2019.10.07
ドイツツーリングカー選手権(DTM)最終戦のレース2(10月6日(日))にゲスト参戦した#35 MOTUL AUTECH GT-Rのロニー・クインタレッリは、20番手スタートから17位でフィニッシュした。
前日に行われたレース1はドライコンディションのもとで決勝が行われたが、レース2は朝からどんよりとした雲がたちこめ、公式予選前から雨が降り出した。雨量は多く、ウェットコンディションで公式予選がスタート。4日(金)の午前中に行われたフリープラクティスはウェットコンディションだったが、ここでは松田次生がドライブしていたため、クインタレッリがハンコックタイヤのレインタイヤを履いて走行するのは初。ホッケンハイムというコースとタイヤに慣れ親しんでいるDTM勢でもコースアウトする車両がある中、1分53秒875をマークした。順位は21番手と最後尾ながら、2日前のフリープラクティス時と比較すると上位勢とのタイム差は縮まり、マシンのセッティングやタイヤに対する理解度が深まっていった。
決勝レースは現地時間13:30にスタート。雨が強くなってきたことから、フォーメーションラップを2周行い、49分+1周というレースフォーマットに変更となった。予選は21位だった#35 GT-Rだが、他車がグリッド降格のペナルティを受けており、スターティンググリッドは20番手に。スタンディングスタートでは、混乱の中で前のマシンを捕まえポジションアップに成功した。直後にクラッシュやトラブルによるストップ車両が出たために赤旗が掲示されレースは中断。セーフティカー(SC)先導で1周を走行し、翌周にレース再開され、すぐさま#35 GT-Rはピットへ向かい、義務付けされたタイヤ交換を行った。
その後、クインタレッリはSUPER GT勢の最上位となる14番手まで順位を上げたが、SCラン後に行ったピット作業が義務付けされた作業としてカウントされず、12周目に再びピットインすることになった。タイヤ交換後はペースも上がらず苦しい展開となったが、コースアウトが頻発する難しいコンディションの中、最後まで走り切り、17位でチェッカーを受けた。
ロニー・クインタレッリ
「スタートしてすぐにピットに入るというのが、レース前に立てた作戦でした。後方スタートで視界も悪く、ペースを上げるのが難しかったと思うので、クリアなスペースでタイムを稼ぐという点ではこの作戦は正解だったと思います。実際、ペースも良く、何台かオーバーテイクもできました。ただ、そのタイヤ交換がカウントされなかったので、そこで流れが崩れてしまいました。次は富士スピードウェイでの交流戦ですが、その前に今シーズンの最終戦も、2020年モデルの開発テストもあります。まずはもてぎの最終戦に集中して、それが終わってから交流戦に向けていろいろと考えたいですね。できることはたくさんあると思います。今回はGT-Rは1台だけの参戦でしたが、富士では4台が揃います。みんなでいい戦いをしたいです」
鈴木豊監督
「レースウィークを通して、走るごとにクルマを進化させ、タイヤの理解も進み、よくはなってきていましたが、この短い期間内では満足のいくレベルには届きませんでした。タイヤが変わるということの影響は大きく、ハンコックタイヤをうまく使うセッティングが見つけられませんでした。今回は、ドイツのクルマの良さというか、日本とは違う視点からクルマのセットアップや開発と言った部分を感じることができて、そこに少しでも近づこうと、敢えて冒険的なことを試しましたが、充分な理解までは至りませんでした。この後に富士での交流戦もありますし、何よりも、来年からの車両は彼らとの共通部品が多くなりますから、そのためにもこういった判断をしました。今回のイベントではそれが実を結ぶまでには届きませんでしたが、将来に向けていい一歩を踏み出せたかと思います。DTMのレベルは高いので、しっかりリカバリーできるよう、今回の経験を活かして、次に向かいたいと思います」