モータースポーツ

2019.11.07

Round 8 MOTEGI GT 250km RACE

日産系チーム総監督 松村基宏のレースレビュー

2019シーズン、応援ありがとうございました

2019年のSUPER GTシーズン戦がすべて終了しました。最後までたくさんの応援をありがとうございました。

予選で潰えた、タイトル奪還の目標 

最終戦もてぎ大会を前に、GT500クラスでは23号車がわずかながらタイトル獲得の権利を残していましたが、このもてぎでポールtoウィンを飾るしかないことをドライバーもチームもよく理解していました。予選では、ドライバーたちがマシン性能のベストを引き出してくれたと考えています。ロニーのアタックの後にレクサスの36号車と6号車がタイムをわずかに上回り、残念ながら3位となりました。

3号車はトラフィックに引っかかってしまい、24号車はセッティングが合わずタイムを引き出すことができませんでした。12号車は、予選前の点検でエンジン部品に異常が見つかり、交換という判断をしました。予選に出走することができず、期待してくださっていたファンの皆様には大変申し訳なく思っています。そしてそれだけでなく、本戦でも新しいエンジンに異常をきたすことになってしまい、何が原因だったのか、現在調査を進めているところです。

決勝日は、レース前のウォームアップ走行で、3号車にオイル漏れが発生しました。原因はオイルシールからの漏れで、車載状態で交換できる部品ではないため、DNS(不出走)という形になりました。これは通常ないトラブルなのですが、部品不良等が考えられ、しっかり対策管理を考えなければならないと思っています。

そして決勝レースでは、予選3番手から23号車が優勝を目指し、最初のうちはペースよく走れていたのですが、途中からはタイヤのピックアップに悩まされました。マシンにパワーが足りなかったことで、GT300クラスに引っかかってしまった時にスムーズに前に出られなかったためと感じています。レース中 容易に追い越しができるように改善していかなければいけません。

新型マシンに向けて

今回、2台にエンジンの問題が発生しました。距離管理の面では、充分5戦使える耐久性確認は済んでいましたが、実際のレースでの余裕の確保の面で課題が残りました。信頼性確認の方法を見直し、2020年仕様のマシンについてはこの部分をしっかりと対策していきたいと思います。

GT300クラスは、シーズン3勝目

GT300クラスでは、23号車同様に56号車がポールtoウィンの達成がシリーズチャンピオン獲得の条件でした。予選では二人のドライバーが期待通りのタイムを出してきましたが、マクラーレンがGT300クラスとしては非常に速いタイムを出し、2番手となりました。決勝レースでも、トップを奪って優勝のチャンスはありましたが、途中で電気系トラブルが起き、最終的に6位となりました。一方、トップの65号車を追いかけていた11号車が、ダンロップタイヤの改良が効果を見せ、最後に劇的な逆転で優勝を飾りました。

GT300クラスには6台のGT-Rがエントリーしましたが、Q1を突破する台数が多くなりました。クルマの信頼性は良くなってきたのではと思いますが、激しい競争なので、シリーズを勝ちとるのは難しいと感じます。GT300もタイヤの競争が激しくなる中、ダンロップタイヤの11号車が優勝したのは嬉しいことです。

総監督就任1年目のシーズンは、改善された点もありますが反省点も多いです。組織体制を変え、また、クルマのバランスを見直して取り組んだシーズンで、23号車のポールポジション含め表彰台の獲得回数は増えましたし、3号車の優勝という嬉しい出来事もありました。しかしながら、チャンピオンの奪還という目標は達成できませんでした。期待してくださったファンの皆さんに大変申し訳なく思います。来シーズンに向けた戦いはすでに始まっていますが、残った課題を克服し、さらに強いマシン、強い組織にして2020年に臨めるよう頑張って参りますので、今後とも応援をよろしくお願いいたします。
今シーズン、最後までたくさんのご声援、ありがとうございました。

 
SUPER GT インフォメーション : Round 8