FINAL TEST in PAUL RICARD
1999年5月18日


NISSAN R391/C52 最終テストレポート

 
 
 
 1999年「ル・マン24時間耐久レース」にエントリーしている日産/ニスモチームは、5月11日から14日までの4日間、南フランス ポールリカール・サーキット(全長5,800m)に於いて決勝に向けた最終テストを行った。連日30度近い暑さとなった同サーキットで、柿元邦彦監督指揮のもとチームは、日産ワークス車両の「R391」2台とクラージュ・コンペティション社との共同開発車両「C52」1台のセットアップとロングラン・テストを行い、6月12日午後4時にスタートする決勝レースへの好感触を得た。

 またチームは、R391の決勝でのドライバーの組み合わせを今回のテストと同様以下の組み合わせにすると決定した。

■ドライバーの組み合わせ

NISSAN R391(22号車)
本山哲
Satoshi Motoyama(日)
ミハエル クルム
Michael Krumm(独)
エリック コマス
Erik Comas(仏)

NISSAN R391(23号車)
鈴木亜久里
Aguri Suzuki(日)
エリック バンデポール
Eric van de Poele(ベルギー)
影山正美
Masami Kageyama(日)

NISSAN C52(21号車)
ディディエ コタズ
Didier Cottaz(仏)
フレドゥリク エクブロム
Fredrik Ekblom(スウェーデン)
マーク グーセン
Marc Goossens(ベルギー)

■テスト状況

2台のR391(22号車と23号車)は、初日、ポールリカール・サーキットに合わせた基本セッティングと、長さ1,800メートルのストレートエンドでの最高速度を上げるための空力関係の調整を行った。またC52(21号車)も、初日は各種基本セッティングに当てられた。

そして2日目から、3台はロングラン走行に移った。2台のR391は、新開発車両に起こりがちな初期トラブルを経験しつつも、日を追う毎に車両の完成度を増し、特にサスペンション、空力関係のセッティングに加え、重量バランスの再調整を終え、テスト3日目には快調にロングラン走行が繰り返された。


 PAUL RICARD

中でも22号車に乗ったコマス選手は29周1スティントのロングラン走行を連続して行い、非常に速いタイムを連続して記録し安定した走りを見せた。


 PAUL RICARD (magnify:33k)
また、気温の下がった夕刻の走行で同車に乗りこんだクルム選手は、ロングラン走行中に今回のテスト中のベストタイムを記録した。さらに同日は2台の夜間走行が行われ、ライト類の調整も行われた。

一方、C52も同様に、コタズ選手らの手によって2日目からはロングラン走行が繰り返された。また3日目にはタイヤ、燃費の確認走行も行われ、非常に良好な結果が得られた他、夜間走行も行われた。


■柿元邦彦 ニッサン・モータースポーツ総監督

「今回のテストは、予備予選の前にやり残したテストメニューを、予備予選の結果を踏まえつつ行うことを目的としていた。具体的には、主としてサスペンションと空力関係のセットアップだ。
さらに最高速度を伸ばすためのセッティングも行った。結果は良好で、R391の高い戦闘力を確認することが出来た。いろいろ問題も出たが、深刻なものは何もなく、対策方法もわかっているものばかりで心配はしていない。そうした問題は、今回出てくれてむしろ良かった。今回問題のあった個所以外は既に延べ8,000kmを走行してトラブルはなく、耐久性を確認することが出来た。また、ロングラン・テストでも24時間を戦う上で非常に良い結果が得られた。今回のテストを終え、6月12日の決勝に向けていっそう自信を深めることが出来た。」
 PAUL RICARD (magnify:34k)

 
les 24 Heures du Mans des 12 et 13 juin 1999.