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12月4日、「NISMOフェスティバル」が3年ぶりに富士スピードウェイで開催。お昼前から雪が降るという天候にもかかわらず、2万7100人ものファンを集めた。R380-U、R381、R382の走行に当時のライバル、トヨタ7が加わったり、午後には前週にシェイクダウンしたばかりの06年SUPER GT仕様のZが走行するなど、事前に告知されなかったサプライズ企画も登場。悪天候にもかかわらずサーキットに残ったファンを喜ばせた。 当日は降雨の確率が高かった。それにもかかわらず、前日からゲート前で宿泊してゲートオープンを待ちわびるファンの姿が見られた。夜が明けると天候は曇天。気温は低いが、早朝から観戦ポイントを確保したり、ショッピングの行列に並んだりするファンの姿が見受けられた。
レーシングコース
9時、フェスティバルに参加するドライバー全員がメインスタンド前に整列してオープニング。星野一義が開会宣言をし、現役選手を代表して井出有治があいさつをして、イベントがスタートした。

直後に始まったのは、NISMO 400R、270R、R34 GT-R Z-tune、フェアレディZ S-tune GT、マーチS-tune COMPLETEなどNISMOのコンプリートカーによるパレード。そして恒例のMARCH Cupエキシビションレースが始まった。9名のドライバーの中には、F3やラリーなどレーシングドライバーの経験を持つカルロス・タバレス日産自動車副社長の姿も! レースは、ポールスタートの本山哲がサイドブレーキを引いたままスタートして遅れ、井出、影山正美、木下みつひろ、砂子塾長らが激しいデッドヒートを繰り広げたが、最後の最後でスリップストリームを使って砂子を逆転した井出が優勝。昨年優勝しながらもフォーメーションでスピンを喫したためにレース除外となった井出の雪辱となった。

場内をさらに盛り上げたのは、DRIFT X-TREME Show。Z、シルビア、スカイラインと8台のドリフト車両によるショーは、まずは派手なドリフト走行を披露。次に進行方向とは逆向きに距離をやや置いて整列した車両が、止まっている車両をパイロンに見立てて1台ずつドリフトでスラローム走行。そしてグランドスタンド前で3台がひとつの輪になるドーナツターンを披露。そこへ1台の車両が加わり計4台の車両がひとつの輪に。また1台が抜けて別の1台が加わり、もう1箇所でも新しい輪を作るなどそのドライビングテクニックにスタンドのファンは拍手大喝采となった。

そして今回のメイン企画、R380シリーズデモ走行が始まった。ドライバーはR380-Uが砂子塾長、R381が北野元、そしてR382が高橋国光。と、ここに鮒子田寛がドライブするトヨタ7が加わった。日本のモータースポーツ黎明期にしのぎを削ったモンスターマシンが奏でるエキゾーストノートは、豪快そのもの! かつてR380〜382をドライブした砂子義一は解説を担当した。

それまでチラチラと舞い落ちてきた雪が、お昼前からは本降りに。そんな中、グループA、スーパー耐久、旧レース車による模擬レースが開催。コースコンディションが悪化したことから、レース形式を取らず、隊列を組んでのパレードとなった。

続くチューニングカーバトルは、フェアレディZ(1台のみスカイラインクーペ)に車両をGT-Rから変更して13台が参加して行われた。チューニングの新時代を築くということで各チューナーは独自の自慢のチューニングを施していたが、ヒートアップしすぎてアクシデントが起きては大変。チューニングカーバトルもコースコンディションが悪化して、残念ながらパレード走行になってしまったが、独自のスタイリングやエキゾーストノートを披露することができた。

雪が激しく降る中に始まったのは、スカイラインクーペやスカイラインGT-B、ハコスカ、ケンメリといった第1世代のGT-Rを中心としたクラシックカーパレード。懐かしがるオールドファンはもちろん、実車を初めて目にした若いファンを喜ばせた。

続いて行われたグリッドウォークでは、朝早い時点でSOLD OUTとなったグリッドウォークチケットを手にしたファンがスターティンググリッドに。レーシングカーやドライバーと一緒に写真を撮る姿があちこちで見受けられた。このグリッドに整列したのは、グループC、ル・マン24時間出場車、GTカーなどで、30分ほどのグリッドウォークが終了すると、2回目の模擬レースにスタートしていった。この模擬レースもパレードラップとなったが、2台のSUPER GT仕様の Zを先頭に、R391、R390 GT1、R92CP、GT500 GT-R、GT300 Zがヘッドライトを煌々と点灯して走行するシーンは圧巻だった。

そして午後のハイライトは、15時過ぎから行われたSUPER GT仕様Zの06モデル走行だった。週の頭にシェイクダウンしたばかり、黒いカーボン地むき出しのZをドライブするのは本山。マシンコントロールの難しいウェット路面ながら、グランドスタンド前を2回通過して、雪の中待っていたファンを喜ばせた。マシンから降りてきた本山は「ドライコンディションだったらコースレコードも狙えた」と、既に06モデルに大きな手応えを感じているようだった。

そしてあたりが暗くなるころ、イベントはフィナーレを迎えた。コース上に主要レーシングカー&ドライバーが集合し、本山とミハエル・クルムがファンにあいさつ。最後に眞田裕一(NISMO社長)が、今年のチームタイトル獲得への応援に対し礼を述べ、来年もタイトル獲得を目指すと力強く宣言。イベントに参加したレーシングカー、ドリフト車両がコースをパレードして今年のイベントは閉幕した。車両から降りたドライバーたちが、最後まで残ってくれたファンに対し手を振って感謝する姿が印象的だった。

パドック側イベントエリア
ピットガレージ裏側のAパドックは、NISMOコンプリートカー、クラシックカー、R380シリーズなどの展示エリア。普段なかなか見ることのできない車両を間近でチェックすることができるようになっていた。

スタンド側イベントエリア
朝早くからファンが行列を作ったのが、ニスモの限定ミニカー、アウトレット、ガレージセールのコーナー。NISMOショップのレーシングカーパーツ、ウェア&グッズはもちろん、スポンサーや協賛各社の多数のショップにもお宝や掘り出し物を求めてファンが群がった。

そして初めて開催されたのが、ラリー競技を参考にしたセレモニアルスタート。MARCH Cupやドリフトに参加するドライバーが車両と共に1台ずつ登場。大勢のファンの前でひとことコメントを発して、レーシングコースのパドックへ向かっていった。

また、レーシングカー&エンジンの展示、おなじみピットワークシミュレーションも開催(実演以外の時間は、小学生以下の子どもがレーシングカーに同乗体験)、今年で2回目となる5か所に用意されたスタンプをすべて集めると完走賞のメダルがもらえるスタンプラリー、エアドームや塗り絵で遊べるキッズパーク、初開催となるNISMOのメカニックが案内するキッズのピット&表彰台ツアーなどなど、グランドスタンド下の広場はどこに行っても何らかのイベントが行われている状態で、ファンも飽きることなく散策ができた。

ドリフトコース
ドリフトコースでは、ツインドリフト大会が行われ、決勝には熊久保信重&田中一弘組、野村謙&風間靖幸組が勝ち残り、野村&風間組が優勝した。2台1組の迫力ドリフトの詳細は公開収録された「ビデオオプション」誌にて、確認してほしい。

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