モータースポーツ

2016.08.28

Round 6 45th International SUZUKA 1000km RACE

GT500クラス 決勝

#1 MOTUL AUTECH GT-R、終盤まで気迫あふれるバトルを見せて6位入賞

SUPER GT第6戦「45th International SUZUKA1000km」(通称鈴鹿1000km)の決勝レースが8月28日に行われ、#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は終盤まで100㎏というウェイトを積みながらも白熱したバトルを展開し、6位となった。

決勝日の鈴鹿サーキットは、朝から強い雨に見舞われた。しかし、SUPER GTのウォームアップ走行が始まるころには止み、スタート進行が行われている間に路面状況も回復してきた。レコードライン以外には水が残っていたものの、ほぼ全車がスリックタイヤを選択し、決勝レースが開始した。

スタートドライバーを務めたクインタレッリは、重いマシンに苦戦しいったんはポジションを落としたが、我慢の走りで26周を周回。チームもこの走りに応えるように、ノーミスで1回目のピット作業を行い、この間に1つポジションを回復することに成功した。2スティント目の松田は、39周目にコース上で1台をかわし、シングルポジションに浮上すると、45周目にはシケインのブレーキングでもう1台をかわしさらに順位を上げた。

57周目に2度目のピット作業を行い、3スティント目はクインタレッリが担当。レースも中盤に入り、トラブルから戦列を離れるマシンも出てくるが、#1 GT-Rはアクシデントに見舞われることもなく周回を重ねていった。89周目に、GT300のマシンがクラッシュしたことによりセーフティカーが導入されたが、その直前に3度目のピット作業を行い、松田へと交代していたGT-Rは、93周目のリスタート時には6番手まで順位を上げ、さらに5番手を走る#19 RC Fを追い詰めていった。松田のプレッシャーが効いたか、95周目のシケインで#19 RC Fがオーバーランを喫し、#1 GT-Rは5位に浮上した。

4度目のピット作業は120周目。ここでもチームはノーミスでクインタレッリへとドライバー交代した#1 GT-Rをコースへと送り出した。最後のピット作業は150周目に行われ、チームは38.5秒という早い作業時間で#1 GT-Rをコースに送り出した。4番手でコースに復帰した#1 GT-Rは、いったんは1台にかわされて5番手にポジションを落としたものの、残り15周を切るころには前を走る#6 RC Fとの差を徐々に削りはじめた。チェッカーまで残り3周となる169周目、シケインのブレーキング勝負で#6 RC Fに競り勝ち4位に浮上したが、最終ラップにガス欠症状に見舞われ、コースサイドにストップ。チェッカーは受けられなかったが、172周を走破し、6位を得た。

#1 ドライバー 松田次生

「100kgのハンデを背負っての1000kmは未知の世界でしたが、タイヤも含めていい準備ができていたと思います。セーブするところは我慢し、攻めるところではプッシュできたので、いいレースだったと思います。最後のスティント終盤で6号車を捉えられたのは、あのワンチャンスに賭けていたからです。それまでセーブしていたものをあの照準に合わせて一気に絞り出しました。6位フィニッシュできたし、内容の良いレースをしたかったので今の気分は悪くないです。(たどり着けなかった)あの数100mだけが悔しいですけどね」

#1 ドライバー ロニー・クインタレッリ

「ゴールを見るためにピットに戻ってきたら、次生が止まっている映像だったのでびっくりしました。4位で終えられたら10ポイントを獲れると期待をしていましたので残念な気持ちもありますが、6位で6ポイントは獲れたので、よかったです。クルマが重いといろんなところに負担がかかり、トラブルが起きる可能性があります。プラクティスの後も予選の後もそれを心配していましたが、それでも何も起こらず、途中までは4位まで追い上げられましたし、6位で終えられたのは満足すべきですね」

ニスモ 鈴木豊監督

「ドライバーには申し訳ないことをしました。症状的にはガス欠ですが、ハードウェアの問題なのかそれ以外なのか(止まってしまった)原因はまだはっきりしません。何れにせよしっかり原因を究明して対策します。それでも6位入賞してポイントを稼げたのは、不幸中の幸いでした。それを除くと、レースの内容的にはパーフェクト以上の出来だったと思います。ドライバーもスタッフもこういうレースをするために準備をしてきたので、その成果が出たと思います。次のタイでもいいレースができるように頑張ります」

GT300クラス 決勝

#3 B-MAX NDDP GT-R、コンディションが激変する中粘りの走りで10位入賞

予選11位からスタートした#3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ヤン・マーデンボロー)は、3度にわたる降雨やセーフティカー導入という荒れた展開を切り抜け、10位に入賞した。

スタートドライバーのマーデンボローは、徐々に乾いた路面が増えてくる難しいコンディションの中、オープニングラップで1つポジションアップに成功した。さらに、数周にわたって前を走る#65 メルセデスAMGとの接近戦を展開するが、オーバーテイクの決定的なチャンスに恵まれないまま、27周目に1回目のピットインとなった。

第2スティントを担当した星野は、上位陣のピット作業が終わり、ポジションが落ち着いた段階で10位を走行していた。第2スティントの終盤には後方の#21アウディR8に迫られる場面もあったが、これを抑えきって第3スティントのマーデンボローにバトンを託した。ピット作業で順位は逆転されたものの、#21 アウディR8との接近戦は続き、そのまま80周目に3度目のピットイン。再び星野へと交代した#3 GT-Rは、11位でコースに復帰した。

この第4スティントの走行中、83周目にGT300車両がクラッシュを喫し、セーフティカーが導入された。87周目にレース再開となったが、このセーフティカーが導入されたタイミングにより、#3 GT-Rはトップ車両に周回遅れとされてしまう。最終の第6スティントの星野は、9番手を死守してレース終盤へと入っていったが、最終ラップのシケインで後続のマシンと接触し、10位でフィニッシュとなった。

#3 ドライバー 星野一樹

「最後のスティントでは、(終盤にかわされた)88号車との差が15秒あったのですが、終盤に雨が降ってからは氷の上を滑るような感じでペースを上げられず、一気に5秒差まで詰め寄られてしまいました。この差を何としてでも守り切るんだと思って走りましたが、シケインで接触を受けながらかわされました。9位を死守しなければいけなかったところを、チームの皆にも申し訳ないです。次のタイは2連勝しているコースなので、3連勝を目指して頑張ります」

#3 ドライバー ヤン・マーデンボロー

「僕のスティントを振り返ると、メルセデスやアウディのマシンといいバトルができて楽しめましたが、チーム全体としては厳しいレースになってしまいました。ピット作業は完璧でしたが、ペースが足りなかった。他のチームではタイヤの2本交換や無交換という作戦を採っているところもあるようでしたが、僕たちにはそういう作戦は採れませんでしたね。なんとかポイントを獲得できたことは良かったと思っています」

NDDP RACING 長谷見昌弘監督

「セーフティカーのタイミングで運悪く周回遅れになってしまい、とても損をすることになりました。そこからは9位を狙うことになったので、最後も守りたかったのですが、最後のシケインで接触、抜かれたというのは良くなかったです。チームのミスもなく、クルマのバランスも良かっただけに残念な結果になりました。次戦のタイでは連勝をしていますが、今年はクルマが重い状態で臨むので、簡単には行かないでしょう。ですが、なんとかいい結果を目指して頑張りたいと思います」

SUPER GT インフォメーション : Round 6