2020.10.26
今シーズン、2度目の戦いとなった鈴鹿サーキットでのSUPER GT第6戦。日産勢はランキング2位の#11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信)や前戦で優勝した#56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)といった、100kgのハンディウェイトを搭載するGT-Rが予選で意地を見せ上位グリッドに着けました。決勝レースでは、セーフティカーの導入が大きく展開を狂わせることに。一時は表彰台争いにも加わっていただけに、残念な結果となりました。
GT300クラスの予選Q1で、日産勢は#56 GT-RのみがA組で出走。残る4台は全てB組での出走になりました。#56 GT-RはオリベイラがQ1を担当し、最大ハンディウェイトを搭載しながらもなんとか8番手でクリアし、Q2の藤波へとつなぎます。B組では、#360 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/大滝拓也)と#11 GT-RがQ1を突破。#360 GT-Rは今大会がSUPER GTデビューとなる若手ドライバーの大滝がQ1を担当しましたが、B組2番手となる好タイムを記録して青木につなげました。#10 GAINER TANAX ITOCHU ENEX with IMPUL GT-R(星野一樹/石川京侍)と#48 植毛ケーズフロンティア GT-R(田中優暉/柴田優作)はそれぞれ11位と13位でQ2進出ならず。総合結果は22位と26位になりました。
Q2に進出した3台は、#11 GT-Rは安田、#56 GT-Rは藤波、#360 GT-Rは青木が担当。特に#11 GT-Rは、ランキングトップを争っている#65 メルセデスAMGがQ1を突破できず下位に沈んだことから、何としてでも上位グリッドを獲得したいところでした。アタックを任された安田は懸命のアタックで1分56秒819をマーク。ポールポジションタイムには及びませんでしたが5位となり、表彰台獲得を狙えるグリッドを獲得しました。#360 GT-Rは9位、#56 GT-Rは11位となりました。
前戦から有観客での開催となり、鈴鹿サーキットのグランドスタンドにも観客が戻ってきました。コースサイドからもSUPER GTファンが見守る中、秋晴れの空のもとで決勝レースがスタート。スタート直後、3位を走るマシンのペースが上がらず、後続の数台が集団になります。その中には安田がスタートドライバーを務める#11 GT-Rの姿も。安田は2周目に入ったホームストレートで前を走る#18 NSXに並びかけますが、かわすことはできません。しかし4周目にこのマシンがトラブルからスローダウン。これで#11 GT-Rは4位に浮上。その後方で青木のドライブする#360 GT-R、藤波の#56 GT-Rも一つずつ順位を上げました。
#11 GT-Rは、9周目にはペースの下がってきた#96 RC Fをシケインでかわして表彰台圏内の3位にポジションアップしました。すでに上位2台とは8秒ほどの差が開いており、しばらくは3位をキープ。一時4位のマシンが迫ってくる場面もありましたが、安田はその追撃をしのいでいきました。
16周目には、#11 GT-Rが3位、#360 GT-Rが5位、#56 GT-Rが7位と、GT-R勢は着実に順位を上げていきました。しかし徐々にピット作業に向かうマシンが増えていく中、21周目にGT300クラスのマシンがS字でコースオフを喫しタイヤバリアにヒット。この影響でセーフティカー(SC)が導入されます。さらにSC導入直後はピットロード入り口が閉められてしまうため、すぐにはピット作業には入れません。#11 GT-Rを含め、この時点でピット作業を行っておらず見た目上では上位に並んでいたマシンたちは、すでにピット作業を終えたマシンに対して大きなマージンを作られてしまうことになりました。
SCがコースを離れレースが再開すると、#11 GT-Rは1周を通過したのちにピットイン。後半スティントを平中に託します。しかし、コースに復帰したときには暫定18位。全車のピット作業が終わった時点でも16位にまでしか順位を取り戻すことはできませんでした。最終的に、そこから一つ順位を上げた15位でのフィニッシュとなり、ポイント獲得はかないませんでした。
#56 GT-Rも#11 GT-R同様に、SC導入で大きく展開が崩れることになり、後半スティントのオリベイラが懸命のオーバーテイクを見せるも16位。#360 GT-Rはリヤタイヤの2本交換でピット作業の短縮も試みましたが、17位でのフィニッシュとなりました。#10 GT-Rは21位、#48 GT-Rは25位でした。
今大会ではランキング上位勢が似たような展開となりポイントを伸ばせず、ランキングの大きな順位変動はなし。#11 GT-Rはトップと10点差の2位、#56 GT-Rは15点差の4位で残り2戦を戦うことになります。