モータースポーツ

2020.08.09

Round 2 たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE
GT500 Class - Race Report

CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが8位入賞

開幕戦から3週間のインターバルを挟み、第2戦は再び富士スピードウェイが舞台となりました。今大会から昨年までと同様の2デイスケジュールが復活。予選からGT-R勢が熱い走りを見せました。決勝レースでは#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)が8位入賞を果たしました。

予選

2台がQ2進出。カルソニック IMPUL GT-Rが予選4位に

長梅雨がようやく明け、富士スピードウェイも暑さが予想されましたが、予選日は雲で日差しが遮られたこともあり過ごしやすい気温となりました。GT500クラスの予選は15時過ぎにスタート。#12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴)のQ1を担当する平峰はセッションが約3分半経過したところでゆっくりとコースへ向かっていきました。タイヤのウォームアップ中、計測2周目で一旦タイムを落としますが、気持ちを切り替えて1アタックに集中。計測3周目に1分27秒634をマークして2番手に着けました。その後1台が平峰のタイムを上回り、最終的に3位でQ1を突破。Q2に駒を進めました。また、#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)も松田がQ1を担当し、1分27秒971でQ2進出を決めました。開幕戦でポイントを獲得している#3 GT-Rと#24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/ヤン・マーデンボロー)は、それぞれ12位、15位が確定しました。

Q2では、#12 GT-Rの佐々木、#23 GT-Rのクインタレッリがそれぞれ速さを見せました。今回の予選に向けて、#12 GT-Rは公式練習のほとんどの時間で平峰が走行を担当。佐々木はほとんどぶっつけ本番のような状況でQ2のポールポジション争いに挑むことになりましたが、集中力を高めてアタックし、1分27秒795をマークして暫定3位に付けました。その直前、#23 GT-Rの松田が1分27秒811で暫定3位につけていましたが、これで4位に後退。松田は更にタイムを縮めるべく連続アタックをかけました。1分27秒799まで自己ベストタイムを更新しましたが、逆転にはわずか1000分の4秒届かず。セッション終了間際に、1台が佐々木のタイムを上回り、最終的に#12 GT-Rは予選4位、#23 GT-Rは5位でスタートすることになりました。

決勝

CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが2戦連続でポイント獲得

決勝日は夏の日差しがサーキットに差し込んできました。気温29℃、路面温度42℃というコンディションで、66周の決勝レースがスタート。#12 GT-Rのスタートドライバーを務めた平峰は、オープニングラップのコカコーラコーナーで前を走る#39 GR Supraをかわし3位に浮上します。しばらくは3位をキープして周回が重ねられていきましたが、#36 GR Supraがじわじわと#12 GT-Rに迫ってきました。16周目には2台の差は0.2秒にまで縮まり1コーナーでは横に並びかけられますが、平峰はこれをしのぎ、2台の接戦は数周にわたって繰り広げられました。しかし24周目にライバルの先行を許し、#12 GT-Rは4位に後退。2台は30周目に同時にピットに飛び込んできます。#12 GT-Rはメカニックたちの迅速な作業で#36 GR Supraの真後ろでコース復帰しました。

後半スティントを託された佐々木は、交換したばかりの冷えたタイヤでなんとか食らいつこうとしましたが、自分たちよりも先にタイヤ交換を済ませていた後続のマシンたちも迫ります。接近戦の中で、#12 GT-Rは5位にポジションを落としてしまいます。レースも終盤に入り、どのマシンもタイヤの消耗が進んでいる中、#12 GT-Rは時折トップのマシンと変わらぬラップタイムを刻みながら、何度も先行車に迫りました。しかし、なかなか決定的なチャンスをつかめずにファイナルラップへ。佐々木は最後までプッシュしましたが、ダンロップコーナーでGT300クラスのマシンと接触してしまい、背後につけていた#100 NSX-GTにかわされ6位でフィニッシュ。決勝レース終了後、GT300クラスと接触に関してペナルティを受け、最終結果は11位となりました。

予選12位からスタートした#3 GT-Rは、29周を終えたところで前半の平手から後半の千代へ交代。暫定13位でコースに復帰しますが、素早いピット作業のおかげで、その後全車のピット作業が終わったところで11位まで順位を上げました。千代はひとつ前を走る#23 GT-Rと接近戦の末、GT300クラスのトラフィックをすり抜ける場面を利用して37周目に逆転。さらにひとつ前を走る#38 GR Supraに近づいていきました。テールトゥノーズまで何度も迫りますが、オーバーテイクはならず。それでも粘り強く走り切り、シングルフィニッシュの8位入賞で、開幕から2戦連続でポイント獲得となりました。

予選5位の#23 GT-Rはクインタレッリがスタートドライバーを務めました。序盤はペースが上がらず苦しい展開に。一時は9位まで順位を下げてしまいます。しかし10周を過ぎるころから徐々にペースアップし追い上げにかかりました。31周を終えて松田に交代。後半スティントを任された松田は、終盤の49周目に1分30秒台半ばのベストラップを記録し、着実な走りで10位フィニッシュ。最終結果は9位入賞となりました。#24 GT-Rは後半スティントを担当したマーデンボローが#64 NSX-GTと熾烈な接近戦を展開。果敢に攻めたマーデンボローが終盤の最終コーナーでこれを攻略して、12位でフィニッシュしました。

平手晃平
「レースウィークの走り出しからクルマの調子は良かったのですが、予選のQ1でまとめ切れず、12番手スタートと出だしが遅れてしまったことが、今回の結果に影響しました。ただチームみんなで頑張ってポイントを獲れたのは良かったことだと思います。次戦は、開幕から2戦続いた富士から、サーキットが鈴鹿に変わります。鈴鹿では予選からいいポジションを狙っていけると感じているので、今シーズンまだ上がれていない表彰台を目指して頑張ります」

千代勝正
「平手選手の担当した前半スティントやピットワークがすごく良くて、順位を上げることができました。僕自身もアウトラップからプッシュして、23号車とのバトルではGT300クラスのトラフィックを使って前に出ることができました。その後もペースは良くて、38号車にも迫りましたが、なかなか突破口が開けず抜けなかったのは悔しいです。次戦の鈴鹿は個人的にも好きなコースで、GT300クラスの時も優勝することができました。GT500の初優勝を鈴鹿で飾れるように頑張ります」

田中利和監督
「予選は少しミスがありました。今回は非常に僅差の戦いだったので、コンマ1に泣くという状況でしたね。レースペースは悪くないのですが、なかなか前のクルマを抜ききることができないレースでした。いま与えられているハードウェアで一番いい順位をとるというチームの仕事を考えると、今回は足りなかったところ、精いっぱいできたところの両方があったと思います。今はできるだけポイントを獲って、チャンスが来るのを辛抱強く待ちたいと思います」

公式リザルト:8月9日(日)決勝

SUPER GT インフォメーション : Round 2