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General News - 2003.7.10  
※変更になりました
  テレビ放映のご案内  
8月31日(日)25:30〜26:24
テレビ東京(予定)
8月31日(日)14:00〜15:54
BSジャパン(予定)
第81回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム
伝統のパイクスピークヒルクライムに
新型フェアレディZが参戦
クラス3、4位で無事完走を果たす

6月26日〜28日  米コロラド州パイクスピーク
6月26〜28日に、伝統のヒルクライム競技である「第81回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」が、米コロラド州パイクスピーク(標高4300m)にて開催され、日本から参加したチームコムセントが、2台の新型フェアレディZをエントリー。パイクスピークオープンクラスで3位、4位と無事初参戦で完走を果たした。

パイクスピークヒルクライムは、標高2800mのスタート地点から標高4300mのゴール地点まで、全長21kmのダートコースを駆け上がるタイムトライアル競技。コースには156ものコーナーがあり、しかも崖っぷちにはガードレールも設置されておらず、転落事故も起きるという命がけの豪快なクラシックイベント。

近年、日本からも多くのドライバーが参戦しているが、今回、新型フェアレディZをドライブしたのは、JGTCやスーパー耐久のレギュラーである小林且雄と長島正興。小林は全日本ダートトライアル選手権のチャンピオンを獲得した経験もあり、ダートコースも得意とする42歳。また長島はアメリカでフォーミュラレースの経験もあり、長嶋茂雄読売巨人軍終身名誉監督の次男としても知られる32歳。両名ともパイクスピークは初挑戦だ。

今回小林がドライブする車両は、ZのボディにスカイラインGT-RのRB26DETTエンジン(約600ps)と4WDの駆動系を移植したもの。いっぽう長島がドライブする車両は、ほぼノーマルとグループNに近く当初はハイパフォーマンス・ショールームストッククラスにエントリーしていたが、参加台数が少ないためにクラスが成立せず、小林と同じパイクスオープンクラスへのエントリーとなった。

レースウィークは23日(月)の車検でスタート。24日(火)と25日(水)は公式練習で、ここでマシンチェックをしながら、ドライバーはコースを初めて走行することになる。コースは通常は風光明媚なパイクスピークへの有料道路だが、その多くが硬い未舗装路。スタートしてしばらくはダートで、一旦舗装路を挟んで再びダート、さらに現れる舗装路は冬場の凍結でボロボロになった路面で、後半部分はまたもやダート。ダートといっても長年にわたって踏み固められた平らな路面で、その上に砂利や砂埃があるために非常に滑りやすい。コースの内側やセンターに比べると外側は砂利や埃が多く、ミスコースをすると滑ってコースアウト、つまり何百mも転落することになる。

現地は高い標高で空気が薄いためにエンジンのセッティングが難しく、また小林の車両はオーバーヒートに悩まされ、2台のZはなかなか本来のパフォーマンスを発揮できない。24日には長島がコースオフして車両にダメージを与えるなど、ドライバーも難コースにてこずっているようだ。「昔のダートやってたときみたいに滑りやすいコースに体が自然と反応してドリフトも決めて運転していて楽しい。でも前は空しか見えないんだよ」と小林。

26日(木)は公式予選。予選といってもコース中間地点までの約10kmを使用して、決勝の出走順序を決めるためのタイムトライアルとなる。朝は雨だったが、スタッフがスタート地点に到着するころには上がり霧に。その霧が晴れるころにZがスタート。2台とも無事ゴールまで駆け抜けて決勝を迎えることになった。

なおアメリカにおけるフェアレディZの人気は高く、熱心なファンから一般の観光客までが車両をのぞき込んだり写真を撮ったり質問をしたりと、スタッフは応答に困るほどだった。

27日(金)はオフで28日(土)が決勝。9時半にエキシビションクラスの電気自動車がスタート。そして10時を過ぎたころ長島、数分のインターバルを置いて小林がスタート。長島は途中、エンジンが止まってしまうというトラブルに見舞われたものの、何とか再スタートさせ14分51秒50でクラス4台中4位/総合57台中37位。小林は重い(1600kg!)車両にムチを入れながら、13分54秒04でクラス3位/総合32位となった。なお総合優勝車のタイムは11分34秒70だった。

小林且雄選手
「クルマは参加車両の中で一番重かったんじゃないかな? エンジンも高地用の特殊なセッティングが必要だったので、本来のパワーが出てなくて苦しかった。タイヤも専用品じゃなくて市販のストリートラジアルだからグリップしてくれないし。それでも3速でコーナリングが続いたり気持ちよくドリフトも決めたし、滑り出すと止まらない路面も面白かった。高い山なので景色がいいから気持ちよかったけど、空気が薄くて酸欠状態になるのは参ったね(笑)。初参戦だったけど、これはクセになる! 『来年は怖くてもうこれ以上(アクセルを)踏めないってクルマにしておいて』ってリクエストをチームに出しておいたよ(笑)」
長島正興選手
「初めてのパイクスでしたが、距離も長かったしダート路面でのドライビングを楽しめました。とにかく完走できて良かったと思っています。決勝では途中原因不明のためにエンジンが止まってしまいましたが、かけなおしたらまた動いてくれたのでホッとしました。路面の状況は毎日めまぐるしく変わって、ダートへの対応もずいぶん慣れました。崖はやはり怖いですよ。落ちると大変なのでなるべく見ないように、気にせず無理せず走りました。2WDだしショールームストックのようなクルマでしたし。来年もチャンスがあればまた参加したいですね」


RESULTS
Pikes Peak Open Class

Pos.
No.
Driver
Make
Time
Picnic
Grounds
Glen
Cove
Home Town
1 27 Masaki Ohashi 2000 Mitsubishi Lancer 11:51.77 104.2 97.1 Nagoya Aichi Japan
2 555 Shaun Palmer 1992 GMC S10 Syclone/TD> 12:12.46 94.9 92.3 South Lake Tahoe CA
3 23 Katsuo Kobayashi 2003 Nissan Z33 13:54.04 79.9 75.4 Kuki Saitama Japan
4 33 Masaoki Nagashima 2003 Nissan Z33 14:51.50 73.1 114.2 Ohtaku Tokyo Japan

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