2017.11.17
今シーズン最終戦で、GT-Rが優勝することができました。まずは、最後まで応援してくれた皆さんに感謝申し上げます。ありがとうございました。
タイでのレースが終わった時点で、GT-R勢では23号車だけがシリーズタイトル争いの権利を持っていましたから、なんとかこの最終戦で23号車がチャンピオンになるんだという気持ちでもてぎに入りました。事前のクルマの準備については、開発陣がとても頑張ってくれて、いま我々が持っているもの、できることを最大限に入れられたと思っています。23号車はシンプルにポールtoウィンを狙い、タイトルの行方は相手次第。4台全てが今シーズン一番のレースをすれば、23号車のサポートにもなるわけですから、それを目指して戦いました。
モチベーションを高めてくれた、予選での走り
予選では、23号車は見事に有言実行を果たしましたね。2位に0.9秒差なんて、僕自身もちょっと記憶にないぐらいの大差です。あのタイムは、我々が予測していたタイムを上回っていました。ロニーは第2戦の富士でも同じように驚くべきタイムを出してきました。本人もあのタイムを出したあとは、ものすごく感情を爆発させていましたね。ドライバーもチームも、ここに対する思いがとても強かったのでそういうふうに感情が出たのだと思います。実は、松田が走ったQ1から、それほどクルマのフィーリングは良くなかったのですが、そこは松田の真骨頂で、うまく力を引き出して2番手のタイムを出してくれました。Q1では、46号車もトップタイムを出しましたが、ここも持ち込みではフィーリングがあまりよくなかったところから、セットを変更してQ1に挑むことになりました。そういうなかで千代がしっかりトップタイムを出した。Q1でGT-Rが1-2をとったことで、「今週末は行けるぞ!」という気持ちになりました。
昨年のもてぎでは、レクサス勢に上位を独占されて終わってしまったので、「GT-Rはもてぎが苦手」と下馬評でも書かれましたが、我々はドライバーもチームも、開発も皆負けず嫌いなのです。絶対にやり返してやるんだと、去年のあの日からずっと準備を進めてきました。それを考えても、Q2に3台のGT-Rを送り込めたというのは、本当に自信になりました。
23号車の戦いを振り返ると、まずはポールポジションを獲って、ポイントリーダーとの差を7点に詰めました。一歩一歩階段を上っていくような感じでしたね。決勝も23号車らしい戦い方でした。スタート直前にはタイヤを温める作業をしている中で2番手のクルマとタイミングが重なってしまい接触というアクシデントがありましたが、煙も見えていましたし、あの時には正直「レースは終わった」と思ってしまいました。タイヤに当たっていたパーツが飛んでくれて大事には至りませんでしたが、煙が消えて、大丈夫そうだとわかった時には本当にホッとしましたね。運も味方をしてくれたのだと思います。
今年の苦しさを来年への強さに変える
今シーズンは、岡山での予選Q1全車敗退という開幕戦から始まり、非常に厳しいスタートを切ることになりましたが、1戦1戦その時に手に入れられる最高の結果を出し続けてきた23号車が最後までチャンピオン争いに残り、全車がウェイトハンディ0になる最終戦で、ライバルに対して予選からきちんと勝負をし、決勝でも優勝できました。
最終戦が終わった翌日は、もう次のシーズンのスタートです。来年は最初から全車でトップ争いをして、チャンピオンを必ず獲り返したい。そのためには、全てのチームがチーム力を高めていくことが必要です。日産陣営として、いいものは共有しながら一緒に成長していけるようにしたいです。
良い時には、何かを変えることは難しいですし、そういう時には「なりに」結果が出てしまうもの。でも厳しい時というのは、簡単には成績は出ません。厳しい時こそ鍛えられるし成長できます。今年苦しんだ分、来年はもっと強い日産チームを見せられるように頑張ります。
GT300も、GT500同様に今年は辛いシーズンでした。ライバル勢が競争力を高めた新型マシンを投入し、厳しいレースが続きました。BoP的にも苦しかったと感じています。そのなかで、チームとドライバーは全力を尽くしてくれました。日産陣営としては、またチャンピオン争いができるようにエボルーションモデルを開発していますので、こちらに期待をして欲しいと思います。
両クラスともに厳しいシーズンになりましたが、最後まで温かい応援をありがとうございました。来年のチャンピオン争いに向けての準備は順調に進んでいるので、ぜひ期待していただきたいと思います。それでは、11月26日にNISMO FESTIVALでお会いしましょう。