モータースポーツ

2016.10.08

Round 7 BURIRAM SUPER GT RACE

GT500クラス 公式予選

100㎏のウェイトハンディを搭載した#1 MOTUL AUTECH GT-R、
懸命のドライブで予選14位

SUPER GT第7戦「BURIRAM SUPER GT RACE」の公式予選が開催され、#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は予選14位となった。

未明にスコールがあったものの、午前10時からの公式練習までにはコースもほぼ乾き、1日を通じてドライコンディションでの走行セッションとなった。100kgのウェイトで戦うのはこれが最後となる#1 GT-Rは、レースウィークでの走り始めとなる午前の公式練習でトップから0.6秒差の1分25秒575をマーク。ポジションは11番手だったが、Q2進出のボーダーラインまでは0.2秒弱の僅差であり、何とかQ1突破を果たすべくセットアップを進めて予選に臨んだ。

GT500のQ1は午後3時20分から。セッションスタートが近付くにつれ、黒い雲が張り出してきてスコールの予測も高まって来る中、松田が担当するQ1がスタート。松田はいつもより1分ほど早く、セッションも残り8分半となったところでピットアウトしていった。スタート前に小雨が少しぱらついた影響か、路面温度は想定よりは低かったために、2周を掛けて丁寧にタイヤを温めた後、松田はタイムアタックに向かった。1分25秒455で5番手につけたが、その後ライバルの多くがタイムを更新していったため、最終結果は14位となった。

#1 ドライバー 松田次生

「Q1はもう少しタイムを詰めたかったのですが、予想以上に気温が下がってグリップが得られませんでした。Q2に残れなかったのは残念です。しかし、午前中のセッションでは同じタイヤのロングランでも十分にグリップが得られていたので、明日予想通りの気象条件でスタートを迎えられさえすれば、良いレースができると思います。ポイントを4点以上稼いで最終戦に挑みたいので、なんとか(ポイントを)取れるように頑張ります。地道にですが、少しずつ上がっていくレースになると思います」

#1 ドライバー ロニー・クインタレッリ

「Q2は走れませんでしたが、今朝のセッションでの最初の印象は悪くなかったです。レースでは後ろから追い上げることになりますが、仕上がりが良かったので厳しいながらもポイント圏内まで行けるのではないかと思います。チャンスは十分あります。タイヤは2種類試していて、いずれも予想通りの良いデータが得られています。QFは、レースを考えてあえて硬いタイヤを選んでいるので、このコンディションでは仕方ない結果ですね。クルマのフィーリングは良いので、ポジティブな気分で決勝を迎えられます」

ニスモ 鈴木豊監督

「やはり最大ウェイトが響きました。また、選んだタイヤが明日の決勝を見越したものだったのですが、予想以上に路面温度が低かったですね。直前に雨が降ったので温度が下がるのはわかっていましたが、やはり明日のレースのことを考えるべきと思い計画通りに行きました。クルマの状態としてはバランスもいいですし、レースを戦う上では心配はないと思っています。明日のレースはこれまでと同様、じっくりと目の前のクルマを1台1台抜いて、結果上位を目指すレースにしたいと思います」

GT300クラス 公式予選

大会3連覇を狙う#3 B-MAX NDDP GT-Rは予選2番手

粘り強いレース運びで、ここまで全戦ポイント獲得を続けている#3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ヤン・マーデンボロー)。今回の舞台であるチャーン・インターナショナル・サーキットでは初開催の2014年から2年連続優勝を飾っており、3連覇、そして逆転タイトルへの望みを掛けて挑む。

午前10時から行われた公式練習で、#3 GT-Rはこれまでのコースレコードを更新する1分33秒947をマーク。午後に行われる公式予選でQ2進出のボーダーラインとなる14番手を大きく上回る7番手につけることに成功した。Q1は星野がアタック。セッション開始直前から黒い雲が拡がり、スコールもやって来るのでは、との観測もあったためにセッション開始早々にコースイン。タイヤを温めた後に早めにアタックに向かった。

最初のアタックで1分35秒031を記録し10番手辺りにつけた星野は、3周続けて自己ベストタイムを更新し、その度に5~6番手辺りにまでポジションを上げるものの、すぐにライバルもタイムを更新して10番手辺りに後退する。そんな展開を繰り返した後、最後のアタックで1分33秒803をマークした。これに対してライバル勢も最後のアタックでタイムを更新。チェッカーが振られた時には1000分の2秒差で15番手となり、Q2進出を逃したかに思われたが、上位の1台がペナルティを受けベストタイム抹消となり、星野は繰り上がって14位に。Q2へバトンをつなぐことに成功した。

Q2を担当したマーデンボローは最初から積極的な走りを披露。セッション中盤には5番手辺りにつけていたが、ラストアタックで1分32秒797までタイムを削り、2番手グリッドを手に入れることになった。

#3 ドライバー 星野一樹

「路面温度が予想より低かったので、朝の公式練習では履いていなかった柔らかめのタイヤを履いたのですが、タイムが出ずにセッションが終わってしまいました。でも何とかQ2に繰り上がって、ヤンが素晴らしい走りをしてくれたので、命拾いしました。トップ3の面々は去年と同じクルマだし、早めに25号車を抜いて後続を引き離したいです。3連覇できたらすごいと思います。それを目指して頑張ります」

#3 ドライバー ヤン・マーデンボロー

「感情のジェットコースターみたいな予選でした。Q1は0.002秒差と本当に僅差でトップ14に入れませんでしたが、ペナルティを受けるクルマが出たことで、僕たちはQ2に進出することができました。だから悔しい気持ちから、ポールポジション争いに挑戦するチャンスが与えられた嬉しさに急に切り替わりました。Q2はかなりうまくいったと思います。このトラックは結構スムーズだし流れのいいコースなので、遠慮なくプッシュできました。スタートからターン1までの距離が結構短いので、トラブルに巻き込まれないような位置でスタートできるのは何よりです。だからいいポジションだと思うし、満足しています」

NDDP RACING 長谷見昌弘監督

「予選15位でチームの士気も落ちそうになりましたが、繰り上がりでQ2に進むことができて、結果2位をとることができました。ヤンはフォーミュラに乗っていることもあり、ここぞというときの勝負強さを発揮してくれましたね。今年は去年と違ってハンディウェイトが重いので、優勝争いは厳しいかもしれませんが、表彰台には上りたいです。明日も頑張ります」

SUPER GT インフォメーション : Round 7