モータースポーツ

2019.08.08

Round 5 FUJI GT 500mile RACE

日産系チーム総監督 松村基宏のレースレビュー

シリーズ最長戦、応援ありがとうございました。

シリーズの中で一番長い、500マイル(800㎞)のレースが終了しました。たくさんの応援ありがとうございました。今年も天候に恵まれ、非常に暑い中での戦いになりました。実は、平均を取ってみると各社とも予選も決勝もわずかにタイムが下がっていました。路面温度も含めコンディション的には昨年よりも少し暑さが厳しかったようです。

ミシュランタイヤ×GT-Rの組み合わせが速さを見せた

予選では、23号車と3号車のミシュランタイヤ勢が速さを見せて1-2位を独占しました。ミシュランタイヤは、夏場の富士というコースにとても合っていました。特に、セクター3はGT-Rというクルマの特性とも組み合わさって、速いです。もちろん、24号車のヨコハマタイヤも12号車のブリヂストンタイヤも良かったのですが、それぞれ得意にしている部分とそうでない部分は違いますので多少差が出ました。23号車だけでなく3号車も速かったことを考えると、今回はミシュランタイヤ×GT-Rという組み合わせが良かったということだと思います。3号車に関しては、だんだん仕上がってきたというか、全体的に性能が良くなってきましたね。平手選手もポールポジションを獲るつもりでいたようで、非常に悔しそうでした。

全車のレベルアップを実感

決勝レースについても、ペースは決して悪くありませんでした。ファステストラップは3号車、その次に速かったのは23号車でしたし、12号車も決勝に向けて調整をしたので、だいぶ挽回をしてました。24号車は、同じヨコハマタイヤを履くレクサスの19号車の作戦が違っていたので簡単に比較はできませんが、クルマの差はほとんどないのではないか、と考えています。去年は23号車だけが良い結果を残し、他の3台が苦戦していたのと比べると、今年はすべてのクルマが戦えるように変わってきています。まだ結果には結びついていませんが、少しずついいレースが出来るようになってきました。これを1戦でも早く結果につなげたいと思います。

23号車は、2度目のセーフティカーが出るまではポールポジションから逃げ切るという勝ちパターンでレースを進めていましたが、セーフティカーが入るとなったところで、レクサスの6号車がピットに入る作戦が奏功し、勝負はほぼ決まってしまいました。その後、前に出られた1号車とのバトルにもなりましたが、500マイルレースの終盤になってくるとタイヤかすも多く、少しでもクリーンなラインを外すとタイヤかすを拾ってしまうので容易には抜けず、難しい戦いの結果、3位になってしまいました。コース状況や天候など、条件は皆同じ中でどう戦っていくのか。途中までは非常にいい展開で進んでいただけに、残念な結果となりました。3号車も同様で、まだ原因については調査中ですが、ブレーキトラブルの修復に時間がかかってしまい、順位を下げることになりました。

GT300クラスでも速さを証明

GT300クラスも、いろいろなことがありました。予選は非常に素晴らしかったですね。マザーシャシーが1-2位を独占しましたが、GT-RはGT3勢で最上位の3番手。カスタマーチームの360号車の青木選手と柴田選手が頑張ってくれました。また10号車、33号車、56号車もそれぞれ予選で上位につけて、GT-Rの速さを見せてくれました。決勝は、56号車の7位が最上位と厳しい結果であり、うまくいかなかったところは分析しなければいけません。

約5時間という長丁場の戦いでしたが、レースとしては見所がたくさんあったと思います。しかし、応援していただいた日産勢の優勝をお届けできず、申し訳ない思いです。GT500はそれぞれのマシンが力を上げてきています。残り3戦で、GT-Rが勝利する姿をお届けし、最終戦ではシリーズチャンピオンをかけて戦えるよう頑張っていきますので、引き続き応援をよろしくお願いいたします。

 
SUPER GT インフォメーション : Round 5