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News 2005
富士テストでミカ・サロがZをドライブ
Copyright © NISMO 
悪天候の中、好タイムをマーク


 NISMOは6月14〜16日の3日間、富士スピードウェイにおいてプライベートテストを実施。9月のSUPER GT第6戦に向けて空力デバイスを含めた新しいパーツを投入し、柳田真孝を中心に本山哲、井出有治がテストカーのステアリングを握った。初日こそドライコンディションでテストメニューを消化できたが、2日目、3日目はあいにくのウェットコンディションとなってしまった。しかし大きなトラブルもなく、順調にテストを終えた。

 このテストで最も注目されたのは、元F1ドライバーのミカ・サロ(フィンランド、38歳)が16日にテストに参加したことだ。これはサロのリクエストにNISMOが応えたもので、午前、午後に合わせて約1時間のドライブを行った。

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 朝10時半過ぎにコースインしたサロは、改修後初めての富士スピードウェイのレイアウトを確認しながら、弱い雨が降り続くコースを慎重に周回し、コース慣熟に努めた。午後のセッションは霧が出て中断することもあったが、15時半過ぎに再びコースイン。午前中より5秒近くタイムアップをした1分47秒39のベストタイムをマークした。この日のZのベストタイムは午前中に本山が出した1分46秒66。コースコンディションが全く同じではなく、また初めての富士ドライブのために単純な比較は難しいが、2年連続チャンピオンと0秒73の差でまとめた。サロはその直後にニュータイヤに交換し再びコースインしたが、タイヤが暖まらないうちにチェッカーとなりタイム更新はならなかった。



ミカ・サロ選手
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「SUPER GT仕様のZは車両がよくできていて非常に運転しやすいので、長距離レースに向いていると思います。レギュレーションが違うので、一概に比較はできませんが、(昨年まで乗っていたFIA GT選手権の)マセラティMC12やフェラーリ575マラネロに比べるとパワーやグリップ感が不足しているけれど、Zはコーナリングスピードが速かったですね。SUPER GTのレベルの高さを実感できました。 NISMOはとてもプロフェッショナルなチームで、常にメカニックがテキパキと働いていて気持ちがいいです。機会があればぜひまたドライブしたいですね。 富士は以前のコースと全く変わっていました。後半のテクニカルセクションは非常にいいレイアウトだと感じました」

柿元邦彦 ニスモ常務取締役
「サロのパフォーマンスはベリーグッド! 初めての富士で初めてのZ、しかも雨という中で、1回もスピンすることなくきちんと走りましたし、タイムも出しました。特に午後の終盤は(タイムを出さなければならないという)プレッシャーが相当かかったと思いますが、ニュータイヤが暖まってもいないのに攻めていましたし、さすがF1経験者という印象を持ちました。 話があったのは3週間ぐらい前で、 本人から直接乗ってみたいというオファーがありました。たまたま富士でテストが予定されていて、タイミングが良かったですね。FIA GTのGT1クラスのレベルがどの程度なのか知りたかったですし。リストリクターや最高出力の違い (FIA GTのGT1車両は650馬力程度。Zは500馬力程度)もありますし、単純な比較はできませんが、できればドライコンディションで走らせたかったです。今回は純粋なテストドライブで、彼を来年起用するかどうかについては全くの白紙です。 3日間のテストは雨によって残念ながら全てのメニューをこなすことはできなかったのですが、セクター1とセクター3のスピードを速くするために新しいものを試しました。全体的に手応えのあったテストでした」