モータースポーツ

2024.05.28

ENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE
第2戦 NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース

過酷な24時間レースで、ST-ZクラスのNANIWA DENSO TEAM IMPUL Zが4位完走を果たす
ST‐QクラスのNissan Z NISMO Racing Conceptも完走

5月24日(金)~26日(日) 富士スピードウェイ(静岡県)

5月24日(金)~26日(日)、静岡県の富士スピードウェイでENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONEの第2戦 NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レースが開催されました。

日産勢はST-Xクラスに1台のNISSAN GT-R NISMO GT3が参戦し、#81 DAISHIN GT-R GT3(大八木信行/藤波清斗/青木孝行/坂口夏月/大八木龍一郎)が、総合5位で完走を果たしました。ST-Zクラスには3台のNissan Z NISMO GT4が参戦し、粘り強く24時間を走り切った#20 NANIWA DENSO TEAM IMPUL Z(田中優暉/平峰一貴/大木一樹/ベルトラン・バゲット/石川京侍)がクラス4位でフィニッシュしました。フェアレディZ NISMO RCが2台参戦したST-3クラスでは、#15 岡部自動車Z34(前島秀司/長島正明/銘苅翼/元嶋成弥/三浦愛/マックス・サロ)が2位表彰台を獲得しました。

また、日産/NMCは今年も、開発車両が参戦するST-Qクラスに、Nissan Z NISMOをベースとした#230 Nissan Z NISMO Racing Concept(平手晃平/佐々木大樹/千代勝正/高星明誠/ロニー・クインタレッリ/本山哲)で参戦。24時間レースという過酷な状況の中で、量産エンジンでのカーボンニュートラルフューエル(CNF)適合開発に関する知見と、今後の車両開発に関する貴重なデータを得ました。

 
 
 
 

24日(金)に行われた予選は、AドライバーとBドライバーの合算タイムで決勝のスターティンググリッドが決まります。ST-Xクラスは、#81 GT-Rが総合4番手グリッドを獲得。ST-Zクラスは#26 raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4(大塚隆一郎/富田竜一郎/篠原拓朗/荒聖治/柳田真孝)がクラストップタイムをマークし、#25 raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4(植松忠雄/松田次生/佐藤公哉/名取鉄平)がクラス3番手、#20 Z GT4はクラス6番手からスタートすることになりました。ST-3クラスでは#15 Zがクラスポールポジションを獲得、#16 岡部自動車Z34(小松一臣/田中徹/田中哲也/甲野将哉/中島佑弥)がクラス3番手に入り、24時間後のゴールを目指します。また、#230 Zも予選総合7番手相当のタイムをマークし、ST-Qクラスのトップからスタートを切ることが決まりました。

 
 
 

決勝は25日(土)の午後3時からスタートしました。ST-Xクラスでは#81 GT-Rのステアリングを握る藤波が好スタートを見せて1周目でトップに立ち、2周目から早くもバックマーカーが現れるなか、巧みな走りで順調に後続を引き離していきます。ST-Zクラスのスタートでも#26 Z GT4の富田がホールショットを決め、#25 Z GT4の松田も、前をいくライバルをスタートでうまく攻略し2番手に浮上。1周目にしてNissan Z NISMO GT4の1-2体制を築きました。しかしレース開始から約10分を過ぎた7周目、#25 Z GT4は他クラスの車両に追突されてしまい、大きなダメージを受けピットイン。この影響で#25 Z GT4は長時間の修復作業をすることになりました。#20 Z GT4はポジションを上げて、レース1時間経過後には表彰台争いを繰り広げる位置につけました。

#20 Z GT4はその後も好ペースを維持し、2時間半が経過したところで#26 Z GT4を捉えてクラストップに浮上、再びZ NISMO GT4は1-2体制になりました。レースは開始3時間45分を経過した18時35分からナイトセッションに突入します。6時間を過ぎ、再びST-Zクラストップを走っていた#26 Z GT4に駆動系のトラブルが発生しストップ。後退を余儀なくされます。一方の#20 Z GT4はピットアウト時にエンジンがかからないトラブルに見舞われたものの、諦めることなく上位を目指します。レース開始後8時間を過ぎた23時頃より、霧雨に近い少量の雨が降り始め、路面は徐々にウェットコンディションになっていきました。ST-Xクラスの2番手を走行していた#81 GT-Rは、12時間経過後にガレージイン。スロットル系のトラブルが発生したため、部品を交換してレースに復帰しました。

朝を迎える頃には雨が弱まり、ドライでのセッションに戻った505周目には、#81 GT-Rの青木がクラスファステストラップを記録するスピードを見せました。しかし#81 GT-Rはエンジン系の不調が完治せずピットインを繰り返し、トラブルに対処しながらも最後まで辛抱強く走行、総合5番手でチェッカーフラッグを受けました。ST-Zクラスは#20 Z GT4が、新たに加わったバゲットを含む各選手の光るドライビングで粘り強く走り抜き、11台で争われた激戦のST-Zクラスで4位完走を果たしました。

青木孝行(#81 DAISHIN GT-R GT3)
「クルマはペースが良く、Aドライバーの大八木信行選手も昨年以上のスピードを見せてくれました。例年以上に手ごたえを感じていたのですが、24時間レースの厳しさや難しさを、あらためて感じる結果となりました。クルマに何かトラブルがあっても、チームは最短時間で原因を究明してすぐにコースに復帰させてくれましたが、ライバルも本当に完璧なレースを求めて戦ってくるので、ほんの少しのミスが命取りになります。諦めずに最後まで走り切れたのは良かったと思いますが、まだまだ課題もありますので、次に活かしていきたいです」

石川京侍(#20 NANIWA DENSO TEAM IMPUL Z)
「昨年の24時間レースではアクシデントもあって順調に走ることができなかったのですが、今回はそういったこともなく、コンディションがウェットになっても対応できて問題なく走れました。クルマにトラブルがありましたが、それ以外はチーム全体でミスもなく終えることができたので良かったです。トラブルがなければ優勝も狙えるほど強い戦いができました。また、初めてベルトラン・バゲット選手と一緒のチームで走りましたが、GT500で長年戦っているだけあってタイヤのマネージメントや、バックマーカーのさばき方など、ものすごく勉強になりました」

 
 
 
 

ST-3クラスでは、ポールポジションの#15 Zが順調なペースで大きなトラブルもなく走行を続けたものの、徐々にライバルが近づき、レース折り返しを前に2番手に後退。その後も一進一退の攻防を繰り返しますが、最終的にクラス2位でフィニッシュしました。#16 Zはクラス4番手からスタートし、途中トラブルに見舞われてストップするシーンもありましたが、最後まで諦めずに走り切り、4位で完走を果たしました。

長島正明(#15 岡部自動車Z34)
「ドライバーは全員最高の仕事をしてくれたと思います。本当に個性を活かしたラインナップで、今回参加してくれた三浦愛選手もチームの良い雰囲気づくりに貢献してくれて、僕も含めてみんな本当によく頑張りました。でも、ピットワークやタイヤ選択、給油時間でロスが発生してしまい、残念ながら優勝することはできませんでした。とはいえこれもレースですから、気持ちを切り替え次に向かって頑張っていきたいです」

 
 
 
 

ST-Qクラスの#230 Zは、スタートからST-Zクラスの前を走行。その後も大きなトラブルなく、各ドライバーとも順調に走行を続けましたが、20時間を経過したタイミングで他車との接触により、リヤサスペンションメンバーにまで及ぶ大きなダメージを受けて緊急ピットイン。チームの迅速な修復作業で、レース残り2時間を前にコースに復帰、無事にチェッカーフラッグを受けました。#230 Zは最終的に685周(約3126km)を走破し、量産エンジンでのCNFの適合開発とNissan Z NISMO GT4のアップデートと開発を進めるための、多くの貴重な実戦データを得ることができました。また、クインタレッリは505周目にST-Qクラスのファステストラップとなる1分47秒681を記録し、その速さを示しました。

 
 

公式リザルト:Rd.2 決勝結果 (スーパー耐久オフィシャルサイトへ)

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