12月11日(日)に富士スピードウェイで開催される「NISMO FESTIVAL 2016 supported by MOTUL」でメインMCを務めることになりましたレースアナウンサーの辻野ヒロシです。コラム最終回はレースの現場からお届けします。
先日のSUPER GT最終戦を僕は内側から見せていただいたのですが、皆さんもご存知の通り、今年はGT500もGT300もチャンピオンに輝くことはできませんでした。日産陣営の一員となって見ていた僕も、本当に悔しい結果でした。でも、中で見ていて思いました。みんなが全力を出し切った結果だったと。
特にウェイトハンディ無しの最終戦は低い路面温度にも悩まされ、予選からライバルに1秒遅れを取る苦しい展開に。ヨコハマタイヤを履く24号車だけでなく、ミシュランの1号車、46号車もタイヤ無交換作戦に出て攻めの姿勢を見せたレースでした。仮に前日の第3戦と同じようにセーフティカーが導入される局面を迎えていたら。。。とタラレバを今更言っても仕方がないですが、レース展開を読みつつ、最後まで諦めない攻めの姿勢を貫いた所がNISMOチームらしいなと思いました。
負けはしましたが、この日曜日のレースはGT500に関して、誰ひとり大きなミスをしていません。全員が可能な限りのベストを尽くしていたのです。いつも俯瞰でレースを見る立場なら、勝ち負けで優劣をつけて考えるかもしれません。でも、今回はミスなく頑張っているのに結果につながらない悔しさがレースをする側にはあるのだと知りました。
日曜日のレースは1号車「MOTUL AUTECH GT-R」もタイヤ無交換作戦に出ましたが、NISMOメカニックのタイヤ交換・ピット作業の速さが天下一品なのは皆さんもよくご存知の通りです。日々、専用のトレーニングルームとタイヤ交換練習用のマシンでシミュレーションを行い、どのチームのピットクルーよりも練習の努力を重ねています。ミスしないメンタル面の強さも鍛えられています。その強みは今季、ずっとランキング首位に君臨してきたという事実に現れていたと思います。シーズンを終えての結果は負けとなりましたが、トータルでは負けていなかったと僕は思います。
そんなレースの重要な要素であるピット作業を担うメカニックの皆さん。実は長い付き合いです。それこそ10年以上前、僕が初出演した2005年のNISMO FESTIVALでピットワークシミュレーションのイベントでご一緒したメカニックさんたちが、今、1号車のメカニックとして最前線で頑張っているのです。確か当時はまだレギュラーになったばかりか予備軍ぐらいの時で、いわば新人さん的立場だった方々が10年経ってワークスカーを担当している。これは僕にとっても嬉しい事実だし、皆さんの頑張っている姿は自分の励みになります。強烈なプレッシャーと戦い、経験と日々の鍛錬が必要とされる難しいポジション。昔よりも遥かに凛々しい表情になったメカニックの皆さんの姿にグリッドやピットで出会えました。
そんなNISMOのレースを支えるピットクルーやレースを支えるスタッフと交流できるのもNISMO FESTIVALの素晴らしいところです。恒例のピットワークシミュレーションはもちろん、今年は子供たちがレースのいろんなお仕事を体験したり、プロの人にインタビューしたりする「キッズお楽しみイベント」が充実しています。
これはNISMO FESTIVALのホームページから事前に応募が必要となり、すでに締め切りになってしまいましたが、見事当選されたキッズのみんなのご来場を楽しみにしています。 キッズカート体験やキッズライドなど当日参加OKのイベントも充実していますから、ぜひお子さんを連れてご家族でもご来場くださいね。さぁ、いよいよ12月11日(日)に富士スピードウェイで開催されるNISMO FESTIVAL。楽しみになってきましたね。2017年のSUPER GTを戦う新型Nissan GT-R NISMO GT500がお披露目されることになるでしょう。忘年会というよりは来年に向けてドライバーもチームもファンもみんなで集結してテンションを高めていく、ちょっと早い新年会?的な意味合いもあるイベントになると思います。楽しい時間になること間違いなしです!
僕もメインMCとして来場されたお客様に楽しんでいただけるように頑張ります。それでは当日、富士スピードウェイでお会いしましょう!! 一緒に声に出して来年に向けてパワーを送りましょうね! ゴー!ゴー!ニッサン!