モータースポーツ

2016.07.24

Round 4 SUGO GT 300km RACE

GT500クラス 決勝

#1 MOTUL AUTECH GT-R、ハンディウェイトにも負けずポイント獲得

SUPER GT第4戦の決勝レースは、残り10周を切ったレース終盤に起きたクラッシュにより赤旗終了。#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は9位までポジションを上げ、ポイントを獲得した。

前日同様に肌寒いコンディションで幕を開けた決勝日。レーススタート直前には霧雨も舞い、路面はセミウェットコンディションとなっていた。前日の予選結果により、15番グリッドからのスタートが予定されていた#1 GT-Rだが、スタート直前の他車のトラブルにより実質14番手からのスタート。スタートドライバーの松田は、序盤から各所で起きるアクシデントをすり抜けながら、9周目には10番手までポジションを上げた。80㎏というウェイトを搭載しながらも前のマシンに接近する好ペースを見せ、さらに7番手にまで浮上。26周目にセーフティカーが導入されると、リスタート後には5番手まで順位を上げ、レースのほぼ折り返し地点となる40周目にピットに入り、ドライバー交代を行った。

松田からステアリングを託されたクインタレッリは、12番手でレースに復帰。ポイントランキングで争っている#37 RC Fと激しい争いを繰り広げた。周回遅れを処理するタイミングで離れることはあったが、2台は1秒を切る差で何周にもわたり接戦が続いていた。しかし、GT500クラスの先頭車両が76周目に突入したところで、GT300クラスの車両が最終コーナーでクラッシュ。レースは赤旗中断から終了となり、#1 GT-Rは9位でポイント獲得を果たした。

#1 ドライバー 松田次生

「やはりウェイトハンディの影響は大きく、周回遅れに引っ掛かったり、後ろから詰められたり、苦しい場面もありましたが、それでも一時は5位までポジションを上げることができました。レースの半分までスティントを引っ張ることができて、ロニーも走り切ってくれて2ポイントが獲れたのは今後に生きてくると思います。これまでの僕たちはシーズン後半に追い上げていくパターンが多く、前半で2連勝するとこんなに苦しいとは思いませんでした。3戦を終えて、ランキング上位は似たような重さになってくるので、この先はそういった周囲よりも前を走れるように、頑張っていきたいと思います」

#1 ドライバー ロニー・クインタレッリ

「マシンはいつ壊れてもおかしくない状況でしたが、幸運もあり、最後まで走り切ってポイントも獲れたのは嬉しいです。37号車とのバトルに関しては、ランキングも1位と2位で僕たちはウェイトの重さも近いし、気持ちとしては絶対に前に出たかったです。しかし、安全に抜くチャンスはなかったし、まずは完走しなければと思っていたので、それを達成できたことは良かったです。ウェイトがタイヤやマシンに賭ける負担や、周りとのウェイトの差を考えると、個人的にはこのSUGOが一番厳しいレースだと思っていました。次の富士は他にも重いマシンが出てくるので、今回よりは少しは楽な気持ちで臨めそうです」

ニスモ 鈴木豊監督

「実は前半の松田のスティントから、車両にトラブルの兆候が出ていました。そんな中で2人のドライバーがクルマをいたわりながら走り、後半ではロニーが前を走る37号車に対し果敢に攻めて、互角以上の走りをしてくれました。最後までクルマをもたせてくれた結果、2ポイントが獲れたことは大きい。今回の目的はしっかりと達成できたと思います。タイヤに関しても、これまでテストしてきた成果が出せましたし、この後の富士・鈴鹿につながるいいレースができたのではと思っています。応援ありがとうございました」

GT300クラス 決勝

21位スタートの#3 B-MAX NDDP GT-R、粘り強い追い上げで5位入賞

予選21位からスタートした#3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ヤン・マーデンボロー)は、随所で起きたアクシデントをかわし、粘り強い走りでポジションアップ。5位入賞を果たした。

スタートドライバーの星野は、オープニングラップで5つポジションを上げ16位につけると、まだ路面に水が残る難しいコンディションの中でポジションをキープ。コースが短く幅の狭いSUGOではスタートしてから数周でGT500にかわされるようになり、GT300クラスも各所で混乱が起きていたが、星野はその中で10位までポジションを上げ、30周目にピットイン。マーデンボローに交代した。

チームの素早い作業により、ピット作業でも#3 GT-Rはライバル勢をかわしポジションアップを果たした。コース復帰後、マーデンボローは、GT300クラスのチャンピオン経験を持つ#4 メルセデスベンツAMG GT3を猛追。2台のバトルは30周近くにもわたって展開したが、63周目にこれを攻略し、7番手となった。さらに5番手までポジションを上げ、4番手のマシンにも迫ろうとしていたところで、他車のクラッシュによりレースが赤旗終了。#3 GT-Rは5位入賞でポイント獲得を果たした。

#3 ドライバー 星野一樹

「スタートでポジションを上げることができましたが、まだ気温が低くペースはあまり良くありませんでした。ただ、ミスなく走り切って僕のスティントでもさらに順位を上げることができたし、ピットストップでもチームがすごくいい仕事をしてくれました。ヤンもいいバトルをして、結果5位まで上がることができた。信じられない結果です。シリーズを戦っていくうえで、こういうレースが絶対に生きてくると思います。予選では非常に苦しみましたが、そういう時こそチーム力が試されると思うので、みんなでこの結果を出せたのが本当に嬉しいです」

#3 ドライバー ヤン・マーデンボロー

「21位スタートから5位フィニッシュは、期待を超えた結果でとても嬉しいです。カズキも素晴らしいドライブだったし、チームのピット作業も良かったと思います。僕たちの選んだタイヤは気温が上がるまでは苦労しましたが、レースの終盤には気温も上がり、周りのペースが落ちてきた中でもまだ強いパフォーマンスを発揮してくれました。赤旗中断にならなければ、4位争いや表彰台争いもできたとは思いますが、とにかくここまで順位を上げて重要なポイントが獲れました。次戦の富士はGT-Rが得意としているコースなので、楽しみにしています」

NDDP RACING 長谷見昌弘監督

「レース後半は日差しも出て路面温度が上がり、我々のタイヤに合うコンディションへと変化したこともプラスになりました。ランキングは下がってしまいましたが、まだ2位にいます。他のマシンもウェイトを積んできたので、ここから先はもっと激しい勝負になってくるかと思います。ここから先も取りこぼしなく進めていきたいですね」

SUPER GT インフォメーション : Round 4