モータースポーツ

2024.11.19

ENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE
第7戦 S耐ファイナル FUJI

日産車が参戦する全3クラスで表彰台を獲得
ST-3クラスでは#15 岡部自動車Z34が2戦連続ポール・トゥ・ウィン

11月16日(土)~17日(日) 富士スピードウェイ(静岡県)

11月16日(土)~17日(日)、静岡県の富士スピードウェイでENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE第7戦「S耐ファイナル FUJI」が開催されました。

日産勢はST-XクラスにNISSAN GT-R NISMO GT3が参戦し、#81 DAISHIN GT-R GT3(今田信宏/藤波清斗/坂口夏月)が、総合2位で表彰台を獲得しました。ST-Zクラスには3台のNissan Z NISMO GT4が参戦し、#26 raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4(大塚隆一郎/富田竜一郎/篠原拓朗/荒聖治)がクラス2位を獲得。日産フェアレディZ NISMO RCが2台参戦したST-3クラスでは、#15 岡部自動車Z34(前島秀司/長島正明/銘苅翼/元嶋成弥)が前戦に続く2連勝を飾りました。

また、日産/NMCは富士24時間大会に続き、開発車両が参戦するST-Qクラスに、Nissan Z NISMOをベースとした#230 Nissan Z NISMO Racing Concept(平手晃平/佐々木大樹/三宅淳詞)で参戦し、今後の車両開発に関する貴重なデータを得ました。

 
 
 
 

16日(土)、少し肌寒い曇り空のなか、決勝のスターティンググリッドを決めるAドライバーとBドライバーによる予選が行われました。両ドライバーの合算タイムにより、ST-Xクラスは#81 GT-Rがクラス2番手でフロントロウを獲得。ST-Zクラスでは#26 Z GT4がクラスポールポジション、#20 NANIWA DENSO TEAM IMPUL Z(田中優暉/平峰一貴/大木一輝)がクラス3番手、#25 raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4(植松忠雄/松田次生/佐藤公哉/名取鉄平)がクラス5番手とNissan Z NISMO GT4が混戦のST-Zクラスで好成績を挙げました。ST-3クラスでは、#15 Zがクラスポールポジションとなりました。なお#16 岡部自動車Z34(小松一臣/田中徹/田中哲也/甲野将哉)は車両トラブルのため、最後尾グリッドから上位を目指すこととなりました。

 
 
 

17日(日)、朝方は曇り空だったものの次第に天候は好転し、気温が20度を超える季節外れの陽気と日差しのなか、12時30分にフォーメーションラップが始まり、シーズン唯一となる4時間レースがスタートしました。シリーズ最終戦であり、唯一複数開催があるコースということで、各車力の入った争いを見せる展開になりました。#81 GT-Rのスタートを担当した藤波は第5戦鈴鹿大会以来の参戦ですが、トップを行くマシンにしっかりと付いていき、オーバーテイクを狙う状況が続きます。しかし、12周を経過したレース開始17分すぎにクラッシュによるアクシデントが発生。レースはフルコースイエロー(FCY)導入後にセーフティカー(SC)先導に切り替えられました。セーフティカーが長引くと判断した#81 GT-RはSC導入中の15周目にドライバーチェンジを決断し、Aドライバーの今田へと交代します。その後、クラッシュで損傷したコースサイドのガードレール修復のため17周目に赤旗が掲示され、レースは中断に。この中断は1時間8分に及びましたが、ルールにより計時の時計は止まらず、レース折り返しに近い残り2時間6分時点の19周目から再開されました。

しかし、#81 GT-Rは赤旗中断の前にイエローフラッグ下での追い抜きと、SC導入時のピットインでのピット出口信号無視で二度のドライビングスルーペナルティを科せられてしまい4番手に後退します。諦めずに前を追いかける#81 GT-Rは37周目に再びピットインしルーティンの作業を終え、再び藤波がステアリングを握りコースへと出て行きました。ところがその直後、39周目に再び大きなクラッシュによるアクシデントが発生。SCが導入され、ガードレール修復のため再度赤旗が掲示、再びレースは中断されることになりました。ガードレール修復のため53分間の中断を挟み、レースが再開されたのは16時。残された30分で各車がポジションアップを狙う、スプリントレースのような接戦が各所で繰り広げられました。#81 GT-Rは藤波がライバルを追いポジションアップを狙うなか、前を行く#33 Mercedesがペナルティで後退。さらに#23 Mercedesも残り3分の時点でピットインしたため、#81 GT-Rは2番手に浮上しそのままフィニッシュ。周回数は56周という波乱の最終戦を、#81 GT-Rは2位表彰台で終えました。

今田信宏(#81 DAISHIN GT-R GT3)
「周回数がすごく少なかったし、不運なこともあったのですが、与えられた機会の中ではベストな走りができたと思っています。今シーズン初めてST-Xクラスにほぼフル参戦したのですが、想像以上に難しいカテゴリーだと感じましたし、簡単には勝てないレースだということが良く分かりました」

 
 

参加台数の多い激戦区であるST-Zクラスでは、ポールポジションを獲得した#26 Z GT4のスタートを担当した富田が着実なスタートダッシュを決めポジションをキープ。#20 Z GT4の平峰は順位をひとつ上げ、2番手に浮上。#25 Z GT4の名取も4番手にポジションアップしました。名取はその後も快走を続けて3番手に浮上。レース開始5分の時点でNissan Z NISMO GT4が1-2-3体制となります。5周目の1コーナーでは名取が平峰をパスして順位が入れ替わり、#26 Z GT4と#25 Z GT4が1-2体制を築き、#20 Z GT4が続く展開に。12周目に発生したアクシデントのSC中に#26 Z GT4と#20 Z GT4がピットインを行い、それぞれ篠原と大木にドライバーをチェンジします。#25 Z GT4はその後の赤旗が掲示される前にドライバーチェンジをすることができず、後退を余儀なくされました。

残り2時間を前にしたレース再開のタイミングで#26 Z GT4が再びピットインし、ドライバーを大塚に交代します。レースが再開して10周を経過した30周目には#20 Z GT4もピットインし、ルーティンの作業を終え田中にドライバーチェンジ。その後に再びアクシデントで赤旗となり、#26 Z GT4の大塚と#20 Z GT4の田中はレース再開後、残り30分弱をゴールまで走り切る形となります。首位のライバル#59 ToyotaはAドライバー乗車義務消化のピットインを済ませておらず、続く#26 Z GT4はトップ浮上のチャンスをうかがいますが、レース残り10分の時点でアクシデント車両が発生し、FCYが導入されます。このタイミングを利用し#59 Toyotaはピットインを行いトップのままコースに復帰。#26 Z GT4はタイミングに恵まれず、悔しい2位表彰台でのフィニッシュとなりました。#20 Z GT4はクラス4位、#25 Z GT4はクラス8位でフィニッシュしました。

篠原拓朗(#26 raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4)
「今回こそ勝ちたかったのですが、ラスト10分でその夢が崩れてしまいました。『悔しい』のひと言につきますが、すごく荒れたレースだったので、接触もペナルティもなく終えられたのは良かったです。シーズンを通してクルマに速さはあったものの、安定した成績ではなかったので、そのあたりを課題に来シーズンも頑張っていきたいです」

 
 
 
 

ST-3クラスでは、ポールポジションからスタートした#15 Zの前島がスタートで2番手に後退しますが、ライバル2台との接戦を制して2周目にトップへ返り咲きました。#15 Zは2回の赤旗中断という波乱の展開のなかでも順位を譲らずにトップを守り抜き、クラス2位に1分以上の差をつけて前戦岡山からの2戦連続ポール・トゥ・ウィンを成し遂げました。#15 Zは、21周目に銘苅翼がクラスファステストラップの1分53秒512を記録しています。#16 Zはレース序盤にクラッシュを喫しリタイアとなりました。

銘苅翼(#15 岡部自動車Z34)
「前回の岡山からすごく良い流れができていたので、自分のなかで走りのルーティンというか、気持ちの入れ方などをあらためて確認することできました。コースで は色々アクシデントが起きていましたが、そのなかでも落ち着いて走り切ることができました」

 
 
 

ST-Qクラスの#230 Zは、二度の赤旗が掲示された波乱のレースながら安定した走行を続け、無事にチェッカーフラッグを受けました。2度の赤旗中断により走行距離は53周(約242km)にとどまりましたが、今後の車両開発に関する多くの実戦データを収集することができました。

 
 

公式リザルト:Rd.7 決勝結果 (スーパー耐久オフィシャルサイトへ)

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