モータースポーツ

2020.11.09

Round 7 FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE
GT300 Class - Race Report

リアライズ 日産自動車大学校GT-Rが今季2勝目でランキングトップ浮上

2020シーズンも残すところ2戦。最終戦を前にしたSUPER GT第7戦は、シリーズチャンピオンを争ううえでも重要な戦いとなりました。日産勢はGT300クラスの#56 リアライズ 日産自動車大学校GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が、今シーズン2勝目を記録してシリーズランキングでもトップに浮上。また、#360 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/大滝拓也)が3位表彰台を獲得しました。

予選

5台のGT-R全車がQ1を突破

GT300クラスの予選は今回も2グループに分かれて実施されました。日産勢は、全5台のうち4台のGT-RがA組で出走。#11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信)のみがB組での出走でした。A組の予選では、#48植毛ケーズフロンティア GT-R(田中優暉/富田竜一郎)がQ2進出。今回スポット参戦となる富田が1分47秒082をマークしAグループ2位で田中へとバトンを繋ぎました。さらに、青木がアタックした#360 GT-Rと藤波の#56 GT-R、そして#10 GAINER TANAX ITOCHU ENEX with IMPUL GT-R(星野一樹/石川京侍)も石川がQ1を突破し、B組では#11 GT-Rが、安田がトップタイムを記録してQ1通過。これにより、日産勢は全車がQ2に進出しました。

Q2では、#11 GT-Rの平中が1分46秒433で3位に、#360 GT-Rは大滝がアタックして1分47秒026を記録し5位と、揃って上位のグリッドを獲得しました。予選2位につけている車両はシャシー交換によるペナルティを受けることが事前に決まっているため、#11 GT-Rは勝利に向けて更に優位な位置に着けることになりました。#56 GT-Rはオリベイラのアタックで7位となり、#10 GT-Rは星野が走り15位。田中が担当した#48 GT-Rは16位でした。

決勝

GT-Rが1-3フィニッシュ

日曜日のツインリンクもてぎは秋晴れに恵まれました。もてぎでのGTレースは今シーズン2度目ですが、有観客での開催は昨年以来とあって、グランドスタンドや観客エリアは家族連れやモータースポーツファンで賑わいました。決勝レースは13時にスタート。スタート直後に2位のマシンがピットストップのペナルティを消化したため、#11 GT-Rの安田はポジションを1つ上げて2位へ浮上。#360 GT-R、#56 GT-Rもそれぞれオーバーテイクを披露してポジションをあげ、レース序盤で3台のGT-Rが2~4位の上位を占めました。#360 GT-Rのスタートドライバーを務める大滝は、先日の鈴鹿戦でSUPER GTデビューを果たしたルーキードライバーながら積極的な走りで62㎏のハンディウェイトで苦しむ#11 GT-Rの安田との差を縮めていき、15周目には#11 GT-Rをかわして2位へ浮上しました。

レースも中盤に差しかかった22周目、コースサイドにストップしたGT300クラスの車両を回収するためセーフティカー(SC)が導入され、ピットロードの出口がクローズされます。この時点でGT300クラスはほとんどの車両がまだピットに入っていませんでしたが、#56 GT-RはSCが導入される直前の21周終了時点でピット作業を済ませており、オリベイラにドライバー交代した#56 GT-Rは1分近い大きなマージンを得て2位でコースに復帰しました。

その一方で、先頭集団を走っていた#360 GT-Rと#11 GT-RはこのSCで展開が崩れてしまいました。SCがコースを離れレースが再開すると、両クラスのマシンが一斉にピットになだれ込んできます。前半に上位を走行していた#360 GT-Rと#11 GT-Rは、それぞれ27周終了時点、28周終了時点でピット作業を行い、9位と10位でコースに復帰。迅速なピット作業で4輪を交換したGT-R勢は、作業時間を縮めるためにタイヤ無交換や片側2輪交換といった作戦に出たライバル勢を着実にとらえてポジションアップしました。さらに、#11 GT-Rの平中は41周目に#360 GT-Rの青木をかわし6位に浮上。さらに43周目に1台をかわして5位まで順位を上げました。

SCを味方につけ後続との大きなギャップを作って2位になった#56 GT-Rのオリベイラは、トップを走る#4 メルセデスAMGとの一騎討ちに。2台はSCの影響で差が縮まった状態でリスタートを迎えました。オリベイラは31周目のバックストレートで、相手が見せた一瞬の隙をついてイン側へ入ると、そこからサイドバイサイドの激しい戦いを繰り広げます。そして、翌32周目の2コーナーでついに#4 メルセデスAMGを振り切ってトップに躍り出ました。その後も2位のマシンとは1秒前後の差で気の抜けない戦いになりましたが、オリベイラはしっかりとトップをキープしてフィニッシュ。今シーズン2度目の優勝を飾り、シリーズランキングでもトップに浮上しました。

#11 GT-Rは終盤に猛烈なプッシュをかけて4位となりましたが、他車と接触してしまい順位を下げることになりました。さらにレース結果に30秒加算するペナルティを受け、最終的に9位という結果になりましたが、シリーズランキングは3位で最終戦に向かうことになりました。#360 GT-Rは#11 GT-Rのアクシデントの間に4位に浮上。さらに残り2周となるバックストレートで、タイヤ無交換作戦を採っていた#52 Toyota Supraに追いつきます。そして、ファイナルラップに入ったメインストレートで逆転しました。これで#360 GT-Rもチーム初の3位表彰台を獲得し、GT-Rが1-3フィニッシュを飾りました。#10 GT-Rが7位、#48 GT-Rも今季ベストリザルトの11位でフィニッシュし、上位11台の中にGT-R全車が入るという好成績を収めました。

#56 藤波清斗
「チームが、ピットインのタイミングに関して、とてもいい判断をしてくれました。第6戦の鈴鹿大会で非常に悔しい思いをしたので、今回このようないい結果で終えることができて良かったです。ポイントリーダーで最終戦を迎えられることも非常にうれしいです。もちろんライバルたちは強敵ですが、今回の勝利でいい流れが来ていると思うので、この勢いをしっかりとつかみ、最終戦に向けても精いっぱい戦う準備をして、チャンピオンになれるように頑張りたいです」

#56 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
「ピットロードを出て、無線でポジションを聞いたときにはとても驚きました。4号車とはとてもタフなバトルになりましたね。今回の勝利は、ポイントリーダーとして最終戦に挑むことができるという意味で、チームにとってもヨコハマタイヤにとっても重要な意味を持ちました。最終戦は気負うことなくリラックスし、しかし強い意志を持ってレースに臨みます。ベストを尽くして戦います」

GT300クラス公式リザルト:11月7日(土)予選
GT300クラス公式リザルト:11月8日(日)決勝

SUPER GT インフォメーション : Round 7