Le Mans Report
1999年6月13日


残念ながら電気系のトラブルでリタイア。将来への大きい収穫
〜ニッサン一時4位まで上がるパフォーマンス〜


Photo by Toshi Sawado
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メルセデスのクラッシュの後、降りてきた夕闇と共に各チームに不運が訪れる。トヨタの1号車のクラッシュなど今年のル・マンの神様は随分と過酷なシナリオが好きなようだ。そんな中でニスモチームの2台は順調に走行。22号車は、一時は4位に上がるがミハエル・クルム選手がスピンした後遺症から本山選手に代わった後、左のアンダートレイのワイヤーが切れて修理。挽回を図るためコースに復帰、しかし23時25分頃、ミュルサンヌコーナーで突然エンジンがストップ。何とかポルシェコーナーまで来たものの、電気系統のトラブルで約1時間に渡り無線交信を交え、現場で修理を試みるも24時46分修理不可能と判断。リタイアを決定した。


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一方、21号車のニッサンC52は、順調に走行。9時間経過の午前1時現在6位の好位置をキープ。
9時間経過時点でトップは手堅さを見せる17号車のBMW、2位は2号車のトヨタ、3位に15号車のBMW。
22時現在、スタートから6時間経過。
トップは17号車のBMW、2位は2号車のトヨタ、3位に15号車のBMW。



■柿元邦彦 ニッサン・モータースポーツ総監督

「電気系統のトラブルでいきなり止まった。非常に残念だが現場で修理できないと判断。リタイアを決めた。今年は色々と問題はあったが、それなりのパフォーマンスも見せることが出来た。一番の問題は走り込みが充分出来なかったことだと感じている。R391自体の性能は考えていた以上のものがあったと考える。事実、ドライバーからの話を聞いても燃費やタイヤなど性能が優れている。これから、作戦を煮詰めドライバー交代も一人3スティント制に変更しようした矢先だった。色々な課題が出て来年に向けてやらなければならないことが両手に余るほど出たがこれを土台に頑張りたい。その意味では将来に向けて非常に大きい成果があったと考えている。今年のル・マンもまだ21号車のC52が残っているので戦い抜くつもりだ。」

■本山哲 22号車・ニッサンR391ドライバー

「ミュルサンヌでエンジンが急に止まった。何とかポルシェコーナーまで来たが、そこから止まった場所で無線交信しながら1時間くらいメカニックをしたけど直すことが出来なかった。すごく辛かった。それまではすごく調子もよかった。涼しくなって車のコンディションもよくなった。3人とも乗れていたし、長時間乗っていても疲れないいい車だった。R391は予選との差が少ないので優勝も狙えたと思う。でも簡単には行かせてくれない。これがル・マンなのかもしれない。」

■マーク・グーゼン 21号車・ニッサンC52ドライバー

「速いスピードでラップを快調に重ねることが出来たので、3スティントドライブすることにした。タイヤの調子も良好で素晴らしいグリップだ。」

■フレデリック・エクブロム 21号車・ニッサンC52ドライバー

「我々はいいペースを維持できている。速さも充分だし、信頼性もある。ピットストップの間で14ラップを維持できている。速さも十分だし、信頼性もある。ピットストップの間で14ラップを維持するのは重要でありそれが我々の強みでもある。車のパフォーマンスも非常にいい。」

Result List  【2時現在】

POS. No. Cat. Car HH:mm:SS.mmm
1 17 LMP BMW V12 LMR 9:57:52.861
2 2 GTP TOYOTA GT-ONE 9:57:17.985
3 15 LMP BMW V12 LMR 9:56:48.796
4 3 GTP TOYOTA GT-ONE 9:58:31.572
5 8 GTP AUDI R8R 9:59:47.860
6 18 LMP BMW V12 LMR 9:59:39.902
7 21 LMP COURAGE-NISSAN C52 9:59:53.786


les 24 Heures du Mans des 12 et 13 juin 1999.