2021.09.12
2021年SUPER GTシリーズ第5戦が9月11、12日にスポーツランドSUGOで開催されました。前戦で表彰台を独占したNISSAN GT-R NISMO GT500勢は、第4戦(ツインリンクもてぎ)で2基目のエンジンに換えた#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)以外の3台にも2基目のエンジンを投入し、上位進出を目指します。なお、前戦の結果によりGT-R勢はサクセスウェイトが追加され、#23 GT-Rが44kg、#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)が56kg、#12 カルソニック IMPUL GT-R(平峰一貴/松下信治)が16kg、#24 リアライズコーポレーションADVAN GT-R(高星明誠/佐々木大樹)が22kgとなっています。
9月11日午後3時3分から10分間のQ1が始まりました。天候は曇りで、気温24度、路面温度27度とやや低めのドライコンディションです。GT-R勢は入念にタイヤのウォームアップを行い、セッション終了間際にアタックを行いました。GT-R勢で最速のタイムを出したのは平峰がアタックした#12 GT-Rで、1分10秒404で5位、千代がアタックした#3 GT-Rは1分10秒681で8位となり、Q2進出を決めました。松田がアタックした#23 GT-Rは1分10秒842で12位、高星がアタックした#24 GT-Rは5周目にタイムを更新しましたが、1分11秒140で15位となっています。
午後3時41分から10分間のQ2が開始されました。#12 GT-Rをドライブする松下は4周目に1分10秒243、5周目に1分10秒238と好タイムをマークし3位。#3 GT-Rは平手がアタックし4周目に1分10秒332とタイムを上げて5位になりました。
なお予選終了後、#23 GT-Rのエンジンにトラブルの兆候が見つかり、エンジン交換を行いました。#23 GT-Rは今シーズン3基目のエンジンとなり、使用規定数を超えるため、決勝レースのスタート後に5秒間のピットストップペナルティが科されることになりました。
決勝が行われた9月12日は晴天に恵まれ、気温も上昇。気温29度、路面温度46度のコンディションのもと、午後1時30分にフォーメーションラップが開始されました。フォーメーションラップは3周にわたり、レース周回数は83周になりました。スタートでGT-R勢はスタートポジションを守り、クインタレッリがドライブする#23 GT-Rはポジションを上げて11位になりました。6周目、#23 GT-Rはペナルティ消化のためにピットインし、最後尾にポジションを下げています。レース序盤、松下がドライブする#12 GT-R、千代がドライブする#3 GT-Rを交えた4台が激しい2番手争いを展開します。3番手の#12 GT-Rは2番手に接近し、オーバテイクのチャンスを伺い周回を重ねます。#3 GT-Rは5番手を守りながら前に迫り、2番手争いの集団に加わりました。激しいポジション争いでいったんは4番手に下がった#12 GT-Rは、20周目に第2コーナーで、21周目にハイポイントコーナーでオーバーテイクを決めて2番手に浮上。23周目には#3 GT-Rが前車を抜いて4番手に上がりました。
GT500クラスでは28周目からピットインするマシンが出始めました。GT-R勢は#23 GT-Rが33周目、#12 GT-Rが34周目、#3 GT-Rが36周目、#24 GT-Rが37周目にピットインを行いました。#24 GT-RがGT500クラス最後のピットインとなり、全車がピットインを終えた時点で#12 GT-Rが2番手、#3 GT-Rが5番手、#24 GT-Rが14番手、#23 GT-Rが15番手となっています。
37周目、#3 GT-Rが緊急ピットイン。エンジンのマイナートラブルにより、マシンをガレージに納めてそのままリタイアとなりました。このリタイアにより#24 GT-Rが13番手、#23 GT-Rが14番手となりました。
レースは中盤に入り、波乱の展開となりました。46周目にトップのマシンにドライブスルーペナルティが提示されます。47周目には最終コーナーの立ち上がりで火災を起こしたマシンが出て、セーフティカーが導入されました。セーフティカー先導は7周にわたり、レースは55周目にリスタートされました。トップのペナルティによる脱落で#12 GT-Rは首位となりました。2番手との差は2秒以内の接戦です。リスタート後、#24 GT-Rは11番手、#23 GT-Rは12番手を走行。前後はかなりの接近戦で、2台は10位以内の入賞を目指しペースを上げます。
レース終盤、トップの#12 GT-Rは後続との差を広げ、安定したペースでチェッカーフラッグを目指します。終盤でもペースを保つ#24 GT-Rと#23 GT-Rはポジションを上げ、残り10周の時点で#24 GT-Rが8番手、#23 GT-Rが10番手を走行し、ともに入賞圏内となっています。#24 GT-Rの高星は積極的に前車をパスし、74周目に7番手、75周目に6番手に浮上。#23 GT-Rの松田も75周目、77周目、81周目にポジションを上げ7番手に浮上しました。
#12 GT-Rの平峰は安定したペースでトップを守り、今季初優勝を達成。平峰と松下にとって、GT500クラスでの初優勝となりました。#24 GT-Rは6位、#23 GT-Rは7位となり入賞を果たしました。GT-R勢は前戦鈴鹿から2連勝を飾り、シーズン後半戦に向けて幸先の良いスタートを切りました。次戦のオートポリスも、今年のGT-Rとの相性の良いコースであることが予想され、日産/ニスモ陣営は好結果を目指します。
平峰一貴
「ピットアウトして最初はタイヤを温めるのに苦戦しました。その後すぐ17号車が後ろに来て、すぐに抜かれるかと思ったのですが、ここで抜かれてしまってはインパルの名に恥じてしまうと思って一生懸命攻めにいった結果、なんとか抑え切れました。その後もトラフィックがあったりで追いつかれたりもしましたが、最終的にはしっかりギャップを作れていたことが良かったと思います。GT500で自分はいつになったら優勝できるかなと思っていたので、本当にうれしいです。これまで支えてもらったみなさんのおかげですし、これから皆さんにお礼を伝えていきたいです」
松下信治
「レースは3番手スタートで、最初のペースが思うように上がらなくて、後ろには抜かれまいと頑張っていたのですが、16号車とのバトルの間に17号車に先に行かれてしまって。でもそこでめげずに、いっぱい無線をもらって、またチャンスができて抜くことができました。今まで特にレースペースで苦戦していましたが、今回はブリヂストンさんがいいタイヤをもってきてくれて、ようやくここでバチッと決まったので、チームとBSさんに感謝したいと思います。(平峰)一貴につないだスティントは結構長くなってしまったんですけど、そこでもBSのタイヤが素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれたので本当に感謝です」