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General News - 2003.4.4  
「マーチカップ」第1戦がTIサーキット英田で開幕
 記念すべき初ウィナーは井尻薫!
 WEST JAPAN SERIES Round.1 TIサーキット 3/29〜30
新型(K12)マーチによるニッサン「マーチカップ」が開幕。岡山県TIサーキット英田と山口県MINEサーキットにおいて開催されるWest Japan Seriesの第1戦が、3月29〜30日にTIで行われた。

エントリーしたのは31台。West Japan Seriesを戦うドライバーに加え、5月4日に初戦が行われるEast Japan Seriesに参戦予定のドライバーも車両チェックを兼ねて参加するなど注目のレースとなった。
エントラントはすべて男性で、年齢層は20代後半を中心に、旧マーチレースのチャンピオン経験者である松元博人選手の50歳までと幅広い。

「これまでここ(TI)でAE86(カローラレビン/スプリンタートレノ)やシルビアに乗っていました。マーチはセッティングを出すのが難しいですね。過去には、アンダーステアがどうしても消せなかった経験があります。これは今後の課題でしょう。この新型はステアリングを雑に操作するとパワーをロスしますので、運転の基本をもう一度見直すにはいいレースだと思います。FF車でのレースは初めてなので、少々戸惑いはありますね。でも面白いし、ためになります」と神田健治選手。

「クルマは丸くてかわいい印象の外観と違い、運転してみるとシャキッとしているので、小さくてもレーシングカーだなって思います。一番の魅力はデータロガー* が見られるという点でしょうね。まだ速くないドライバーは、速い選手の走り方を参考にすればいいので、頭の中で走り方がよりイメージできると思います。自分のデータを他の参加者に見られることに抵抗はありません。みんながレベルアップしてくればもっと面白いレース展開になるでしょうし。それと、自分なりに走り方やライン取りを変えてみて、それをすぐにデータで確認して走りを突き詰めていくこともできますし、絶対お勧めですよ」と、スーパー耐久シリーズやビッツレースに参戦経験を持つ井尻薫選手はコメントしている。

また、別のドライバーに話を聞くと、「以前、ナンバー付き車両でのワンメイクレースを経験したんですが、マーチカップはナンバープレートのない本格的なレースカーなので、次のステップとして参戦する事にしました。データロガーも魅力的だし、自分のスキルアップにはもってこいです。僕がレースを始めるときにマーチカップがあれば、絶対こっちを選んでますね」と、マーチカップを絶賛する。

29日に行われた予選では、レコードラインにオイルが出てしまう悪コンディションの中、井尻選手が1分59秒282でポールポジションを獲得。神田選手が2位、ベテラン松元選手が3位となった。

30日のお昼過ぎに行われた10周の決勝レース。グリッドには色とりどりのマーチが30台並び圧巻!スタート直後の第2コーナーで1台のマシンが横転するアクシデントが起きたが、ドライバーは無事でレースはそのまま続行された。ポールスタートから3周目には自らの予選タイムを上回る1分59秒048をマークして独走した井尻選手。しかし後半、タイヤがグリップを失い松元選手が追いついていく。後続グループでは、随所でサイドbyサイド、テールtoノーズのバトルが展開され、3台の車両が並びながらコーナーに進入する様子は、ドライブしている選手はもちろんのこと見ているほうも非常にスリリングな展開となった。トップ争いは、井尻選手が松元選手の追撃を振り切ってマーチカップ初のウィナーとなった。

「去年はレースを休んでいましたが、やはり楽しいですね。勝てたのはとてもうれしいです。次からはEast Japan Seriesに出場予定なんですが、そちらも楽しみです」と井尻選手。表彰台では喜びを表すパフォーマンスで、場内の笑いを誘っていた。

マーチカップは、入門カテゴリーとしてコストを抑えながら、本格的なレース車両によるワンメークレースとして、本物志向の愛好者が手軽にモータースポーツを楽しむ環境づくりを目指し、1984年から日産自動車が実施している。新シリーズにおいては、「おしゃれ」で「洗練された」雰囲気作りにも気を配り、女性やファミリーでも楽しんでいただけるようなレースを目指している。日産/ニスモは、ダカールラリーや全日本GT選手権といった国際的な活動と共に、こうしたプライベートレベルの活動支援も行い、今後もモータースポーツの発展と振興に寄与していく。

*データロガー
 車速、エンジン回転、加速G、旋回G、ブレーキ圧力、アクセル開度、油・水温などの走行データを収集する装置
マーチカップ西日本シリーズ第1戦のレース結果等詳細は、マーチカップオフィシャルサイト(www.marchcup.jp)をご参照ください。
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