2019.06.26
ドイツのニュルブルクリンクで開催された第47回ニュルブルクリンク24時間レース(6月20日~23日)に3台のNISSAN GT-R NISMO GT3が参戦。KONDO RACINGの#45 GT-R (松田次生/高星明誠/藤井誠暢/トム・コロネル)が初挑戦で24時間を走りぬき、今回出場した日本車の中で最上位の総合9位、クラス8位となった。
今年のニュル24時間は160台がエントリー。GT-Rが参戦するSP9クラスには33台が出場した。GT-Rは、ニスモのGT3オフィシャルパートナーチームのKCMGから#38 GT-R (フィリップ・ヴラズィック/クリスチャン・メンゼル/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/ジョシュ・バードン)と#39 GT-R (ニコ・メンゼル/エドアルド・リベラティ/ヨス・クリスター/マシュー・バクシビエール)、同KONDO RACINGの#45 GT-Rの合計3台が出場した。KONDO RACINGには、NISMOパフォーマンスセンター(NPC)でNISMOマイスターとして活躍中のメカニック3名が参加し、チームと共にニュル24時間に初挑戦した。
スターティンググリッドは、20日と21日に行われた予選セッションのタイムと、5月に行われた予選レース及びVLN選手権での実績等で出場権を得た28台によるトップクオリファイで決定する。GT-R勢は2台がトップクオリファイに進み、#39 GT-Rが総合22位、#45 GT-Rが総合25位。#38 GT-Rは総合30位から24時間レースを戦うことになった。
決勝レースは現地時間の22日(土)午後3時30分にスタート。#39 GT-Rはリベラティが、#45 GT-Rはコロネルが、#38 GT-Rはオリベイラがそれぞれスタートドライバーを務めた。
#38 GT-Rは順調に走行を重ね、総合11位まで順位を上げることもあったが、6時間を経過したところでコード60でスピードを落としていた際に他車に追突されてしまった。ドライバーのバードンは無事だったがマシンのダメージが大きく、リタイアとなった。
また、12時間を経過するまでトラブルなく周回していた#39 GT-Rは、65周目を周回中にフロントタイヤが脱落してしまい、クラッシュ。なんとかピットに戻り修復作業を行っていたが、損傷が大きかったことからリタイアすることになった。
ポール・イップ KCMGチーム代表(#38 GT-R、#39 GT-R/リタイア)
「VLN選手権に3度出場し、予選レースでも素晴らしい結果を出すなど、ニュル24時間レースに向けた準備も順調でしたので、2台ともゴールを迎えられず残念です。でもチームもドライバーも今週末は良い結果を出そうと、出来る限りのことをしてくれましたし、レースでもいいペースを見せることが出来ました。ほんの少しだけアンラッキーだっただけで、モータースポーツでは時としてあることです。ジョシュとニコが事故の後、無事でほっとしました。気持ちを切り替えて、次のスパに向けて準備をしたいと思います」
#45 GT-Rは、コロネルから高星、松田、藤井とドライバーを交代しながら周回を重ねていった。夜間はダブルスティントをつなぎ、ノートラブル、ノーミスで走行。夜明け後も他車との争いを展開しながら走行し、終盤には一時総合8位まで順位を上げた。最後の1時間は藤井が担当してフィニッシュドライバーを務め、総合10位、クラス9位でチェッカーを受けた。レース後、上位のマシンが車両規則違反で失格になったため、#45 GT-Rは総合9位、クラス8位へ繰り上げとなった。過酷と言われるニュル24時間初参戦でノーミス、ノートラブルで完走し、シングルフィニッシュという素晴らしい結果となった。
近藤真彦監督(#45 GT-R/総合9位 SP9クラス8位)
「これ以上ない結果です。ミスやトラブルは99%ありませんでした。ドライバーもそうですが、メカニックたちが本当によく頑張ってくれました。来年はプレッシャーになりますが、気を引き締めて戦いたいと思います」
松田次生(#45 GT-R/総合9位 SP9クラス8位)
「しっかり完走するという目標を達成できてクラス8位というのは、正直出来すぎです。課題も見つかったし来年につながったと思います。僕個人では、最近の24時間レースはあまり良い結果が出なかったのですが、今回本当にしっかりとレースができました。メカニックたちもいい仕事をしてくれましたし、ヨコハマタイヤにも感謝です」
高星明誠(#45 GT-R/総合9位 SP9クラス8位)
「24時間を戦えるクルマを作ってくれたニスモ、メンテナンスしてくれたチームに感謝しかありません。ドライバーも次につなげる良い仕事をしたと思いますし、チームに応えられるような仕事ができました。来年はハードルが高くなりますね。今回見つかった課題もあるので、それを改善したいです」
藤井誠暢(#45 GT-R/総合9位 SP9クラス8位)
「KONDO RACINGとして初めてづくしのニュル挑戦。地元のライバル勢はここを走り込んでいてデータも豊富ですし競争力あるクルマが多いです。そんな中で僕たちは結果を出すことができました。今年は、順位はともかく必ずチェッカーを受ける、ノーミスで行こうという目標があって、ペナルティも接触もゼロ。新車の状態でレースを終えることができました。タイヤやメカトラブルもありませんでした。全員力を100%出して頑張りつつ冷静にレースを進めていった結果の総合9位、クラス8位。とても過酷なサーキットでドライバーとしてうれしいし、仕事に集中できたので達成感があります」
トム・コロネル(#45 GT-R/総合9位 SP9クラス8位)
「メカニカルトラブルはなく、ドライバーのミスもチームのミスもありませんでした。すべてにおいて完璧な、100%の日本のスタイルを見せてくれました。このチームで戦えてうれしいです」