2020.11.08
全8戦で争われるSUPER GTも終盤に入り、このもてぎ大会は第7戦。シリーズチャンピオン争いで3番手につけている#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は予選4位を獲得。決勝レースは7位でゴールし、ランキング3位をキープしました。
午前中から秋晴れの空が広がった予選日のツインリンクもてぎ。気温は19℃、路面温度は24℃というコンディションで公式予選がスタートしました。#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)は千代、#12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴)は平峰、#23 GT-Rは松田、そして#24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/ヤン・マーデンボロー)は高星がQ1を務めました。
松田の#23 GT-Rが計測3周目に1分37秒233を記録して暫定2番手につけると、そのあとにコントロールラインを通過した#3 GT-Rの千代が1分37秒078で松田を逆転。最終的に#3 GT-Rが5位、#23 GT-Rは7位でQ1を突破し、ポールポジション争いとなるQ2に駒を進めました。#12 GT-Rは1分37秒615で14位、#24 GT-Rは1分37秒860で15位となりました
Q2は、GT300クラスの予選を挟んでスタート。それぞれ#3 GT-Rは平手、#23 GT-Rはクインタレッリがポールポジション争いに挑みました。セッションは10分が設けられていますが、各車が動き出したのは2分を経過したあたりから。2台のGT-Rは、まずは平手が全体の4番目にピットアウトし、クインタレッリは前との間隔をあけて、6番目にコースに入りました。
#23 GT-Rは、計測4周目にアタック。練習走行でマシンのフィーリングに手ごたえをつかんでいたクインタレッリはフルプッシュして1分36秒885を記録し、3番手につけます。その後1台がクインタレッリのタイムを上回り、最終的には4位となりました。一方の平手は、5周目のアタックで1分37秒217を記録。しかし、この周に4輪脱輪のペナルティを受けタイム抹消となり、予選結果は8位となりました。
予選日に続き、決勝日ももてぎは秋らしい爽やかな空気に包まれました。午後1時に決勝レースのフォーメーションラップがスタート。序盤の数周は、上位陣に順位変動がなく進んでいきます。4番手スタートの#23 GT-Rはクインタレッリがスタートドライバーを務め、トップ3を追いかけました。しかし7周を終えるころには後方のマシンに詰め寄られてしまいます。15周目ごろからペースが下がってしまい、やがて5位に後退。さらに6位以降のマシンも連なってきましたが、クインタレッリは懸命にブロックし5位で踏みとどまりました。
その後、レースの3分の1を超えてピットインが可能な時間になると、上位の2台がピットへ向かい、#23 GT-Rは3位に浮上します。その直後、コースサイドにストップしたGT300クラスの車両を回収するため、セーフティカー(SC)が導入。28周を終えてSCが隊列を離れた直後、トップの車両がコントロールラインを通過とほぼ同時に3位以降のマシンが一気にピットロードに流れ込んできました。#23 GT-Rもこのタイミングでピットイン。暫定9位でコースへと復帰しましたが、後半スティントを託された松田は冷えたタイヤだと難しいアウトラップにもかかわらず、目の前を走る#17 NSX-GTを2コーナーでかわし、ポジションを1つ上げることに成功しました。
#23 GT-Rは自分たちよりも後にピット作業を行ったマシンを数台かわしていましたが、全車がピット作業を終えた時点では再び5位に。そこから懸命に前を追いかけました。しかし、周回が進むにつれてペースを上げられなくなり、逆に後方のマシンに追い立てられる展開になってしまいました。48周目に2台の先行を許し7位に後退。しかし、その後は後続からの猛追を振り切り、その順位を守り切ってチェッカーを受けました。シリーズチャンピオン争いの上位陣も、#23 GT-Rに近い位置でゴールし、ランキングは接戦状態のまま。#23 GT-Rはトップと2ポイント差の3位をキープして最終戦に挑むことになりました。
予選14位の#12 GT-Rは、佐々木がステアリングを握った前半スティントでなかなかペースが上がらず苦戦。それでも必死に前のマシンを追いかけると、#23 GT-Rと同じく28周を終えてピットに向かい、平峰と交代しました。暫定14位で後半をスタートした#12 GT-Rは粘り強い走りを披露。終盤は集団での接近戦を制して9位でフィニッシュしました。
8番手スタートの#3 GT-Rは、スタートドライバーの平手、後半スティントの千代ともに好走を見せましたが、駆動系と思われるトラブルに見舞われストップ。規定周回数は満たしていたため、15位という結果になりました。また、15番手スタートからの巻き返しを期待された#24 GT-Rは序盤に操作系のトラブルが発生し、ピットでの修復作業を余儀なくされ14位フィニッシュとなりました。
ロニー・クインタレッリ
「僕のスティントでは、序盤のペースは良かったのですが途中から苦しくなってきてしまいました。それでもなんとか踏ん張って走って、いいタイミングでピットに入ることができましたね。次生選手もアウトラップで頑張ってくれました。チャンピオン争いは、9台ぐらいが上位で接戦になっています。(チャンピオンを獲得した)2014、2015年の時ほどのポイント差ではないので、最終戦も頑張ります」
松田次生
「アウトラップで速さを見せられるタイヤだったので、そこで17号車をかわせたのは良かったです。その分、スティントの後半は苦しい状況になりましたが、チャンピオン争いをしているライバルたちと同等のバトルができて、非常に楽しいレースでした。最終戦は3週間後。僕たちドライバーもしっかりと準備をして臨んで、悔いのないレースにしたいと思います」
鈴木豊監督
「今回は、今までの中でも非常に価値のあるレースになりました。これまでは、ハンディキャップがある中でランキング上位の車両と戦えていましたが、今回は彼らと同じ土俵でしっかり戦えた。チームとしてもドライバーたちも自信を持てたレースでした。開幕の時期に比べると、非常に大きく成長したと感じています。なおかつ、第7戦に挑むときと同じ2ポイント差のランキング3位を維持し、最終戦次第でチャンピオンが決まるという状況になりました。最終戦も強い意志を持ち、目の前のレースを精いっぱい戦いたいと思います。頑張りますので、次戦もぜひ応援をよろしくお願いします」