モータースポーツ

2025.06.03

ENEOS スーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE
第3戦 NAPAC 富士24時間レース

#25 raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4が
過酷な富士24時間レースでST-Zクラスポール・トゥ・ウィン、総合5位を獲得

5月30日(金)~6月1日(日) 富士スピードウェイ(静岡県)

5月30日(金)~6月1日(日)、静岡県の富士スピードウェイでENEOS スーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONEの第3戦「NAPAC 富士24時間レース」が開催されました。

日産勢はST-Xクラスに1台のNissan GT-R NISMO GT3、ST-Zクラスに3台のNissan Z NISMO GT4が参戦。#25 raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4(田中優暉/名取鉄平/松田次生/佐藤公哉/ロニー・クインタレッリ/柳田真孝)が、ST-Zクラスでポール・トゥ・ウィンを達成しました。日産フェアレディZ NISMO RCが2台参戦したST-3クラスでは、#16 岡部自動車フェアレディZ34(田中徹/清水啓伸/三宅淳詞/小松響/小松一臣/甲野将哉)がポールポジションを獲得し、決勝レースを3位でフィニッシュしました。

 
 

朝まで雨が降ったものの、その後は終日曇り空となった予選日の5月30日(金)。ドライコンディションのもと、決勝のスターティンググリッドを決める、AドライバーとBドライバーの合算タイムによる予選が行われました。ST-Xクラスは今季初参戦となる#81 DAISHIN GT-R GT3(大八木龍一郎/坂口夏月/大八木信行/青木孝行/木村偉織)が予選2番手を獲得。ST-Zクラスは#25 Z GT4がポールポジション、#20 NANIWA DENSO TEAM IMPUL Z(松本貴志/平峰一貴/大木一輝/ジュール・カズキ・トレルイエ/ベルトラン・バゲット)がクラス4番手、#26 raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4(大塚隆一郎/篠原拓朗/富田竜一郎/オオムラ・フラガ・イゴール)がクラス6番手となりました。ST-3クラスは#16 Zがポールポジション、#15 Zはタイム抹消ペナルティにより、最後方からの追い上げを狙いレースに臨みます。

 
 
 
 

決勝は5月31日(土)15時よりスタート予定でしたが、雷を伴う降雨の影響で1時間遅れての進行となりました。16時にセーフティカー(SC)先導によるスタートでレースが開始され、シーズン最長にして天王山とも言える、過酷な戦いが幕を開けました。レース終了時刻については翌日の6月1日(日)15時から変更はなく、23時間でのレースとなりました。序盤、ST-Xクラスの#81 GT-Rは長いレース距離を考慮してペースをセーブし、リスクを避けた走りでクラス5番手を走行。ST-Zクラスでは、#20 Z GT4のスタートドライバーを務めた平峰が速さを見せ、開始20分ほどでクラス2番手に浮上、その勢いはとどまるところを知らず、40分が経過する頃にはクラストップの#25 Z GT4をかわしてトップに立ちます。懸念された雨はスタート直後から弱まり、1度目のピットインでドライタイヤに履き換えるチームが続出。以降は終始ドライ路面での戦いとなりました。

 
 
 
 
 
 

レースがスタートして4時間が経過し、夜間走行に突入した20時すぎ、富士24時間レース恒例の花火が打ち上がりました。しかし風が弱く、その煙が残ってしまった影響で視界が遮られる事態となり、フルコースイエロー(FCY)が宣言され、続けてSCが導入されることになりました。SC導入中はピットレーンがオープンになるため、多くの車両がこのタイミングでピットに入ることに。

ST-Zクラスは、一時#20 Z GT4、#25 Z GT4、#26 Z GT4が1-2-3体制を築きますが、レース開始6時間を経過した22時すぎ、#20 Z GT4にトラブルが発生。ガレージでの作業を余儀なくされます。その直後には、霧による視界不良が発生し、再びSCが導入。約1時間半にわたるSC先導走行中にはライバルのピットタイミングもあり、#26 Z GT4がクラストップに立ちました。その後、視界が回復したことを受けて、日付が変わる直前にグリーンフラッグが振られ、レースが再開しました。ストップ車両などにより立て続けに2度FCYが導入された後、#26 Z GT4はクラストップを維持したままピットへ。ところが、首位でコースに復帰しアウトラップを終えた#26 Z GT4の富田は追突され、クラッシュ。幸い富田にケガはありませんでしたが、マシンはスピン状態でタイヤバリアに接触したこともありダメージが大きく、チームはリタイアを決断しました。

 
 
 
 
 

その後、クラッシュによるガードレール破損の補修でレースは赤旗中断。午前2時にSC先導でレースが再開された後も、夜間パートは霧に悩まされる事態となり、午前3時30分を過ぎて再度SCが導入されました。このSCは1時間以上におよび、このタイミングで多くのチームがピット作業を行いましたが、午前4時45分に赤旗が提示され、レースは再び中断されることに。濃霧のホームストレートに各車が整列し、天候の回復とレース再開のアナウンスを待ちます。この赤旗時点でST-Xクラスは#81 GT-Rが4番手、ST-Zクラスは#25 Z GT4がトップ、#20 Z GT4は4番手という状況です。

 
 
 

まだ霧は残っていたものの、午前7時30分にSC先導で隊列がスタート。このタイミングでピットに入るクルマも多く、#81 GT-Rも大八木龍一郎から坂口にチェンジし、追い上げを図ります。ST-XクラスのライバルはAドライバーがドライブする中、坂口はわずかな時間で追い上げ、クラス2番手にまで浮上。さらに総合首位と同一ラップにまで戻し、1周ごとにその差を削り取っていきました。ところが、坂口がダブルスティントを担当し、追撃体制に入ったところで駆動系トラブルが発生、ガレージでの修復作業を余儀なくされました。その後いったんはコースに復帰するも、別のメカニカルトラブルに見舞われ、再びガレージへとマシンを戻すことになりました。チームは、チェッカーフラッグを前にコースに復帰。クラス5番手でレースを完走しました。

 
 

#25 Z GT4は、朝のレース再開以降は安定した速さを発揮してクラストップのポジションを維持。ST-Xクラスのマシンがトラブルやアクシデントを抱えて後退し始めると、総合結果でも順位を上げていき、23時間のレースを無事に走り切ってフィニッシュ。ST-Zクラスのポール・トゥ・ウィンを決めただけでなく、総合結果でも5位という好成績を収めました。トラブルを乗り越えた#20 Z GT4はクラス6位で完走を果たしました。

 
 
 
 

田中優暉(#25 raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4)
「チームとしては26号車がアクシデントでリタイアしてしまうという悔しさもありましたが、松田選手やロニー選手をはじめとするドライバーたちやメカニックが一丸となって、富士24時間レースでクラス優勝という価値のある結果を出すことができました。チームに加入してまだ2戦目なのですが、本当に幸せです。応援ありがとうございました」

 

大八木龍一郎(#81 DAISHIN GT-R GT3)
「今回、初めてAドライバーとして登録して、夜間走行も担当しました。プレッシャーもありましたが、問題なく自分のスティントを終えることができました。朝には優勝も狙える位置を走っていただけに、マシントラブルは残念でしたが、何が起こるか分からないという24時間レースらしい結果だとも思います」

日産フェアレディZ NISMO RCが2台参戦したST-3クラスでは、#16 ZがSUPER GTでGT500クラスを戦う三宅の奮闘で、スタートからトップを守り、その後クラス2番手で順調に周回を重ねたものの、マシントラブルで後退。クラスファステストラップを記録するなど速さを見せながら、クラス3位でのフィニッシュとなりました。#15 岡部自動車フェアレディZ34(前島秀司/長島正明/銘苅翼/たしろじゅん/中島佑弥)はクラス4番手からスタートし、途中フロントバンパーを破損するアクシデントに見舞われながらも、レースを最後まで走り切り、4位でレースを終えました。

 
 
 
 
 

公式リザルト:Rd.3 決勝結果 (スーパー耐久オフィシャルサイトへ)

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