モータースポーツ

2020.08.24

Round 3 SUZUKA GT 300km RACE
GT300 Class - Race Report

GAINER TANAX GT-Rが優勝でランキングトップへ

鈴鹿でのSUPER GT。気温・路面温度ともに過酷なコンディションの中、セーフティカーが3度も出る荒れたレースとなりました。NISSAN GT-R NISMO GT3は高いパフォーマンスを発揮し、#11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信)が予選7位から今シーズン初優勝を果たしました。

予選

リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが予選3位を獲得

GT300クラスは今大会も全30台を2組に分けてQ1が行われました。A組には3台のNISSAN GT-R NISMO GT3が出走し、#56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が3位、#10 GAINER TANAX ITOCHU ENEX wiht IMPUL GT-R(星野一樹/石川京侍)が7位でQ2に進出。#48 植毛ケーズフロンティア GT-R(田中優暉/飯田太陽)は13位でQ2進出はならず、総合予選結果で25位となりました。
B組では安田がアタックを担当した#11 GT-RがトップタイムでQ2進出を決めました。#360 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/柴田優作)は柴田がアタックし、暫定3番手の好タイムを記録していましたが、走路外走行のペナルティを受け12位。予選総合結果は24位となりました。

Q2は、オリベイラがドライブした#56 GT-Rが鬼気迫るアタックを披露しました。タイミングを計ってピットを後にしたオリベイラは計測2周目に1分58秒053をマーク。2番手に0.1秒以上の差をつけてトップタイムとなりましたが、このラップが走路外走行と判断されタイムが無効となってしまいました。オリベイラは2周続けてアタックを敢行。直前のアタックでタイヤが消耗しているためタイムは1分58秒826にとどまりましたが、グリッド2列目となる予選3位を獲得しました。#10 GT-Rは6位、#11 GT-Rは7位で、3台のGT-Rが表彰台、優勝争いを狙える位置に付けました。

決勝

GAINER TANAX GT-Rが総合力で逆転勝利

決勝日のコンディションは、気温32℃、路面温度48℃。陽炎が立ち上るほどの暑さの中、決勝レースがスタートしました。#11 GT-Rは安田がスタートを担当。オープニングラップで後方のGT300マシンがコースアウトし、その車両回収のためにレースは早々にセーフティカー(SC)が導入されました。
5周目にレース再開。安田は再開後の接近戦の中でひとつ前を走る#10 GT-Rをオーバーテイクし6位に上がると、さらに5位のマシンを追いかけました。15周目に、コース上に落ちてしまったGT500車両のパーツを回収するために2度目のSC導入。21周目にレースが再開すると、上位勢が一気にピットになだれ込み、#11 GT-Rは3位にポジションアップします。その後、24周目にドライバー交代のためにピットイン。メカニックたちが迅速な作業で送り出した#11 GT-Rは、見た目上の順位は16位でしたが、まだドライバー交代を行っていない車両を除いた中で実質2位に上がっていました。

その後、27周目に3度目のSCが導入され、32周目にリスタート。この時点で5位を走行していた#11 GT-Rは、33周目のスプーンコーナーで実質トップを走っていた車両をとらえます。そして、すべての車両がピット作業を行った34周目にはついに名実ともにトップに浮上しました。
その後は、2位以下のマシンがポジション争いをしていたこともあって、後続とのマージンを築いた状態で周回を重ね、見事にトップチェッカーを受けました。#11 GT-Rは開幕戦の2位表彰台と今大会の優勝で35ポイントを獲得し、ドライバーズランキングもトップに浮上しました。

予選3位からスタートした#56 GT-Rは、前半スティントの藤波がポジションを守り切って21周目にピットイン。後半戦をオリベイラに託します。ピット作業で#11 GT-Rにかわされてしまった#56 GT-Rですが、オリベイラは再びポジションを取り返そうと攻めの走りで#11 GT-Rに食らいついていきました。しかし、終盤にはタイヤの消耗も進み、後方からのライバル勢の追撃を防ぐ展開になってしまいます。3台での2位争いでなんとかポジションキープに努めていましたが、47周目のデグナーで後続に押し出されコースオフ。なんとか戦列復帰はできましたが、タイヤの状況が厳しく、残念ながら順位を落とすことになり、その後も懸命に周回を重ね、9位となりました。予選6位スタートの#10 GT-Rは表彰台まであとわずかの5位にポジションアップしてフィニッシュ。#360 GT-Rは11位、#48 GT-Rは22位となりました。

#11 安田裕信
「今回は、サーキットに入るまではあまり自信がなかったのですが、走り始めたら調子も悪くなく、予選のQ1ではいいタイムを出すことができました。決勝は気温も上がってタイヤに厳しいコンディションでしたが、ルーティンのピット作業でチームが素晴らしい仕事をしてくれました。クルマとタイヤのパフォーマンスで、今回はうまくいけば表彰台は狙えるかもと思っていましたが、優勝は正直想定外だったので、嬉しさも大きいです」

#11 平中克幸
「SC明けのピット作業だったので、ピットロードが混雑している中で大きくポジションアップしたことが今回の最大の勝因だと思います。僕自身も驚きました。これまで、夏場の鈴鹿ではハンディウェイトを積んでいたこともあってなかなかいい結果が出せないでいましたが、チームとしてもホームコースと言っていい鈴鹿で、今回ようやく結果を残すことができてとても嬉しいです」

GT300クラス公式リザルト:8月22日(土)予選
GT300クラス公式リザルト:8月23日(日)決勝

SUPER GT インフォメーション : Round 3