2016.04.10
SUPER GT第1戦の決勝レースが4月10日に行われ、#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は予選3位から逆転し、開幕戦を優勝で飾った。
予選日同様に薄曇りとなった決勝日。スタートドライバーのクインタレッリは2番手と1~2秒差を保ったまま、序盤は予選順位の3番手をキープ。GT300車両のバックマーカーが現れ始めると、そのバックマーカーを利用しながら2番手を走る#6 RC Fとの差を縮めていった。22周目には0.3秒差にまで迫り、テールトゥノーズのバトルが数周にわたって展開。オーバーテイクのチャンスをうかがっていたクインタレッリは、28周目のヘアピンコーナーで#6 RC Fをとらえて2位に浮上した。35周目にトップの#37 RC Fがピットに入り、#1 GT-Rは首位に立つと、38周目にピットイン。#37 RC Fよりも短い作業時間でコースに復帰すると、トップを守ったままレース後半に入っていった。
ピットアウト後の両者の差は約9秒。後半スティントの松田は、好ペースを維持したまま周回数を重ねてさらに後続との差を広げていった。最終的には15秒の大差をつけ、トップチェッカー。#1 GT-Rが8年ぶりに開幕戦を制した。
「公式テストで結果が伴わず、不安な中で迎えたレースでしたが、まずはQ1を突破できて、Q2でも上位のグリッドにつけて、決勝では粘りのあるレースができました。後半スティントでは、2位とのギャップをどれだけ広げられるかに集中しました。苦しいところを乗り越えられたので、3連覇に向けても非常に良いスタートになったと思います」
「「個人的に、開幕戦で初めて勝てたことが嬉しいです。岡山での優勝というのも初めてで、それも嬉しいですね。初日の走りはじめから非常に良い手ごたえを感じていて、『もしかしたらいけるかもしれない』と思っていました。僕の担当した前半スティントでも、タイヤがものすごく良かったので最後までプッシュできました。私たちの期待に応えてくれたチームとミシュタンタイヤに感謝しています」
「昨日見つかった課題はだいぶ解消されて、それも今日の好ペースに繋がっていると思いますが、一番の勝因はタイヤです。ミシュランさんが、本当にいいタイヤを用意してくれたおかげで、後半も全く変わらずにいいレベルでレースを走り切れました。トラブルやアクシデントが起きないかドキドキしてはいましたが、その他には何の心配もありませんでした。久しぶりに開幕戦で勝てて、気持ち良くシーズンをスタートできました。私が監督を務めるようになってからたくさんレースを戦ってきましたが、この岡山は未勝利だったので、そういう意味でも嬉しいです。次戦の富士でも手ごたえは感じていますし、ミシュランタイヤはウェイトを積んでも強いですから、表彰台も狙えるのではと思います。応援ありがとうございました」
予選10位の#3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ヤン・マーデンボロー)は、開幕戦レースを10位でフィニッシュした。
スタートドライバーを担当した星野は、序盤に1つ順位を上げて9番手に。GT500車両が背後に迫るようになってくると、GT300クラスの中でも様々な順位変動が起きていったが、星野は9番手をキープしながら周回を重ねていった。29周目に10番手のマシンと交錯し、大きなダメージはなかったものの、ここで#3 GT-Rはピットに戻り、残り約40周をマーデンボローに託した。
これがSUPER GT初レースとなるマーデンボローは、ロングスティントをミスなく進め、ピットアウト直後の19番手から8番手までポジションアップ。終盤は順位を下げたが、ポイント獲得圏内の10位を死守。開幕戦からシリーズポイントを獲得した。
「序盤はマシンのバランスも良かったのですが、数周でそれが変わってしまいました。なんとかポジションを守りながら、前半スティントを伸ばしていきたかったのですが、接触もあり早めのピットインになりました。ヤンにロングスティントを任せることになって申し訳なかった。後半スティントはハードタイヤを選択しましたが、それでも最後はきつそうでした。今回は総合力で周りに対して負けていましたが、次は得意の富士。テストでも結果が出ているところなので、仕切りなおして頑張ります」
「レースの終盤にはタイヤがきつくなり、最後の5周で2台にかわされてしまって悔しいです。ですが、最初のSUPER GTのレースで完走し、ポイントを獲れたことは嬉しく思います。序盤・中盤では僕たちはいい走りができたと思うので、次の富士に向けてエンジニアたちとミーティングしたいと思います。シーズンはまだ始まったばかりなので、1ポイントだけでも獲得できたのは大事なこと。これからも頑張ります」
「予選日と決勝日とであまりコンディションは変わっていないと思うのですが、マシンのフィーリングが変わってしまったようです。思っていたよりもペースが上がらず苦しい展開になりました。次戦の富士は我々が得意としているコースです。気持ちを切り替えて、上位でレースできるよう頑張ります」