モータースポーツ

2019.09.12

Round 6 AUTOPOLIS GT 300km RACE

日産系チーム総監督 松村基宏のレースレビュー

雨とセーフティカーに左右されたオートポリス戦

初めてシリーズ最大ウェイトで戦うことになったオートポリス戦は、レース中の天候もそうですが、いろいろなことが起きた週末となりました。23号車は予選10番手でしたが、ハンディウェイトによる重いなりの結果で、リストリクターによる出力制限が影響した速さとなりました。しかし、天候の読みや日産系チーム間の連携については更なる改善の必要性が明らかとなったレースでした。

急遽のドライバー交代

まずは、12号車のドライバー交代について振り返ります。予選日にロシター選手が耳の不調を訴えたため、予選後に地元の病院で診てもらったところ、きちんと調べてもらった方がよいとのことで、東京に帰すことにしました。無理をさせて悪化してしまうと大変ですし、SUGO大会も2週間後に迫っている。ペナルティを受けることも分かっていましたが、ロシター選手に大事を取り次戦までに確実に復帰してもらいたいと考えました。ロシター選手の一刻も早い復帰を願っています。

そしてロシター選手の代わりに、千代選手が急遽12号車に乗ることになりました。直前でのドライバー交代で、しかもブリヂストンタイヤを履くのも12号車に乗るのも初めてという状況であったため、その条件下でよくやってくれたと思います。予選の時に不調だったマシンも、予選後のセットアップ変更である程度調子を戻し、12号車も完走することができました。

12号車は最初のピット作業の際に、隣のピットにいたGT300のマシンがトラブルでピット作業に時間がかかっていたため、一度マシンをバックさせてからピットアウトしなければなりませんでした。そのため、コースに戻るまでにほんの少し余分に時間がかかってしまい、24号車の前に復帰できませんでした。結果的にラップダウンとなってしまったのですが、その後セーフティカー(SC)が入ったためにSC中に遅れを取り戻すことができず、結果につなげることがかなわず、残念でした。

過去の分析から、どんな戦略を採るのか

今回のレースではピットインのタイミングが大きな影響を与えました。過去のレースを分析すると、オートポリスではSCが一度入るとリスタートまでに結構時間がかかり、例えば去年のレースでは早いタイミングでピットに入ったチームではなく、ピットインのタイミングを引っ張ったチームが優勝しています。しかしながら天候の変化も関係し、タイヤ選択のためにタイミングを見据える方法をとりましたが、それが裏目に出てしまいSC導入をうまく順位を上げるように活用できませんでした。

24号車は予選も3番手につけ、決勝でもペースは悪くありませんでした。特に第1スティントを担当したマーデンボロー選手は、きちんと後続を抑え、さらに8号車を抜いて順位も上げていましたので、ピットインのタイミングのためにSC導入をうまく活用しレースを運べなかったのが残念でした。23号車と3号車に関しては、タイヤ選択とピットインのタイミングが重なり、2台の作戦が同じようになってしまいました。今回、雨の降り方や路面の乾き具合でコンディションがどんどんと変わっていく中で、天候は誰にもコントロールはできませんが、その天候と路面の変化を予測し、それに合わせた作戦を、4チームが連携良く展開できなかったことを反省し改善してまいります。

56号車は粘り強くポイントを獲得

GT300クラスに関しては、NISSAN GT-R NISMO GT3はオートポリスをあまり得意としていないのですが、56号車が予選9位から8位に順位を上げてフィニッシュしました。ポイントランキングでは4位に下がってしまいましたが、トップとはまだ6.5ポイント差と近く、まだまだチャンスはあると考えていますので、シリーズ優勝をかけて、引き続き勝ちにこだわり、攻めてまいりたいと思います。

次戦、SUGO大会がすぐ迫っています。展開の読めないレースになることが多いサーキットですが、そんな中でもそれぞれが力を出し切り、GT-Rの勝利に向けて頑張っていきますので、引き続き応援をよろしくお願いします。

 
SUPER GT インフォメーション : Round 6