モータースポーツ

2016.10.09

Round 7 BURIRAM SUPER GT RACE

GT500クラス 決勝

#1 MOTUL AUTECH GT-R、粘り強いレースを展開しながらも、アクシデントで14位に

SUPER GT第7戦「BURIRAM SUPER GT RACE」の決勝レースが10月9日に行われ、#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は、100㎏のウェイトを積みながらも粘り強く走り続けたが、アクシデントで14位となった。

決勝日を迎えたチャーン・インターナショナル・サーキットは、雲が張り出してきていたものの、朝から好天に恵まれた。そして例年のように気温と路面温度は見る見る上昇。午後の決勝は、クルマにとってもドライバーにとってもタフな戦いとなることが容易に予想できた。午前9時50分から30分間のフリー走行があり、その後行われたサーキット・サファリの時間帯も使って、チームは決勝に向けてクルマのセットアップを再確認した。

ここタイでも大人気となったピットウォークを終え、午後1時50分からはスタート進行が始まり、午後3時には正規のスタートが切られている。スタートを担当したのはクインタレッリ。14番手と後方のグリッドからのスタートだったが、オープニングラップに2台をパスして12位に進出すると、その後も粘り強い走りでじわじわとポジションを上げていった。そして8周目にはポイント圏内まで進出することに成功した。ただし100kgのウェイトがボディブローのように効いてきて、ポイント圏内を出たり入ったりという状況でレースが進んで行った。

早めにルーティンピットを行うライバルを尻目に、クインタレッリは35周まで引っ張り、3位にまで上がったところでピットインを行った。ピットワークに定評のあるニスモだが、今回も素早くピット作業を終え、代わった松田がコースへと飛び出していった。そして再びポイント圏内までポジションを上げていった松田だったが、56周目のターン5を立ち上がったところでGT300マシンとラインが交錯。接触してスピンしたところに後続の車両が追突してしまい大きなダメージを負ってしまう。クルマをなだめるようにしてピットまで戻って来た松田だったが、そこでレースを諦めざるを得ず、14位でレースを終えた。

#1 ドライバー 松田次生

「(ターン5の立ち上がりで)GT300マシンがイン側に入ってきて、それを避けようとしてスピンしてしまいました。後ろから来ていたこともあってプッシュしていましたし、まさかかぶせてくるとは思いませんでした。余裕がなかったこともあるので、僕の判断ミスだったかもしれませんが、悔しいですね。厳しかったのはタイヤのグリップというよりも、重量が重くてスピードが乗らないことでした。次は軽くなるので、気持ちを切り替えてもてぎに臨みます」

#1 ドライバー ロニー・クインタレッリ

「レース前半は予想以上にクルマの状態は良かったです。みんな速いし、抜きどころが少ないコースだし、僕たちは重いし、もっと苦しいかと思っていました。おかげで序盤にポジションを上げることができました。僕のスティント終盤になって追い上げられても、ポジションを明け渡すことなく走れました。あのままで走れれば、ポイントが取れたと思うと残念ですね。ランキング1位で最終ラウンドに行けるのでプレッシャーはありますが、もてぎの第一レースでウェイトが軽くなるのは僕たちにとっては大きなメリットです。チームのみんなが実力を発揮できればいいレースができると信じています」

ニスモ 鈴木豊監督

「クルマが重いなりには、ドライバーは頑張ってくれました。おかげでポイント圏内まで上げてくれたのですが、このような結果に終わってとても残念です。しかし、シリーズランキングではまだ10ポイントリードしている立場なので、次のもてぎ2戦を皆で力を合わせ、しっかり戦ってチャンピオンを手に入れたいと思います。あのアクシデントでポイントを争っている38号車を巻き添えにしてしまったのは、とても申し訳ないです。もてぎではお互いに正々堂々と戦って、よいレースをしたいと思います。応援を宜しくお願いします」

GT300クラス 決勝

最後までライバルを追い詰めていった#3 B-MAX NDDP GT-R、2位入賞でランキング2位に進出

フロントロウからスタートした#3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ヤン・マーデンボロー)は、序盤トップを快走。ピットインの際に逆転されたが再び猛チャージし、トップを1秒差まで追い上げ2位に入賞した。チェッカーを受けた瞬間スタンドからは、トップと同等以上の大きな拍手が送られた。

スタートドライバーの星野は、スタートで猛ダッシュ。オープニングラップの1コーナーでトップの車両を追い詰めると、ターン4でこれをパスし、トップでオープニングラップを終えた。そこからじわじわと2位を引き離していくが、今度は、2位に進出した#0 GT-Rが追い上げてきてGT-R同士のバトルとなった。星野は渾身のドライビングでトップをキープ。10周を過ぎたあたりから再度、#0 GT-Rのチャージが厳しくなってくるが、ここでも星野は隙を与えずトップを守り続けた。23周を終えたところで星野はルーティンのピットインを行う。

ピットアウト時には実質3位にまでポジションを下げてしまうが、そこから代わったマーデンボローが見事な追い上げを見せることになった。まずは目の前にいる#18 86MCを追い上げていく。GT500クラスに追い抜かれながらのバトルは一進一退の展開となるが、なんとかテールに喰らい付くまでになった。その矢先に#18 86MCが#1 MOTUL AUTECH GT-Rと接触しスピン。これで2位のポジションを得たマーデンボローは、今度はトップを行く#25 86MCに照準を定めることになる。

1周に付き1秒前後もギャップを削っていくマーデンボローに、スタンドを埋めた観客の目もくぎ付けになるほどだった。しかし、逆転するには残り周回数が少し足りず、約1秒差まで追いつめたところでチェッカーとなった。チェッカーを受ける瞬間、素晴らしい追い上げを見せたマーデンボローにはスタンドから大きな拍手が送られていた。

#3 ドライバー 星野一樹

「勝てるレースだっただけに残念です。予選ではあまりいいところを見せられなかったので決勝では取り返そうと思ってスタートしましたが、狙っていた去年と同じ場所でトップに立ててリードを築くことができました。ただライバルがタイヤ無交換で来るとは思っていませんでした。もてぎでは最低限表彰台を狙って戦います」

#3 ドライバー ヤン・マーデンボロー

「カズキがすごく良い走りでレースをリードし、ピットに入ってきました。でも、タイヤは四輪交換する必要があり、僕がピットアウトした時、僕たちは4位に後退していました。しかし、早い時点で一台のマシンを抜き、そのあと長い間2位を走っていたマシンの後ろにつけました。最終的には2位に入ることができて、ランキングトップの車両に近づくことができました。もてぎでの最終戦が楽しみです」

NDDP RACING 長谷見昌弘監督

「後半、ヤンが素晴らしい走りをしました。勝てたかもしれない惜しいレースでしたが、これが実力なのかもしれません。マザーシャシー勢はストレートもコーナーも速くて、とてもついていけない展開でしたね。去年はもらい事故に2回遭いましたが、今年はぶつかっていないのが効いています。得意なコースではないですが、最後のもてぎではベストを尽くします」

SUPER GT インフォメーション : Round 7