モータースポーツ

2019.05.30

Round 3 SUZUKA GT 300km RACE

日産系チーム総監督 松村基宏のレースレビュー

進化を確認するも、想定外の展開に

開幕戦の岡山、第2戦富士と、2戦連続で2位を獲得し、この鈴鹿に向けてもたくさんの方が期待をしてくださっていたと思います。その期待に沿う結果をお届けできず、申し訳ありませんでした。

昨年からの進化が確認できた予選

鈴鹿サーキットというのは、他のサーキットと比べて路面は非常にいいのですが、コーナーが連続するレイアウトであるため、ダウンフォースの感度が高いコースです。GT-Rは富士を得意としているわけですが、そことは違ってGT-Rの良さを活かしにくいサーキットとも言えます。そんな中で、去年は予選でホンダ勢に大きな差を付けられていたところを、今年はマシンの進化とチームやドライバーの力で随分縮めることが出来ました。ポールポジションを獲ったレクサス勢は、さらに進化したわけですが。

決勝結果はご存知の通り、23号車がリタイア。まだ詳しい原因を分析中ですが、130Rという高速コーナーを高速で走っていたところで突然タイヤに異変が起きてしまいました。グラベルではなかなかスピードは落ちず、クラッシュバリアにヒットしてしまったのですが、ロニー選手に大きなけががなかったことは幸いでした。

ペナルティで想定外の結果に

残る3台はポイント圏内でフィニッシュはしたものの、ペナルティなどで本来想定していた位置でゴールできませんでした。もちろん、誰も故意にミスをしたわけでも違反をしたわけでもありませんが、例えばGT300クラスの追い抜き処理の仕方などは、どれだけの混乱した状況を経験したかの差が出ます。また今シーズンは23号車以外のチームは体制が大きく変わっており、ドライバー、エンジニア、チーム全体のコミュニケーション力という部分で、長く同じ体制を敷いている23号車と比べると多少違いが出たのだと思っています。GTは、クルマが速いだけでも、ドライバーが上手いだけでも勝てない、非常に難しい戦いですのでまずはペナルティなどを受けずに走りきれるよう、チームと共に課題について改善していくことにしています。

鈴鹿は季節外れの暑いレースとなりましたが、次戦タイからは本当の「夏の勝負」。我々ニスモもそれぞれのチームも、タイ、そして富士500マイルと夏のレースに向けた準備を進めています。特に富士はGT-Rが得意としている、そして必ず獲らなければいけない1戦だと考えています。ここから先も全力で戦っていきますので、ぜひ応援をよろしくお願いします。

 
SUPER GT インフォメーション : Round 3