2020.08.23
SUPER GT第3戦は、舞台を変え、鈴鹿サーキットで開催。2017年にその歴史を閉じた「鈴鹿1000km」以来3年ぶりとなった夏の鈴鹿GTレースで、#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が予選2位から逆転勝利を飾りました。
8月下旬の鈴鹿サーキットは、強い日差しでうだるような暑さとなりました。GT500クラスの予選は15時過ぎのスタート。日差しが傾きかけた時間帯とはいえ、まだ気温は32℃、路面温度は45℃を記録していました。午前中の公式練習で全体の2番手タイムをマークした#23 GT-Rはその好調ぶりを発揮します。Q1を担当した松田は、セクター1のセッション最速タイムを刻んで1分46秒500をマーク。2位でQ1突破を果たし、クインタレッリにつなげました。ポールポジション争いを託されたクインタレッリは、セクター1では全体の最速タイムを記録し、攻めの走りで1分46秒699をマーク。トップタイムにはわずかに及びませんでしたが、予選2位で決勝レースのフロントロウグリッドを獲得しました。
#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)は、1分47秒631で10位、#24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/ヤン・マーデンボロー)は1分48秒052で13位。#12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴)は、公式練習で#23 GT-Rに続き5位タイムと速さを見せ、予選でも期待がかかりましたが、アタックを担当した平峰がわずかにコースを外し、15位からの巻き返しを誓いました。
予選日同様、決勝日も強い日差しで気温も路面温度も大きく上昇しました。13時にフォーメーションラップが始まり、52周の決勝レースがスタート。#23 GT-Rのスタートドライバーを務めるクインタレッリは、シグナルグリーンと共にトップの車両にプレッシャーをかけていきます。3位、4位のマシンも近づき、集団でのトップ争いになるかと思われたところで、GT300車両がS字コーナーでクラッシュしたため、早々にセーフティカー(SC)が導入されることになりました。SCがピットレーンに向かいレースが再開されたのは5周目。そのシケインコーナーで1台にかわされ、#23 GT-Rは一旦3位に後退します。クインタレッリはここからチャンスを狙い、上位のマシンに食らいついていきました。13周目のヘアピンコーナーでGT300クラスのトラフィックを巧みに利用し1台をオーバーテイク。14周目のダンロップコーナーでさらに1台をとらえ、ついにトップに躍り出ました。
その後、#24 GT-Rのボンネットが外れるアクシデントが発生し、そのパーツを回収するために17周目に2度目のSCが導入されました。それまで3秒以上に広げていた2位との差がなくなってしまいますが、#23 GT-Rはトップをキープ。23周目に2位のマシンが先にピット作業に向かい、#23 GT-Rはその翌周にピットイン。チームもミスのない作業で松田に交代したマシンを送り出し、ピットアウト直後にはホームストレート1本分のギャップを作りだしていました。
全車がピット作業を終え、#23 GT-Rは27周目に名実ともにトップに浮上。29周目に3度目のSC導入後に2位のマシンに一時迫られますが、ペースを崩すことなく周回を重ねると、終盤は10秒近いギャップを作りだしてトップチェッカーを受けました。
予選10位の#3 GT-Rは平手がスタートドライバーを務め、着実に周回を重ねていきました。22周を終えてピット作業へ向かうと、暫定12位でコースに復帰。1周あとでピット作業に入ったマシンが、千代の目前でコース復帰します。これを一気に抜き去りポジションアップ。全車がピット作業を終えた時点で8位に浮上しました。3度目のSC導入後、34周目にレースが再開すると、接近していた7位のマシンとテールトゥノーズのバトルを展開します。35周目に上位の車両が1台後退したため、2台の争いは6位争いへと発展。前を走るマシンよりもペースは勝っていたものの、なかなか突破口を開けずにいましたが、レース終盤のシケインで逆転に成功しました。6位に上がった#3 GT-Rはさらに5位のマシンにも僅差まで迫りながらチェッカー。6位フィニッシュで3戦連続入賞を果たしました。
#24 GT-Rはマーデンボローが前半スティントを担当。序盤にボンネットが外れるアクシデントに見舞われますが、ピット作業で修復を行い、トップと同一周回で11位フィニッシュとなりました。
#12 GT-Rは平峰がスタートドライバーを務めて15位からスタートしました。しかし、序盤にマシントラブルが発生しピットイン。ピットで修復作業を終えるとコース復帰し、6周遅れながら12位となりました。
ロニー・クインタレッリ
「実は柔らか目のタイヤだったので、1周目で頑張ってトップに立ちたかったのですが、ポールスタートのマシンにはうまくブロックされてしまいました。その後、38号車に抜かれてしまいましたが、思ったよりもペースが良くてついていけたので、抜き返すことができましたね。ヘアピンコーナーでGT300クラスのトラフィックを利用して抜き返したのは、僕のスティントのターニングポイントでした。SCのタイミングもあって、僕の判断で予定より早めにピットに入りました。(松田選手に代わって)トップでレースに戻れるとは信じていましたが、実際戻れてホッとしました。2年ぶりに優勝できて、すごくうれしいです」
松田次生
「今回はクルマのセットアップ、持ち込んだタイヤが非常に良かったです。ロニー選手のスティントで、ピックアップが付いたときに苦しそうだったので、僕のスティントではピックアップがつかないように、SC中は気を付けていました。リスタート後は自分を信じてプッシュして、最後に飛ばしすぎて少し苦しかったのですが、序盤にマージンを作っておいた分うまく走れましたね。GTの最多勝記録も伸ばせてホッとしています。なかなか勝てないレースが続いてプレッシャーがある中、今回優勝できて本当に良かったです」
鈴木豊監督
「今回はレースウィークを通して、想定以上のパフォーマンスが発揮できました。ドライバーの2人も、クルマに非常に手ごたえを感じていて、予選でもいい位置につけることができました。変な小細工はせず、思い切っていこうという気持ちでレースに臨み、いいバトルをしたうえで勝ったレースですね。ドライバー達もとても嬉しいでしょうし、我々も非常にうれしいです。ミシュランタイヤさんも、『厳しい条件でパフォーマンスを出せる』というミシュランタイヤらしさ、良さが出ました。これは次戦以降にもつながる成果でした。優勝してウェイトを積むので、次戦は厳しくなると思いますが、我々だけでなく、日産勢4チームで高いパフォーマンスを発揮して、ライバルメーカーの独走を阻止できるよう頑張ります」