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ダカールラリー 若手ドライバー育成プログラム
池町・三橋、ダカールラリー2005への意気込みを語る |
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残暑厳しい8月24日、日産自動車/ニスモの若手ドライバー育成プログラムに従い、本年のトレーニングを本格的にスタートしたばかりのラリードライバー、池町佳生、三橋淳の2名が東京・大森のニスモを訪れ、プログラムの途中経過や2005年のダカールラリーへの抱負などを語った。
ふたりは、昨年の英国・フランスでの長い研修生活、そして四輪での初参加となった本年のダカールラリーを終え、帰国。春先から今年のトレーニングをスタートした。3月から5月にはニッサンレーシングスクールに入門し、田中哲也、柳田真孝などの講師陣についてマーチカップカーでの荷重移動やライン取りなど、四輪でのレーシングテクニックを改めて習得。また、この時期にそれぞれラリーカーを入手して、ダート路での自主トレーニングにも励んできた。そして、いよいよ7月からは、本格的な実地トレーニングに臨んでいる。
昨年は、それぞれ英国の日産ラリーレイドチーム(池町)、フランスのドスードチーム(三橋)に配属され、プロのナビゲーターを「先生」として主にラリーレイド競技に参加しての体験的訓練が中心であったが、本年より科学的、より実戦的なトレーニングプログラムを組んでいる。ラリーレイドテクニックのインストラクター、ジェローム・リビエールの指導の下、基礎ドライビングスキル、心理面・フィジカル面での強さなどをそれぞれ見極め、同時に砂漠越えなどの具体的なテクニックを体得する、というものだ。フランス・パリ近郊にあるモータースポーツ研修施設「CERAM」で見極めメニューをこなした後、ウォームアップとして7月にスペインで開催されたバハ・エスパーニャに出場した。来年のダカールラリーで使用する予定のパスファインダー(日本名:テラノ) T2仕様を使い、ふたりがそれぞれ交互にドライバー、コ・ドライバーを務めながら、ゴールを目指した。
池町は、「クルマにも慣れてきて、コーナー毎に攻める感覚がつかめました。レースでは狭いピストを通るため、遅いクルマを抜くのに苦労しました。砂埃がすごくて、閉口しましたね」とコメント。三橋は、「ルートマップに従ってナビゲーションするのは初体験でした。自分が運転している以上に、人にものを指示するというのは難しいですね。でも、(日本語での)コミュニケーションが楽だったので、楽しみながらゴールまで行けました」
その後二人は、ジェローム「先生」に従い、モロッコでの集中トレーニングを受けた。フランス日産のオフロード体験コースである「ニッサン・アドベンチャー」の専用車を使い、砂漠でのテクニックを繰り返しトレーニング。「砂漠のルートファインディングのこつがつかめました。スタックすると分かっても、事態が軽いうちに脱出する方向にクルマを向けられるようになりました(三橋)」、「僕もこれまでは砂丘を見たら嫌だな、と思いましたが、今では高速ストレートで走るのと同じぐらい砂漠走行が楽しみになりました」と、収穫大の様子であった。
9月からはフランス・ノルマンディーのドスードチームに赴き、メカニック研修を開始する。そして、その後いくつかのイベントに参加する予定だ。オフロードカーで24時間走り続けるパリ24時間オフロードレースにも参加する。
ニスモの渡邉常務は、「もっと走る機会を、という二人の要望をいれ、今年は盛りだくさんのメニューを用意しました。クルマも今年のTI仕様(生産車に近いカテゴリー)からT2のスーパープロダクション仕様にステップアップします。来年のダカールラリーでは、ワークスチームを脅かすような走りを見せて欲しいと望んでいます。その結果を見て、3年目にどのようなコースに進ませるかを判断したいと思います。」と語る。
池町は、「今年のダカールでは、日本人ドライバーT1部門優勝だの、フェアプレイ賞獲得だの、四輪初参加の僕にはでき過ぎの結果で、来年はこれがまぐれでなかったことを証明するため、必死で頑張らないといけないと思います。目標はずばり、総合15位以内完走です」と抱負を述べた。
また三橋も、「僕は今年リタイヤしているので、来年はとりあえず完走が目標、ということにしておきます。T2のクルマは、T1と違って車重が軽く、サスペンションやギアボックスも、まさにレーシングカーです。精一杯張り切って行って来ます」と力強い。
2005年のダカールラリーは、スペインのバルセロナを1月1日にスタート。ダカールの「ラックローズ(赤い湖)」を目指す、16日間のロングジャーニーである。砂漠の耐久レースに魅せられたふたりは、ダカール初参加以降も確実に成長している。来年のダカールラリーでの活躍が期待される池町・三橋の、残り数ヶ月の奮闘に注目していきたい。 |
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