2019.10.06
ドイツのホッケンハイムリンクで開催されるドイツツーリングカー選手権(DTM)の最終戦に、SUPER GTマシンがゲスト参戦。日産/NISMOからはNISMOチームが参戦し、#35 MOTUL AUTECH GT-RがDTM勢に挑んだ。
SUPER GTのGT500クラスとDTMは、車両規則の統一を目指し2009年から協議を続け、日産、トヨタ、ホンダの国内3メーカーは、2020年から使用するクラス1規定にのっとった新車両を9月に発表している。今回、両選手権の交流をさらに深めるために、DTM最終戦に3台のSUPER GTマシンがゲスト車両として参戦することになった。
3日(木)のSUPER GT専用の練習走行、4日(金)のフリープラクティスを経て、5日(土)のレース1には、#35 GT-Rは松田次生が参戦。現地時間10:35から20分間で公式予選が行われた。この日は明け方から時折強い雨が降り、路面はウェットコンディション。ただし、DTMの公式予選が始まる少し前から日差しが出始めたこともあって、セッションの終盤はレコードラインがやや乾く状態までコンディションが回復した。セッション開始と同時に各車がコースイン。松田もピットを後にし、5周連続で周回するとピットイン。タイヤを交換して再びアタックに向かった。松田は最終ラップで1分49秒349と、それまでの自己ベストタイムを2秒近く更新。前日までの練習走行に比べ、DTM勢とのタイム差を縮めたが、初めてのハンコックタイヤに苦戦して、21位となった。
決勝レースは、現地時間13:30にスタート。DTMマシンの1台が出走せず、#35 GT-Rは20番グリッドにつけた。しかし、フォーメーションラップを前にプロペラシャフトが破損。マシンはけん引され、ピットへと戻ってきた。メカニックが迅速に交換作業を行い、レースが25分を経過したところでピットアウト。トップから16周遅れでレースに復帰した。松田は8周目に1分33秒619のベストタイムを記録。規定周回数に満たなかったことから完走扱いとはならなかったが、最後まで走り切ってチェッカーを受けた。
松田次生
「グリッドに着いた時にはなにも兆候はなかったのですが、ニュートラルに入れて待っているときに、いつもより振動が多いのが気にはなっていました。フリープラクティスでスタート練習などもやっていたので、負荷がたまっていた可能性はあるかもしれません。非常に残念ですが、持ち込みセットから少しずつ変えていった中で、最終的にレースでは悪くないラップタイムが出せたと思います。ただ、トップのタイムはまだ遠いレベルなので、まだまだ頑張らないといけません。今日のデータを活かして、明日はロニーに頑張ってもらいたいと思っています」
鈴木豊監督
「スタート前に、プロペラシャフトが破損してしまいました。一昨日、昨日と雨の中で練習走行が行われたことも影響があったと思います。残念ではありましたが、我々を応援しに来てくれたファンの皆さんのために1周でも多く走っている姿を見せたいという思いで、メカニックがしっかりと直してくれて、後半にはレースに復帰することができました。あの時点で考えると、ガソリンの量も少ない状態で出ても良かったのですが、明日のロニーの走行に活かすためにも、敢えて重い状態で松田には走ってもらいました。事前のチェックなど、もう少しできることはあったかもしれず、松田には申し訳ないことをしましたが、明日に向けて、いいデータが獲れたので、これをしっかりと明日に活かしたいと思います」