モータースポーツ

2018.05.09

Round 2 FUJI GT 500km RACE

日産系チーム総監督 田中利和のレースレビュー

GT500で優勝、GT300も結果を出してくれました。

今シーズンの第2戦で、GT500で1勝目を挙げることができました!
早い段階で結果が出せたことは、まず素直に嬉しいですね。23号車は前戦岡山大会ではスタートでのペナルティが影響して5位となりましたが、あまり得意としていない岡山で、クルマのパフォーマンスを感じることができていました。ただ、やはり年間2戦ある富士を念頭にクルマを開発してきていましたから、この富士でパフォーマンスを出せるかというのが、今シーズンにとって非常に重要なカギになると考えていました。そういう意味で、23号車がきちんとパフォーマンスを発揮して勝てたというのは、今シーズンを考えても非常に大きな収穫でした。

事前の予測通り、今年は本当に僅差の戦いが続いています。予選でも、結果的には全車がほぼ1秒の差のなかにひしめき合っていました。しかも今回の予選はタイヤ選定も含めて非常に変則的で、まさにぶっつけ本番。その中で全車がこれだけの差の中に入るというのが、今シーズンの熾烈さを物語っていますね。日産勢としては、23号車が予選3位。通常とは異なる状況下でもきちんと結果を出してくるというチームの強さが発揮されました。3号車は7位。12号車は8位でしたが、残念ながらペナルティをとられてベストタイムを抹消。最終的には13位となり、24号車はJPがアタックしましたが、トラフィックなどの影響で下位に沈むことになりました。

チーム全員で勝ち取った優勝

決勝日は前日と打って変わって終始ドライ。陽射しもありましたし、レーススタート時の気温も路面温度も想定の状態になってきたこともあって、23号車はウォームアップの良さを活かして早めにトップに出ることができました。しかし、やはり僅差の戦いですから、39号車と順位を入れ替えながらの戦いになっていきました。ただ、相手に前に出られても離されず、きちんと自分たちのペースで走っていましたね。目の前の戦いに集中するあまり、タイヤの摩耗や燃費などを必要以上に競ってしまうと、最後までペースを保てない。ドライバーもクルーも非常に冷静に、終始自分たちのレースをしていました。次生も彼らしいメリハリをつけた良い走りで後ろとのペースもコントロールし、良くしのいでいたましたね。
そして、23号車の強みであるピットワークで最後の逆転。終盤は、ロニーの走りが素晴らしかったです。一時3~4秒まで縮まった差を、最後は10秒近くまで突き放し、23号車らしい、良い勝ちっぷりを見せてくれました。

12号車の上位入賞も大きな収穫

富士戦でのもう一つの大きな収穫は、12号車の6位入賞です。岡山戦ではきちんとレースができず、今回も予選で8位タイムを出しながら、4輪脱輪でタイム抹消となり、13位からのスタートになりました。今シーズンの12号車は新しい体制になり、シーズンオフにはタイムもきちんと出していましたから、今年は12号車もいい戦いをしてくれるだろうと思っていたのですが、開幕してからはなかなかうまく行かない状態が続いていました。しかし決勝では、とにかくチームと2人のドライバーがよく走りました。ラップタイムは上位集団と遜色ない、非常にいいペースでしたし、結果的には6位ですが、4位から6位の3台は非常に接近していましたから、13位スタートから表彰台のすぐ後ろまで追い上げたことになります。6位入賞でポイントを獲得し、チームが“きちんと戦える”と確認できたというのは、今後12号車がレースをしていくうえで大きなことですし、次戦以降が楽しみになりました。

嬉しさと悔しさの混じる新型GT3の表彰台

GT300クラスでも、2018年型のNISSAN GT-R NISMO GT3が早くも2戦目で表彰台を獲得してくれました。今年はGT300も僅差の戦いになっていますが、そのなかで11号車が予選8位、10号車が予選10位を獲得。レースのラップタイムには2台ともに自信も持っていたので2台揃っての表彰台獲得を狙っていました。ところが、スタートして1周で11号車が他車に押し出され、27位まで下がってしまいました。これで皆が一度は諦めかけましたが、ドライバーとチームは、1台ずつ確実にポジションを上げて行きました。ラップタイムも想定どおりトップ争いが十分できるペースで、非常に良かったですね。結果、表彰台まで戻した。チームと2人のドライバーが良い走りをファンの皆さんに見せてくれました。新型GT3のポテンシャルを示してくれて、本当に良かった。一方の10号車は、残念ながらピットワークで後れを取ってしまいました。ラップタイム的には良かったので、今後に期待です。

岡山戦の振り返りで、「富士戦は久しぶりに両クラス制覇を目指す」と言いました。それを逃したのは正直残念ですが、それに近い結果が出せたことは良かったと思います。次戦も皆さんにいいレースをお見せできるように、両クラスとも引き続きしっかり取り組んでいきます。

SUPER GT インフォメーション : Round 2