モータースポーツ

2017.10.07

Round 7 Chang SUPER GT RACE

GT500クラス 公式予選

ランキングトップのMOTUL AUTECH GT-R、予選は11位に

SUPER GT第7戦「Chang SUPER GT RACE」がタイ・ブリラムのチャーン・インターナショナル・サーキットで開催。現在ポイントランキングトップの#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は一番厳しいハンディを背負っての戦いとなり、予選では11位となった。

タイでは、昨年10月に亡くなったプミポン前国王の葬儀が今月末に行われることもあり、チャーン・インターナショナル・サーキットはこれまでのレースとは異なる雰囲気に包まれた。普段は「ニッポンを元気に!」というメッセージロゴが貼られているフロントウィンドウ部分には、タイ語の追悼のメッセージが表示され、午前中の公式練習前には1分間の黙禱が捧げられた。

この日は朝のオープンピット(公開車検)の頃に突然のスコールに襲われたが、公式練習が始まる前には雨も上がり、晴れ間も見えるようになった。セッション開始のタイミングで気温28℃、湿度が70%もある非常に蒸し暑いコンディションで、走りはじめはフルウェットの状態だった路面も一気に回復。#23 GT-Rは順調に走行を重ね、トップタイムから約0.6秒差の10番手となった。

お昼に再びスコールが襲い、公式予選のコース上はまたウェットコンディションへと戻ってしまった。GT500セッションの前にGT300のQ1が行われたことで、コース上は一部ラインが見えるほどに回復したが、スリックタイヤでタイムが出せるかどうか、非常に難しいコンディションでGT500クラスのQ1がスタートした。

Q1担当の松田はウェットタイヤを装着し、セッション開始と同時にコースイン。まずは計測2周目に1分32秒411をマークして暫定5番手につけた。3周目にはピットに戻りタイヤを履き替えると、6周目に1分31秒419に自己ベストタイムを更新。ここでQ2進出圏内となる暫定7番手につけたが、それ以上のタイム更新は叶わず、8周目にピットへと戻ってきた。セッション終盤には他車が松田のタイムを上回り、#23 GT-Rは最終的に予選11位となった。

#23 ドライバー 松田次生

「今日の予選はコンディションが悪かったですね。セクター2~3は乾いていたのですが、1コーナーでは川ができていました。1コーナーはスリックだとリスクが高いのですが、乾いた部分ではレインタイヤではやや厳しかったです。最後はタイヤがムービングしてしまって、タイムを上げることができませんでした。とても残念です。燃料リストリクターの影響でストレートは少しつらいですが、コーナーは速いですし、ドライタイヤでのフィーリングは悪くないので、明日はいつものように追い上げるレースができると思います。ポイントを稼いで最終戦につなげたいですね」

#23 ドライバー ロニー・クインタレッリ

「予選はQ2進出できなかったので残念でしたが、11位というのはとても悪い位置というわけではない。最近はこのあたりの位置から追い上げのレースをたくさんしているので、明日も良いレースができると思います。午前中のフリー走行はドライで走れて、タイヤもクルマもフィーリングがとてもよかったので、バランスよく仕上がっています。できればドライでレースしたいですが、しっかり準備して、皆で力を合わせて頑張りたいと思います」

ニスモ 鈴木豊監督

「GT500のQ1の前に、(直前のGT300予選で走行した)高星選手に話を聞きましたが、まだまだドライでは難しいというコメントでした。実際次生が走った時も、1コーナーでは川が流れていましたし、厳しい予選になりました。しかし、ドライコンディションでは、クルマのバランスについてもドライバーからはいいコメントが出ています。ここでの雨は、レースを続けられる量ではありませんから、レインタイヤで長時間戦うようなことにはならないでしょう。そういった意味では我々にもチャンスが巡ってくると思います。今年はこういう位置からスタートするレースを何度も経験し、その結果今のポジションがあります。明日も最後まで粘り強く、あきらめないでいけば、またいい結果が出せるのではと考えています。明日も応援をよろしくお願いします」

GT300クラス 公式予選

B-MAX NDDP GT-Rは難しい路面で予選6位

チャーン・インターナショナル・サーキットで行われるSUPER GT第7戦に、#3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/高星明誠)は、14kgのウェイトを搭載して挑む。予選ではハーフウェット路面の難しいコンディションのなか、星野がスリックタイヤで果敢にアタックし6位につけた。

例年気温30℃を超えるタイラウンドだが、今年は天候不順で予選日は未明から雨となり、気温は若干低め。朝9時ごろにはスコールに見舞われたため、公式練習は10分遅れの10時10分からスタートした。天候が急激に回復してコースはすぐに乾き、#3 GT-Rは4位とまずまずの位置につけた。#3 GT-Rとこのコースは相性が良く、過去3回の大会では2勝を挙げ、昨年も2位表彰台を獲得しており、予選での躍進に期待がかかった。

午後に入ると再び激しいスコールがコースを襲い、路面はウェットコンディションで、ところどころにウェットパッチが残る状態だった。午後3時、気温28℃、路面温度30℃というコンディションで公式予選Q1がスタート。高星がレインタイヤでコースインすると1分41秒495のトップタイムをマークしたが、これを更新する車両があり5位に順位を落とした中盤にピットイン。ここで新たなレインタイヤに交換して再びコースインした。そして高星は1分40秒655にタイムアップして7位につけ、上位14台が出走できるQ2への進出を決めた。

3時45分に公式予選Q2がスタート。コースの一部にウェットパッチが残るコンディションでほとんどの車両がレインタイヤを履くなか、星野はスリックタイヤでコースインした。星野はタイヤを温めながら周回し、セッション終了3分前に1分40秒276をマークして6位につけた。そしてさらにセッション終了間際の周回で、他の車両に引っかかりながらも1分39秒630へ自己ベストを更新。順位は6位から変わらなかったが、表彰台を狙える好位置につけた。

#3 ドライバー 高星明誠

「コースはまだ濡れていて、レインタイヤでどうなるかと思いましたが、トラフィックに引っかかりながらも何とかQ2に残ることができました。一度ピットインしてもう1セットのレインタイヤに交換したのは予定どおりです。決勝は雨だとちょっと厳しいと思うので、ぜひ晴れて欲しいです」

#3 ドライバー 星野一樹

「コースコンディションはスリックタイヤでは難しいかとも思いましたが、スリックタイヤを選択した判断は間違っていませんでした。最後のアタックでは2位かポールを取れると思ったのですが、レインタイヤでアタックしている他の車両に引っかかってしまいました。正直6位は悔しいですが、ここでは毎年表彰台に乗っているし、明日も表彰台を狙っています。できれば勝ちたいです」

NDDP RACING 長谷見昌弘監督

「あの路面コンディションでは、ドライ(スリック)タイヤで行くしかなかったですね。決勝は天気の回復に期待して、好成績を狙いたいと思います」

SUPER GT インフォメーション : Round 7