モータースポーツ

2016.11.13

Round 3 & Round 8 MOTEGI GT GRAND FINAL

GT500クラス 第8戦

#1 MOTUL AUTECH GT-R、最終戦で7位入賞しランキング3位に

2016年のSUPER GT最終戦(第8戦)が11月13日に行われ、#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は予選9位から7位までポジションを上げてゴール。シリーズランキングは3位となった。

朝から晴天に恵まれたもてぎ。午前9時5分から行われた公式予選にはロニー・クインタレッリが出走した。セッションが開始すると、まずはマシンチェックのためにいったんコースイン。すぐに戻ってくると、残り時間が9分になるころまでピットに待機し、タイミングを計って再びコースへと出ていった。

計測2周目で1分38秒111と、これまで自身が持っていたコースレコードタイムを上回り暫定トップに立ち、翌周には1分37秒738、さらに連続アタックで1分37秒635までタイムを縮めた。しかし、他車のタイムも速く、#1 GT-Rは予選9位となった。

前日よりも気温と路面温度が高く、暖かな陽気のなかで今シーズンの最終レースがスタートした。スタートドライバーを務めるクインタレッリは、序盤は予選順位をキープしながら周回を進めていった。6周目に、前方のバトルで他車がコースアウトしたことから1つポジションアップすると、ここからはチャンピオンを争う#38 レクサス RC Fとのバトルが始まった。周りのマシンが比較的早い段階でのピット戦略を選択したため、両者は揃ってポジションを上げながら、1秒を切るか切らないか、という接近戦を数周にわたり続けていく。25周目に#38 RC Fが先にピットに戻ったため、#1 GT-Rは暫定トップに立つと、30周目にピットイン。給油とドライバー交代だけを行い、タイヤ無交換で7位でコースに復帰した。

後半スティントを務めた松田はユーズドタイヤで苦しい状況のなか、タイヤ交換を選択した他車の追い上げをブロック。ポジションをキープしてチェッカーを受けた。これによりランキングで4ポイントを加算した#1 GT-Rは、シリーズ3位となった。

#1 ドライバー 松田次生

「3連覇を逃したのは悔しいですが、やれることはやったので達成感はあります。自動車メーカーが知恵を絞って参戦しているこのシリーズは、すんなり3連覇できるほど甘くはないです。でも3連覇に最も近いところまで来られたことは、僕のキャリアにとってもいい経験になりました。(タイヤ無交換の後半を)最後まで諦めずにプッシュできたし、タイヤグリップは正直厳しかったですが、少しずつ乗り方をアジャストしながら走りました。また、これを教訓に、しっかり準備をして新しいシーズンに備えたいと思います」

#1 ドライバー ロニー・クインタレッリ

「予選では自分たちのベストを尽くせましたし、昨日に比べてマシンのコンディション、タイヤのフィーリングも良かったのですが、この週末はとても悔しいです。私たちとしては持っている材料でやりきったので、今回のレースついて後悔はないのですが、ライバルに対して二日間とも負けていました。去年はここで逆転チャンピオンとなったので、今日は敗けたチームの悔しさがよくわかりました。シーズン途中でポイントをとりこぼしたレースがあったのが残念です。特にタイで大きなポイントが取れていたら違う展開になったかもしれません。ずっとポイントリーダーでここまできたので、最後のもてぎで負けてしまったのは本当に悔しいです。しかし、それがSUPER GTのすごいところでもあると思います。世界に誇れるレベルの高い選手権だと思います」

ニスモ 鈴木豊監督

「完敗です。今日は予選結果が9位だったので、挽回するためにタイヤ無交換にしましたが、予選でもう少し前に行けていれば展開は違っていたかもしれません。一年間応援していただいたファンの皆様には、大変申し訳ないと思っています。ただ、チームもドライバーも本当に一生懸命やった結果で、我々の力不足でした。もう一度しっかり整理して、来年またチャンピオンを取り戻せるよう取り組みたいと思います」

GT300クラス 第8戦

終盤まで手に汗握るバトルを展開、#3 B-MAX NDDP GT-Rは6位入賞でランキング4位に

予選14位から、しぶとい走りとピットワークでポジションアップに成功した#3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ヤン・マーデンボロー)は、6位入賞でシーズン最終戦を終え、シリーズランキングは4位となった。

午前8時40分から行われた公式予選には、ヤン・マーデンボローが出場した。ほぼ全車がセッション開始と同時にコースへ飛び出していく一方で、マーデンボローはピットで待機。残り時間が12分になったあたりでコースへと出ていった。コースインラップからタイヤのウォームアップラップを重ね、計測3周目に1分48秒001をマークし暫定9番手となるが、他車がマーデンボローのタイムを更新し順位は後退。マーデンボローはさらに1分47秒753まで自己ベストタイムを更新するが、最終的には14位となった。

決勝レースのスタートドライバーは星野。序盤は集団の中で思うようにペースが上げられずポジションキープにとどまったが、7周目に13番手、8周目に12番手、11周目には11番手へと、じわじわと順位を上げていった。

17周目にピットへ戻ると、リヤタイヤ2本を交換し、マーデンボローにドライバー交代。コースに復帰した時点の暫定順位は20番手だったが、他車のピットインにより次々と順位が繰り上がり、レースも折り返し地点を迎えた26周目には、目の前でピットアウトしてきた#4メルセデスAMG GT3を5コーナーで交わして10番手に浮上。ほぼ全車がピット作業を済ませた31周目には、5番手までポジションアップに成功していた。

38周目に、3位を走っていたマシンがトラブルにより戦列を離れ#3 GT-Rは一つポジションアップ。さらにバトルを展開していた#26 Audiを3コーナーでかわし、ついに表彰台圏内まで上がった。
しかし、20周にわたり背後に迫っていた#4メルセデスAMG GT3とのバトルがヒートアップし、V字コーナーで接触し、#3 GT-Rは4番手に後退してしまった。マシンにもダメージを負ったが、バランスを崩しながらも最後まで走り切り、6位でチェッカー。シリーズランキングは4位となった。

#3 ドライバー 星野一樹

「スタートもペースも良く、(今回優勝した)25号車の後ろまで追いついたときは、一瞬チャンピオンの夢を見ました。ヤンも良いファイトを見せてくれたし、昨日のことを考えたら良いレースを見せられたと思います。チームのおかげです。チャンピオンを取れなかったのは何かが足りなかったと思うので、来年また頑張ろうと思います。応援ありがとうございました」

#3 ドライバー ヤン・マーデンボロー

「予選ではマシンの最大限を引き出せたと思います。決勝ではアンダーカットに成功していくつかポジションを上げることができました。タイヤ交換は、リヤタイヤ2本という賭けに出て作業時間を縮めましたし、このレースに向けて、できることをすべてやりました。リヤタイヤはよく持ってくれましたが、レースの終盤にフロントタイヤの消耗が響いてきました。最後の10周にハイスピードコーナーでグリップが厳しくなりました。4号車との戦いは、今までに一番タフなバトルだったかもしれませんが、とても楽しかったです本当にベストを尽くしたし、6位でフィニッシュできたことは誇りに思います。もちろんランキング4位は悔しいですが、いい勝負ができましたし、このチームでみんなと戦えてよかったです」

NDDP RACING 長谷見昌弘監督

「NDDPで監督をやりはじめてから一番いい内容のレースになりましたね。クルマのバランスが良くなかったのに、ふたりのドライバーは良くやってくれました。僕も緊張してレースを見ていました。タイヤはリヤタイヤの2本交換だったので、後半アンダーステアが強くなってしまったけれど、一時は3位まで上がりました。結果的には悔しいけれど、条件の悪い中で、シーズンの最終戦に最高のレースができました。応援ありがとうございました」

SUPER GT インフォメーション : Round 8