2019.10.01
シリーズ戦はまだ最終戦が残っていて、もてぎに向けた準備も進めている最中ですが、今回の交流戦は我々にとっても久しぶりの海外メーカーとのレースで、とても楽しみにしています。すでにホッケンハイムに向かっている車両は開発車両ですが、中身は普段我々がレースで使っているものとほとんど変わらず、個体差くらいの違いしかないと考えていただいて構いません。
DTMはSUPER GTのレースと違って、時間にして約1時間、150km強というレース距離なので、我々の強みを出しづらいレースフォーマットですが、一方でクルマの速さがより勝負につながる、分かりやすいレースかとも思います。クルマの素性やドライバーのスキルが一段と速さに出るレースなので、DTMのメーカーにも、もちろん国内の他の2メーカーにも負けないように、いいレースをしたいですね。
普段であれば、2人のドライバーが同じ車に乗るので、セッティングなどもお互いの妥協点を見つけながら進めていく部分もあるのですが、今回は全く別々のレースを走ることになります。思い切って自分のクルマを作ってほしいですし、我々もドライバーたちのニーズにしっかりと合わせこんでいきたいですね。
我々にとって初めてのレースになりますが、DTMの皆さんに認められるようないいレースを目指します。なおかつ、日産を、日本を代表して選ばれて向こうに行くわけですから、それにふさわしいしっかりしたレースをしてきたいと思います。応援をよろしくお願いします。
DTMには若いドライバーからベテランまでいると思いますが、いつもと違ったドライバーたちと戦えるというのは楽しみですね。また、向こうのクルマは今年からエンジンが変わりましたが、それがどういうレベルにあるのか。まだ実際に一緒に走らせたことはないですから、そういう部分を見ることも僕たちにとってはプラスになるのかなと思っています。
日本ではタイヤコンペティションがあって、高いグリップを持ったタイヤで走っていますが、向こうはワンメイク。SUPER GTで使用されているものと比べるとグリップの低いタイヤで走っています。その違いは大きいでしょうね。タイヤの使い方を間違えると、最後まで持たない可能性もあるので、どうアジャストしていくかが重要です。
DRSやプッシュトゥパスなど、SUPER GTマシンにはない部分もいろいろありますし、フォーマットも全然違います。一番大きな違いはスタンディングスタート。SUPER GTマシンはローリングスタートに合うように作っているので、多少の心配はありますが、とにかくいろんなことを勉強できるいい機会だと思っています。
向こうのシリーズ最終戦で、なかなか勝つとは断言できませんが、自分たちにプラスになるいい経験を積めればと思います。11月には富士スピードウェイに彼らを招いての交流戦が開催されます。今度は迎え撃つ側になるので、そこでうまく合わせるためにも、いいレースをしたいですね。
僕は2年前のデモランにも参加しましたが、その時のことは良く覚えています。とても暖かく迎えてもらいました。新しいエンジンに彼らはとても興味を持っていましたし、すごく注目されました。レース前のドライバーパレードに、レクサスのヘイキ・コバライネン選手と参加しましたが、たくさんのファンが集まっていました。今回の交流戦もとても楽しみにしています。
木曜日に、SUPER GTマシン3台だけの練習走行があるので、すごく注目されるでしょう。僕自身も、2年前はデモランであまりプレッシャーはありませんでしたが、今回はレース。いい戦いを見せたいです。走行時間が短い中で、今まで使ったことのないタイヤに、どこまでクルマのセットアップを合わせこめるかが一番大事なポイントです。
本当に初めて一緒に走るので、どんな展開になるかは全く読めませんが、希望としてはやっぱり前の方で走りたいですね。僕は2002年に日本に来て、そこからずっと日本でレースをしてきました。長い間日産とNISMOチームで、日本のモータースポーツを戦ってきましたが、そのチームの一員としてヨーロッパでレースができることが、本当にうれしいです。ヨーロッパにいるみんなに、「日本のSUPER GTというのはとてもレベルの高いカテゴリーだ」と話をしているので、それを証明したいです。
それに、ドイツはイタリアから比較的近く、地元のファンや家族が実際に僕のレースを見に来てくれることになりました。だいぶ前から準備をして、楽しみにしてくれています。いつも僕のレースをストリーミングで見てくれていますが、やっと実際に見てもらえるので、それも嬉しいですね。僕にとって特別なレースになります。日本からも、ぜひたくさん応援してもらえたらと思います。