2021.04.11
2021年シーズンのSUPER GT開幕戦が岡山国際サーキットで開催され、日産勢はGT300クラスの#56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が今季初優勝を挙げ、チャンピオン防衛に向けて幸先の良いスタートを切りました。また、ポールポジションを獲得した#11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信)は、4位に入りました。
快晴に恵まれた開幕戦、GT300クラスの予選Q1はA組とB組に分かれて実施されました。日産勢はA組に#10 GAINER TANAX with IMPUL GT-R(星野一樹/石川京侍)、#48 植毛ケーズフロンティア GT-R(田中優暉/富田竜一郎)、#56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)の3台が出走。B組には#11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信)と#360 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/内田優大)の2台が出走しました。A組は3台がそろってQ2へ、B組は安田がドライブする#11 GT-RがQ2に進出し、平中にバトンを渡します。#360 GT-Rは9位で惜しくもQ2進出を逃し、18番グリッドから決勝での上位進出を目指します。
Q2は、#11 GT-Rの平中が1分25秒275のトップタイムをマークし、今シーズン初のポールポジションを獲得。Q2でのアタックを担当した平中にとっては、2016年以来のポールポジションです。平中は記者会見でこれまでの努力が実ったと振り返り、決勝レースに向け気持ちを切り替えて臨む決意を語りました。一方、前年度チャンピオンの#56 GT-Rは4位、今回からタイヤをダンロップに変更した#10 GT-Rは11位、#48 GT-Rは16位からそれぞれ上位を目指します。
決勝レースは、午後1時30分から2周のフォーメーションラップを経て、全車スムーズにスタート。ポールポジションの#11 GT-Rはしっかりとポジションを守ったまま1コーナーへ。しかし2番手スタートの52号車が#11 GT-Rをぴったりとマークし、プレッシャーをかけ続ける展開となります。それでも、ステアリングを握った安田は落ち着いてレースをリード。一方、4番手スタートの#56 GT-Rは1周目にポジションをひとつ上げ、3位に浮上。こちらも背後には、2020年のチャンピオンを争った65号車が迫ります。スタートドライバーを務めた藤波は、相手に隙を見せることなく順位をキープしてみせました。
#11 GT-Rと52号車、#56 GT-Rと65号車はそれぞれ1秒以内という、一瞬の油断も許さない緊張感の高い好レースを展開します。そんななか、27周目にそれまで12位を走っていた#360 GT-Rがピットイン。青木に代わってステアリングを握った内田は、アウトラップでスピンを喫してしまい、ストップしてしまいます。すると、セーフティーカー導入を見越して各車一斉にピットになだれ込む事態に。首位の#11 GT-Rと3位の#56 GT-Rもタイミングを逃さずピットに入り、タイヤ交換とドライバー交代を済ませます。混乱するPITで、着実な作業を終えた#56が、#65、#52、そして#11を抑え、実質トップでコースに復帰しました。
リスタート後には、ステイアウトした9号車を先頭に、#56 GT-Rと65号車、52号車と#11 GT-Rが連なり、実質的にこの4台が表彰台を争う展開となりました。やがて9号車がピットに入り、#56 GT-Rのオリベイラが先頭に。GT500マシンが入り乱れ、背後からライバルが迫るなか、オリベイラは高いレースマネージメント力を発揮。集中力を維持し、約40周を高い精度で走り抜いて今シーズン初優勝を達成。まさにディフェンディングチャンピオンの貫録を見せたレースと言えます。#11 GT-Rは前を行く52号車に0.361秒およばず4位。そのほか、10位に#10 GT-R、12位に#48 GT-Rという結果になりました。#360 GT-Rはリタイアでレースを終えています。
#56 藤波清斗
「ライバルも手強かったですが、走り出しの段階から予想よりも良い走りができたと思います。スタートして1台オーバーテイクできましたし、その後ペースは落ちてしまったものの、いいタイミングでピットに入ることができました。チームの判断や、ピット作業のおかげで前に出ることができ、オリベイラ選手も力強い走りでその後のレースをコントロールしてくれました。チームのみんなが力を合わせて勝つことができた一戦だったと思います。次戦の富士はサクセスウェイトを搭載して重くなるので大変ですが、僕たちにとって相性のいいサーキットですし、粘り強く、今シーズンもチャンピオンを獲れるように、気を引き締めて頑張ります」
#56 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
「藤波選手からバトンを受け継いでからずっと、プレッシャーのかかるレースでした。特に65号車、52号車が迫ってきていましたし、毎周毎周、丁寧に、正しいラインを外すことなくミスせずに走り続ける必要がありましたから。もともとセーフティカーが出るだろうという予想のもと、ピットインのタイミングをチームと話し合ってきました。結果的に見事なタイミングだったと思います。一瞬も気の抜けないレースでしたが、チームに感謝したいと思います。次戦の富士は楽しみにしています。サクセスウェイトを60kg搭載するタフなレースになりますが、ベストを尽くして頑張りたいと思います」