モータースポーツ

2020.10.05

Round 5 たかのこのホテル FUJI GT300km RACE
GT300 Class - Race Report

リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが初優勝

2020年シーズンの折り返し地点を迎えたSUPER GT。今大会から、人数制限はあるものの観客動員が再開し、富士スピードウェイのグランドスタンドにはGTファンの姿が戻ってきました。多くのファンが注目するなか、#56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が優勝。2019年からGT300クラスへの参戦を開始したKONDO RACINGにとってうれしいクラス初優勝となりました。また、今大会から、全国の日産販売会社から選抜されたテクニカルスタッフや日産自動車大学校の学生がチームに参加する「NISSAN MECHANIC CHALLENGE」を再開したチームにとって、二重の喜びとなりました。

予選

リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが予選6位

GT300クラスの予選Q1は今大会も2組に分けて実施されましたが、日産勢は全5台がA組に振り分けられました。#56 GT-Rは藤波がQ1を担当し、2番手タイムでQ1を突破。また、前戦ポールポジションを獲得した#360 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/田中 篤)と100kgのハンディウェイトを搭載する#11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信)が、それぞれ青木と安田のアタックで3位、4位となり、3台のGT-RがQ2へ進出しました。
#10 GAINER TANAX ITOCHU ENEX with IMPUL GT-R(星野一樹/石川京侍)は総合17位、#48 植毛ケーズフロンティア GT-R(田中優暉/飯田太陽)は総合27位となりました。

Q2では、#56 GT-Rはオリベイラが出走。セッション開始から約2分を置いてコースへと向かったオリベイラは、1分36秒966をマークして暫定5位につけます。オリベイラは2周連続のアタックで1分36秒965とわずかにベストタイムを削りますが、ライバルマシンがこれを上回り、最終的に6位となりました。#11 GT-Rは平中がアタックし、1分37秒320を記録しましたが、走路外走行によりこのタイムが採択されず、11位となりました。#360 GT-Rは16位からスタートすることになりました。

決勝

リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rがチーム初優勝

コースサイドからGTファンが見つめる中でスタートした決勝レースは、GT500クラスでスタート直後にアクシデントが発生し、すぐにセーフティカー(SC)が導入されました。5周目にSCが隊列を離れレース再開。#56 GT-Rのスタートドライバーを務める藤波は、この周に2台をかわして4位に浮上します。さらに9周目に3位へ上がると、12周目に2位、そして15周目にはトップに躍り出ました。

48kgと重めのハンディウェイトを搭載する#56 GT-Rですが、藤波はトップに立った後も順調なペースで周回し2位以下との差を築いていきました。29周を終えてピットへ向かい、オリベイラへとドライバー交代。暫定5位でコースに復帰しました。前を走る4台はまだピット作業を終えていないマシンで、すでに後半スティントに入っている中ではトップをキープしました。

その後、32周目に上位の2台がピット作業を行います。1台はタイヤを2本しか交換しておらず、#56 GT-Rの約4秒前方でコースに復帰しましたが、オリベイラは一気に迫り最終コーナーでオーバーテイク。これで見た目上で3位、実質の2位に浮上しました。33周目には1台がピット作業に向かい、これでトップへ戻るかと思われましたが、この1台はタイヤ無交換作戦で作業時間を短縮したため、#56 GT-Rの前でコースに復帰します。最後の1台がピット作業に入った39周目、これで順位が整理されましたが#56 GT-Rは2位となっていました。

しかし、ここからオリベイラの追い上げが始まりました。#56 GT-Rとライバルマシンとのギャップはこの時点で約12秒。オリベイラは少しずつ差を削り、41周目には8.1秒となっていました。さらにプッシュし、1周で約2秒ずつトップのマシンに詰め寄っていくと、45周目にはついに1秒を切ります。そして、46周目の1コーナーでイン側に飛び込み鮮やかにオーバーテイク。再びトップに返り咲きました。

その後もペースを落とすことなく周回を重ねた#56 GT-Rは62周でトップチェッカーを受けました。#56 GT-RのKONDO RACINGは2019年からGT500クラスに加えてGT300への参戦をスタートさせ、今大会で嬉しい初優勝となりました。また今回の勝利で大量ポイントを獲得し、ドライバーズランキングもトップと14ポイント差の3位に浮上しました。

11番グリッドからスタートした#11 GT-Rは、100kgのウェイトに苦しみながらも安田から平中へとつないで10入賞を果たし、1ポイントを加算。ランキングは2位となりました。

#10 GT-Rはスタートドライバーの星野、後半スティントの石川ともに奮闘し12位にポジションを上げてフィニッシュ。#360 GT-Rは25位、#48 GT-Rは28位でチェッカーを受けました。

#56 藤波清斗
「今回から、一部ではありますがようやくファンの方がサーキットに入れるようになり、レースウィークに入る前からワクワクしていました。シーズン前半で悔しい思いをしてきたので、今回に向けてチームも一生懸命準備を進め、またヨコハマタイヤさんもいいタイヤを用意してくれました。なんとかオリベイラ選手にトップでバトンを渡したいと強く思っていたので、それが果たせてよかったです。チームの初優勝をプレゼントできて、本当にうれしく思います」

#56 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
「今回、クルマとタイヤのパフォーマンスにはとても自信を持っていました。(終盤トップ争いをした)52号車とは、向こうのピットアウト後に大きなギャップがありましたが、プッシュして追いつくことができました。タイヤマネージメントには気を付けましたが、トップチェッカーを受けることができてよかったです。チームの初優勝をうれしく思います」

GT300クラス公式リザルト:10月3日(土)予選
GT300クラス公式リザルト:10月4日(日)決勝

SUPER GT インフォメーション : Round 5