2021.05.04
2021年SUPER GTシリーズ第2戦が5月3、4日に富士スピードウェイで開催されました。2年ぶりとなったゴールデンウィークの富士開催は、チームや大会関係者の厳重な新型コロナ感染対策の下、限定数ながら観客を動員して行われ、SUPER GTシリーズらしい華やかなムードとなりました。日産陣営は開幕戦で得たデータを基に特徴的な富士のコースにマシンを合わせ、500kmの長丁場となるレースに挑みました。
午後3時03分から10分間のQ1が始まりました。気温17度、路面温度28度と晴天ながら温度の低いコンディションで、タイヤのウォームアップがキーポイントとなります。各車入念なウォームアップ走行を重ね、最終ラップとなる5周目にベストタイムを狙う作戦です。#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は松田がアタックを担当。1分27秒478をマークし、8位でQ1突破を果たしました。#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)は千代が12位、#12 カルソニック IMPUL GT-R(平峰一貴/松下信治)は松下が13位、#24 リアライズコーポレーションADVAN GT-R(高星明誠/佐々木大樹)は佐々木が14位で予選を終了しています。
午後3時41分から10分間のQ2が開始されました。#23 GT-Rをドライブするクインタレッリは4周目に1分27秒283とQ1のタイムを更新するベストラップをマーク。さらなるタイムアップを目指して5周目にアタックを行いましたが、1分27秒546とタイムを伸ばすことができず、予選7位となりました。
午後2時30分にフォーメーションラップが開始され、110周のレースがスタートしました。#23 GT-Rのクインタレッリは7位のポジションを守り、1周目を終えました。しかし、3周目にエンジントラブルが発生しストップ。残念ながらリタイアとなりました。#3 GT-Rの千代はオープニングラップで9位に上昇、そして#23 GT-Rのリタイアによって8位となります。#12 GT-Rの松下はスタート直後に11位に上がりましたが、8周目に12位となり、レース序盤はその順位で周回を重ねました。
30周目に#12 GT-Rが1回目のピットインを行い、ドライバーは松下から平峰に交代。14位走行の#24 GT-Rが31周目にピットインし、ドライバーは高星から佐々木に交代しました。31周目にタイヤが外れるマシンが出て、フルコースイエロー(FCY)が導入されました。全車80km/hに制限され、ピットインができない安全上のルールで、今回から正式に採用された新制度です。このFCYによってピットインのタイミングが若干遅れた#3 GT-Rは、FCY解除後の35周目にピットインし、ドライバーは平手に代わり、ポジションをキープしてコースに復帰しました。43周終了時点で全車1回目のピットインを終え、#3 GT-Rは8位、#12 GT-Rは12位、#24 GT-Rは13位となっています。
#3 GT-Rと#12 GT-Rは接近した戦いを繰り広げますが、ポジションをキープしたままレースは後半戦に入り、2回目のピットインのタイミングとなります。71周目に#12 GT-Rと#24 GT-Rが、74周目に#3 GT-Rがピットインし、ドライバーを交代してチェッカーフラッグを目指します。全車が2回目のピットインを終えた82周目に#3 GT-Rは7位、#12 GT-Rは11位、#24 GT-Rは13位を走行、レース終盤にポジションアップを狙います。
レースは100周を超えた最終盤にトップを争う上位陣に波乱が起こりました。アクシデントやペナルティで2台が脱落し、#3 GT-Rは5位に、#12 GT-Rは9位に順位を上げます。#3 GT-Rの背後には1秒以内にライバルが迫りましたが、千代は落ち着いてポジションを守り、5位でフィニッシュ。#12 GT-Rも9位でチェッカーフラッグを受け、#3 GT-Rと#12 GT-Rはともに開幕戦に続き連続でポイント獲得を果たしました。
#23 GT-Rのリタイアという予想外の出来事で、満足のいく結果とはなりませんでしたが、開幕戦の岡山と今回の富士という異なった性格のサーキットから多くのデータを得ることができました。第3戦は昨シーズン勝利を飾ったNISSAN GT-R NISMO GT500と相性の良い鈴鹿サーキットでの戦いとなり、日産/ニスモ陣営はマシン向上の成果を引き出し、好結果を目指します。
#3 平手晃平
「千代選手がスタートでポジションを上げてくれたのが大きかったですね。次の自分のスティントでは、タイヤの選択で悩みましたが、ミシュランと相談して決めたタイヤがしっかり働いてくれたので、40周なんとか繋ぐことができました。千代選手は最後に後ろから攻め立てられたのを我慢強く切り抜けてくれました。今回の5位はまだまだ満足できる内容ではないですが、チームもピットワークでミスすることもなく、ドライバーもできる限りのことはできたと思います。次の鈴鹿ではより速さを身につけて、もっと力を出し切れるようチーム一丸となって頑張ります」
#3 千代勝正
「予選はうまくまとめられなくて、非常に悔しい思いをしましたが、気持ちを切り替えていいレースをしようと心がけました。スタートはうまく決まって順位を上げることができましたし、最後のスティントではアウトラップからプッシュしていき、終盤は39号車にかなり迫られましたが、最後まで集中を切らさずにプッシュして引き離すことができたので良かったです。今回はチームも、チームメイトも全員が良い仕事をしてくれて、しっかりゴールまでクルマを運べたことが良かったし、みんなに感謝しています。今回、マシンのポテンシャル向上は確認できたので、次も予選からそれをしっかり引き出して頑張りたいと思います」