レースではそれぞれ6番手、7番手グリッドでのスタートすることとなりました。#360 GT-Rは18番手、#11 GT-Rは20番手、#48 GT-Rは25番手から、決勝での上位浮上を目指します。

決勝

#56 GT-Rが2020年以来2度目のシリーズチャンピオンを獲得
#10 GT-Rの大草がシリーズ3位獲得

決勝レースは11月6日の午後1時、2周のフォーメーションラップを経てスタートしました。各車序盤は手堅い走りを見せるなか、#11 GT-Rの安田は積極的にポジションを上げていきます。ところが9周目に多重クラッシュが発生、フルコースイエローに続いてセーフティカー(SC)が導入されることに。さらにホームストレートでのクラッシュを避けるべく、ピットロードを利用したSC先導ラップが続きます。レース再開後、5番手につけていた#10 GT-Rの大草が25周目を終えてGT-R勢の先陣を切ってピットイン、富田へと交代。続く26周目終了時には3番手まで浮上していた#56 GT-Rの藤波もピットインし、オリベイラへとステアリングを託します。

上位の車両がルーティンのピット作業を終えた段階で、#10 GT-Rは3番手、#56 GT-Rは4番手を走行。ところが41周目、#56 GT-Rはマシントラブルに見舞われてしまいます。しかしオリベイラは冷静にスロー走行を続けてピットへと帰還。チームは再び車両をコースへと送り出しましたが、スロー走行によるタイムロスも重なり、上位入賞は望めないほどのポジションダウンを余儀なくされてしまいました。レース終盤には、3番手を走っていた#10 GT-Rの富田が後続の厳しい追い上げを防ぐべく、ほぼ1周にわたってライバルとサイドバイサイドの接近戦を展開するなど、ファンを沸かせる奮闘を見せましたが、最終的に8位でレースを終えることとなりました。

予選18位からスタートした#360 GT-Rは、青木がロングスティントを担当して、名取にバトンタッチ。初めてこのチームから参戦する名取は粘り強い走りを見せて10位フィニッシュを果たし、ポイントを獲得しました。#11 GT-Rはレース中盤で安田がペナルティストップを受けてしまいましたが、後を継いだ石川が終盤にポジションを上げて14位でゴール。#56 GT-Rは19位、#48 GT-Rは田中から井田へとバトンタッチして23位に入り、波乱の展開となったレースでGT-R勢は全車が完走を果たしました。この結果、トラブルにもかかわらず最後まで諦めることなく走り切った#56 GT-Rがランキングトップを維持し、2020年以来2度目のGT300クラスチャンピオン獲得が決まりました。

#56 GT-Rは2022年シーズンの開幕戦岡山で勝利を挙げて以来、サクセスウェイトが加算され続けるなか安定した走りを披露し、一度もGT300クラスの首位を譲ることなく2度目のシリーズチャンピオンを獲得しました。また、#10 GT-Rは大草がシリーズ3位となりました。

藤波清斗
「最後まで応援していただき、ありがとうございました。2020年にチャンピオンを獲得して、昨年2連覇を目指したのですが惜しくも獲ることができず、とても悔しい思いをしました。その分、今年は絶対に取り返そうとチーム全員で頑張ってきました。今日のレースでアクシデントが起きた時はもう無理かと思ったのですが、本当に最後まで諦めずに戦った結果でチャンピオンを獲ることができたので、本当に幸せです。日産/NISMO、ヨコハマタイヤさん、スポンサーさん、そしてファンの皆さん、ありがとうございました」

ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
「今シーズンは重いサクセスウェイトを背負いながら、チーム全員で強く戦うことができました。アクシデントが起きた後も、レースは最後まで何があるか分からないので諦めずに走ったので、無線でチームからチャンピオンと言われて本当に嬉しかったです。2020年にチャンピオンを獲得して、今年こそもう一度チャンピオンを獲得するんだとチーム皆で約束していたので、それを叶えることができて本当に良かったです。藤波選手、近藤監督、チーム、そしてファンの皆さんのおかげです。1年間応援ありがとうございました。また来年もチャンピオンを獲りたいです」

GT300クラス公式リザルト:11月5日(土)予選
GT300クラス公式リザルト:11月6日(日)決勝

SUPER GT インフォメーション : Round 8