2024.09.10
9月7日(土) モビリティリゾートもてぎ(栃木県)
9月7日(土)、モビリティリゾートもてぎでENEOS スーパー耐久シリーズ 2024 Empowered by BRIDGESTONEの第4戦「もてぎスーパー耐久 5Hours Race」が開催されました。日産勢はST-Xクラスに#81 DAISHIN GT-R GT3(今田信宏/藤波清斗/坂口夏月)がNISSAN GT-R NISMO GT3で参戦し、総合優勝を飾りました。3台のNissan Z NISMO GT4が参戦したST-Zクラスでは、#25 raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4(植松忠雄/松田次生/佐藤公哉/名取鉄平)がクラス優勝し、Nissan Z NISMO GT4の国内初優勝を果たしました。さらに、2台のフェアレディZ NISMO RCが参戦するST-3クラスでも、#16 岡部自動車Z34(小松一臣/田中徹/田中哲也/甲野将哉)がクラス優勝を飾り、日産車が参加するすべてのクラスで優勝を成し遂げました。
第4戦は予選と決勝が9月7日(土)の1日で行われる変則日程で行われました。予選では、AドライバーとBドライバーの合算タイムで決勝のスターティンググリッドが決まります。ST-Xクラスは#81 GT-Rの今田がAドライバーのトップタイムをたたき出し、前戦オートポリスから2戦連続のポールポジションを獲得。ST-Zクラスでは、#20 NANIWA DENSO TEAM IMPUL Z(田中優暉/平峰一貴/大木一輝)の平峰がBドライバーのトップタイムを記録してクラスポールポジションとなり、ST-3クラスも#15 Z(前島秀司/長島正明/銘苅翼/元嶋成弥)がポールポジションを獲得し、日産車が参戦するすべてのクラスで予選トップタイムをマークし、決勝に向けて幸先の良いスタートを切りました。
同日開催の決勝は、12時30分にフォーメーションラップがスタート。日差しが強く蒸し暑いなか、5時間の決勝レースが幕を開けました。ST-Xクラスポールポジションの#81 GT-Rをドライブする藤波はスタートダッシュを決め、2周目にはこのレースの総合ファステストラップとなる1分54秒936を記録するハイペースで、2番手以降を着実に引き離していきます。約50秒のリードを稼ぎ、1時間10分を過ぎた38周目に最初のピットインを行い、ドライバーは今田に交代。トップを快走する今田はレース折り返し地点の2時間30分をすぎた直後の74周目にピットイン。坂口にステアリングを託しますが、その際に電気系トラブルに見舞われます。幸いにもトラブルはすぐに解決しましたが、修復する間約15秒のタイムをロスすることになってしまい、2番手にポジションを落としました。しかし、トップの#23 Mercedesはその後、ドライブスルーペナルティを科され後退。レース残り2時間の時点で、再び#81 GT-Rがトップに立ちました。
首位を守る坂口は、最後のドライバー交代を行うべく112周目にピットイン。ところが、再び藤波に交代する際にもまた電気系トラブルが発生してしまいました。なんとか電源を入れることに成功した#81 GT-Rは、すぐにピットアウトしポジションを守りました。ライバルの#23 Mercedesがハイペースの追い上げを見せるなか、藤波は冷静にその差をコントロールしながら走行を続け、そのまま5時間レースのフィニッシュを迎えました。前戦オートポリスで優勝を逃した悔しさを跳ね返す、2022年の開幕戦以来の優勝をポール・トゥ・ウィンで飾りました。
今田信宏(#81 DAISHIN GT-R GT3)
「今回はマシンもバッチリ決まっていましたし、ドライバー全員が速いので絶対に勝てると思っていました。もっと楽に勝つつもりだったのですが、大きく後続を引き離すことはできませんでした。次戦は、周りに“つまらないレース”と言われるくらい独走して優勝したいと思います」
ST-Zクラスのポールポジションを獲得した#20 Z GT4は、平峰が抜群のスタートでトップを快走します。36周目に大木へドライバーチェンジした最初のピットインでは、ライバルに一時先行を許しましたが、2回目のピットインで田中に交代するタイミングで再びトップを奪い返しました。しかし、フルコースイエロー(FCY)中のスピード違反により、#20 Z GT4にドライブスルーペナルティが科されることに。これで#20 Z GT4は3番手に後退。代わって#25 Z GT4が2番手に浮上しました。#25 Z GT4は予選クラス6番手ながら、1回目のピットインの時点で3番手にまでポジションを上げ、順調に走行を続けていました。#25 Z GT4はスタートを担当し36周を走った名取、セカンドスティントで37周を走破した植松に続き、ステアリングを握った松田がハイペースで周回を重ね、上位との差を詰めていきました。3時間20分を経過した時点でトップを走行するライバルをあっさりとオーバーテイクし、このレースで初めて#25 Z GT4が首位となりました。
残り1時間を前にした106周目、最後のピット作業を終えた3番手の#20 Z GT4は、再び平峰がステアリングを握りコースイン。続く107周目に首位の#25 Z GT4が最後のピットを終え、佐藤にドライバーチェンジ。佐藤は松田が築いた約15秒の差を保ってフィニッシュし、Nissan Z NISMO GT4の日本国内初優勝を飾りました。3位には#20 Z GT4が入り、11台で争われた激戦区のST-Zクラスにおいて2台のNissan Z NISMO GT4が表彰台を獲得しました。7番グリッドからスタートした#26 raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4(大塚隆一郎/富田竜一郎/篠原拓朗/荒聖治)は、クラス7番手でフィニッシュしました。
植松忠雄(#25 raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4)
「今シーズンは、これまで完走ができていませんでしたが、4戦目でやっと結果が出たと思ったら、初完走がいきなり初優勝で、最高の気分です。ブレーキに厳しいサーキットなので、新しいブレーキパッドを投入したり、ブレーキの使い方をチームで話し合って臨みました。レース終盤の好ペースは、ブレーキへのセーブにも気を遣った結果だと思います」
ST-3クラスでは、ポールポジションの#15 Zのスタートドライバーを務めた元嶋がクラスファステストラップを記録、銘苅に交代して以降も順調にトップを走行していましたが、レース折り返しの2時間30分時点でトラブルによりストップ。一方、3番グリッドからスタートした#16 Zが、レース序盤から続いていたライバルの#38 Lexusとの接近戦に打ち勝ちトップを奪い、その差を広げる手堅い走りでチェッカーフラッグをトップで受け、フェアレディZ NISMO RCの今季初優勝を獲得しました。
田中哲也(#16 岡部自動車Z34)
「今シーズンはトラブルが多かったり、なかなか完走もできていなかったので、うれしいです。今回はドライバーもコンスタントな走りを見せ、クルーも完璧なピット作業や準備をしてくれました。チームで勝ち獲った結果です。次は15号車も一緒に完走して、もっといい結果を見せたいです」
公式リザルト:Rd.4 決勝結果 (スーパー耐久オフィシャルサイトへ)
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