モータースポーツ

2018.05.22

Round 4 久万高原ラリー

JRC久万高原でノートNISMO Sが前戦に続きクラス2位

五月晴れとなった5月19日(土)~20日(日)、愛媛県久万高原町のハイランドパークみかわを拠点に、全日本ラリー選手権第4戦「久万高原ラリー」が行われ、ブレイドライブYHノートNISMO S(伊藤隆晃/大高徹也)がJN-1クラス(全8台)2位に入賞した。

久万高原ラリーは、愛媛県中央部に位置する高地を舞台に、ヘアピンが続出する林道、アップダウンのある高速ステージ、スキー場のギャラリーステージなどで構成される今季初のグラベル(未舗装)ラリーで、総走行距離は約200kmとなっている。スペシャルステージの多くは、標高1000mを越す高地に設定されており、クルー達は金曜日にレッキ(試走)してペースノートを作成し、土曜日朝に久万高原町役場のセレモニアルスタートを経て二日間の難コース攻略に挑んだ。

CINQレーシングのプレイドライブYHノートNISMO Sのドライバー、伊藤隆晃は、グラベルラリーが今回初体験であった。「クルマは丹後ラリー以後仕上げにかかり、1週間ほど前にグラベル仕様が完成しました。少しだけ(関東で)走ってきましたが、ほぼぶっつけ本番でした。今回は路面がかなりラフだったので、とにかくコース上に残っていることだけを考えて走りました。気をぬくと落ちてしまいそうな箇所もありましたから。しかも、前のクラスの車両が通ったあとはさらにコンディションが荒れるので、レッキの時よりもかなり路面は悪化していましたね」と伊藤は語っている。特にSS1とSS4の大野ヶ原線の路面はJN-1勢を苦しめ、タイロッドの破損やブレーキラインにダメージを受ける車両が続出した。伊藤のノートNISMO Sも「時々ガードを打つものすごい音がしましたが、僕の場合は大きなダメージはありませんでした。ただ、いつのまにかタイヤのサイドウォールを痛めて、ステージをフィニッシュしてスローパンクチャーしているのを発見できたんでラッキーでした。ガードも曲がっていました」、とのこと。レグ1をクラス2位で通過した伊藤/大高組ノートNISMOは、レグ2でも慎重な走りでステージをクリアして行く。2本目のSS8では、先行車両が横転して道を塞ぎ、それによって10分ほどその場で待たされるが、のちに救済措置が入り、ブロックされた車両には全車クラスファステストタイムが与えられることになった。その後は、駆動系をいたわりながら、無理してクルマを壊さない範囲のペースで進行。全12ステージを走破し、クラス2位を確定した。

伊藤隆晃は、「今回は僕にとって初グラベルイベントだったし、想像以上のタフなラリーだったけど、最低限完走しろとチームから言われていたので、自分自身としては80点の出来だったと思います。次のモントレー(6月9日~10日、群馬県)は、過去に3回走っていますが、それは全てターマックでした。今回からグラベル中心で一部ターマック路面を含むミックスイベントになるとのことです。グラベル用タイヤで舗装路を走るのは結構難しいので、タイヤの選択を含めて事前の走り込みが必要だと感じています」と語っている。

NRSノートNISMO Sを駆るチームNRSの高崎巧/馬場裕之組は、グラベルラリー出場にあたって、マシンのサスペンションをグラベル専用に換装し、サンプガード、タンクガードなどのガード類を追加し、タフな対応が予想されるこのラリーに備えた。「僕自身、久しぶりのグラベルラリーということで、セッティングを試しながら、ラフロード攻略を楽しむつもりでやってきました」と高崎は語っていた。しかし、競技区間を走り出してみると、コースは予想以上にハードな設定であり、レグ1午前中3本のSS(スペシャルステージ)を走行してサービスパークに戻ると、「路面は高い岩盤の上に砂利を敷いて固めたもので、AWD車が走行した後は、彼らが掻き出した大きな石があちこちに現れ、深い轍もできていました。また、最初のステージは前日降った雨によって濡れている箇所が多く滑りやすいなど、その難しさは予想を超えていました」と高崎は語っている。午後のループに入って2本目のステージに入ると、突然マシンが駆動力を失ってストップ。クルーが確認すると、ステアリング系のパーツが壊れ、ドライブシャフトが抜けて動力伝達ができなくなっていた。ステアリングも機能しないため競技続行が不可能となり、この時点でリタイヤとなった。牽引されて競技車両はサービスパークに戻ったが、破損した当該部品はスペアがなく、他の方法での入手も困難であったため、デイ2出走も諦めることとなった。

高崎巧は、「今回の結果はとても残念です。サスペンションのセッティングも難しく、アンダーステアが強い上に轍にステアリングを取られるという厳しさでした。用心しながらの走行だったので、とてもラリーを楽しむという状況にはなかったですね。次回のモントレーもグラベルラリーですが、路面はここよりかなり走りやすいと聞いています。次回は良いラリーができるよう、頑張ります」とコメントした。

【結果】- 第4戦 JN1クラス

Pos No. Machine Dr / Co.Dr Leg 1 Leg 2 総合
1 44 スマッシュDLインディゴパワースイフト 古川 寛
廣田 幸子
45:53.3 33:25.2 1:19:18.5
2 46 プレイドライブYHノート NISMO S 伊藤 隆晃
大高 徹也
46:30.8 33:19.7 1:19:50.5
3 43 itzz ADVAN AN Fit 小川 剛
佐々木 裕一
46:40.6 33:25.8 1:20:06.4
4 45 YH Moty's BRIG G4 スイフト 内藤 学武
小藤 桂一
46:48.5 33:41.6 1:20:30.1
5 47 YH ACRE AW オクヤマ VITZ いとう りな
伊勢谷 巧
48:06.3 35:08.1 1:23:14.4
- 48 DLリジットCUSCOe'Tuneデミオ 東 隆弥
梶山 剛
--- --- R
- 49 NRS NOTE NISMO S 高崎 巧
馬場 裕之
--- --- R
- 50 インディゴパワー☆BRIG☆DL☆デミオ 松原 久
和田 善明
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