モータースポーツ

2020.11.30

Round 8 たかのこのホテル FUJI GT300km RACE
GT300 Class - Race Report

リアライズ 日産自動車大学校GT-Rが初戴冠

2020年のSUPER GT最終戦が富士スピードウェイで開催され、ポイントリーダーとしてこの大会に臨んだ#56 リアライズ 日産自動車大学校GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が2位表彰台を獲得。チーム初となるGT300クラスチャンピオンに輝きました。

予選

タイトル争いに残る2台が上位グリッドを獲得

GT300クラスの公式予選Q1で、GT-R勢の5台全車がA組に振り分けられました。#56 GT-Rは藤波がQ1を担当。周りの車両がセッション開始早々にピットを離れていく中、#11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信)の平中と共に待機。2分が経過したあたりで2台はコースインしていきました。それぞれ2周連続のアタックで、#11 GT-Rの平中は1分36秒131をマークしてトップでQ2進出を決定。#56 GT-Rの藤波も1分36秒452の4番手タイムでQ1を突破しました。

石川がアタッカーを務めた#10 GAINER TANAX ITOCHU ENEX with IMPUL GT-R(星野一樹/石川京侍)は1分36秒734で6位に、#360 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/田中 篤)も青木のアタックで7位に入り、日産勢は4台がQ2進出を果たしました。#48植毛ケーズフロンティア GT-R(田中優暉/飯田太陽)はコースインした周のコカ・コーラコーナーでコースアウトし、マシンにダメージを負ってしまったためタイム計測ができませんでした。

Q2では上位6台がコースレコードを更新。日産勢も、#11 GT-Rの安田が1分37秒527をマークしてコースレコードタイムを上回り、6位となりました。オリベイラがアタックを担当した#56 GT-Rは1分36秒039で7位。タイトル獲得の権利を持っている2台がまずまずのスタート位置を手に入れました。#10 GT-Rは星野がアタックして12位、#360 GT-Rは田中のアタックで16位となりました。

決勝

リアライズ 日産自動車大学校GT-Rが2位表彰台でタイトル獲得

決勝日の富士スピードウェイは、空を覆う雲の量は多かったものの落ち着いた天気となりました。ただ、予選日と比べても気温が下がり、決勝レーススタート時には気温は8℃、路面温度も13℃と、凍えるような寒さに。安全面を考慮して、当初からフォーメーションラップを2周行うことが決まっていましたが、走行中にさらに1周が追加され、決勝レース周回数はGT500クラスで65周となりました。

#56 GT-Rは藤波がスタートを担当。藤波はスタートから気迫のこもった走りを見せます。6位スタートの#11 GT-Rに並びかけながら1コーナーへ入っていくと、2台のバトルは100Rまで続きました。#11 GT-Rのスタートを担当する安田は、藤波の猛攻を何とかブロック。100Rを過ぎたところで両者の間にギャップができると、安田は5位の#65 メルセデスAMGに接近していきました。ヘアピンコーナーでテールトゥノーズの状態まで近づくと、ダンロップコーナーから続く複合コーナーで5位に浮上。これに続いて、#56 GT-Rも2周目の1コーナーで#65 メルセデスAMGに勝負を仕掛けました。アウト側からオーバーテイクしようとした藤波は、わずかに挙動を乱してしまいますが、そのまま並走状態でコカ・コーラコーナーへ。ここでしっかりと前に出た#56 GT-Rは6位に順位を上げました。

その後、9周目に1台をかわした藤波は、16周目に#11 GT-Rもかわして4位に浮上。そのまま24周目までを走り切り、オリベイラへとドライバー交代しました。オリベイラは暫定15位でコース復帰。ピット作業を終えているマシンの中では2番手につけました。ただし、この時点では上位陣でまだピット作業を行っていないマシンもあり、ほぼ全車が作業を済ませた時点では再び4位に。チャンピオン争いのターゲットになっている#65 メルセデスAMGはタイヤ無交換作戦で#56 GT-Rよりも前の2位を走っていましたが、#56 GT-Rは3位に入ればタイトルを手に入れることができます。オリベイラは、3位を走る#6 MC86に対して1秒速いラップタイムでどんどんと近づいていきました。37周目の時点で約14秒あったギャップは、43周目には約7秒に、50周目には1.1秒まで縮まりました。52周目のダンロップコーナーで一旦並びかけ、13コーナーでイン側から一気にオーバーテイク。3位に上がりました。

オリベイラはそのまま、2位を走る#65 メルセデスAMGにも接近。54周目の1コーナーで逆転に成功し、タイトル争いでの直接のライバルよりも前に出ました。そのまま残り6周を走り切り、2位でチェッカー。15ポイントを加算し、チャンピオンを獲得しました。藤波、オリベイラの両者にとって初めてのタイトル獲得。昨年からGT300クラスへの参戦を開始したKONDO RACINGは、参戦2年目にしてタイトルを獲得することとなりました。

#11 GT-Rは、安田のスティントでは#56 GT-Rに続いて上位を走行していましたが、2度のタイヤ交換に加え、ピット作業違反によるドライブスルーペナルティを科され、18位でゴール。ランキング6位でシーズンを終えることになりました。#10 GT-Rは前半の星野が2つポジションを上げて20周目にドライバー交代。石川も追い上げて6位でフィニッシュしました。予選でアタックできず、最後尾からのスタートとなった#48 GT-Rは飯田、田中とつないで20位でゴール。#360 GT-Rはスタートドライバーの青木が38周目まで前半スティントを伸ばし、田中に交代。その後再びピットインがあり、21位でチェッカーを受けました。

#56 藤波清斗
「チャンピオンを獲れたことは夢のようです。ここまでたくさんの方に支えていただいて、最後まであきらめない強い気持ちでレースに臨みました。今日のレースでは、決勝のペースには自信を持っていましたが、まさか2位になれるとまでは思っていなかったです。オリベイラ選手の追い上げのおかげです。今シーズン、オリベイラ選手と組んでいろいろなことを学びました。本当に感謝しています」

#56 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
「今週末、一人一人がベストを尽くすことに集中して臨みました。クルマの調子も良かったので自信はありましたし、ベストを尽くせば大丈夫だと思っていました。ただ、決勝レースの本番は非常に寒く、どのチームも同じだったとは思いますが未知の状況でしたね。しかし、ピットアウトしてからも力強く走ることができ、このような結果を勝ち取ることができてチームのみんなに感謝しています」

GT300クラス公式リザルト:11月28日(土)予選
GT300クラス公式リザルト:11月29日(日)決勝

SUPER GT インフォメーション : Round 8